HOME 国内

2024.03.01

世界陸上代表・山下一貴「自分に集中」 パリ五輪へ自己ベストが基準「自分が一番意識しやすいタイム」/東京マラソン
世界陸上代表・山下一貴「自分に集中」 パリ五輪へ自己ベストが基準「自分が一番意識しやすいタイム」/東京マラソン

東京マラソンの前々日会見に臨んだ山下一貴

◇東京マラソン2024(3月3日/東京・東京都庁~東京駅前)

アボット・ワールドマラソンメジャーズの一つで、JMCシリーズGS、パリ五輪代表選考会マラソングランドチャピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジ(男子)の東京マラソンが3月3日に行われる。

大会前々日の3月1日、都内でプレスカンファレンスが開かれ招待選手が登壇。その後は報道陣の取材に対応した。

広告の下にコンテンツが続きます

男子マラソンのパリ五輪代表は残す1枠。今大会が最後のチャンスで、設定記録2時間5分50秒をクリアした最上位が代表に内定するが、切る選手が現われなければMGC3位の大迫傑(Nike)が代表に。正真正銘、最後のチャンスとなる。

山下一貴(三菱重工)は「自分のことに集中して、自分のリズム、マイペースを崩さないようにがんばりたい」と落ち着いた表情で語った。

前回大会は日本歴代3位の2時間5分51秒をマークし、日本人トップの7位を占めてオレゴン世界選手権代表入りにつなげた。今大会、五輪代表入りへ必須のMGCファイナルチャレンジ設定記録は、まさにこの自身の記録が基準となり、それを1秒上回るタイムだ。

ただ、「自己ベストを更新するということは、今までの100%を超えることなので、簡単なことではない」こともわかっている。狙ってタイムを出すことの難しさも。

「昨年の自己ベストは狙って出したというよりも、『出ちゃった』という感じのタイム。狙って出すというのはハードルが上がってきます」。それでも、目安が自分の記録である以上は、「自分が一番意識をしやすいタイム」と前向きに捉えている。

昨年8月のブダペスト世界陸上では一時はメダルが見える5位まで浮上したが、終盤に両脚にケイレンを起こして12位。そこから1ヵ月半のスパンで挑んだ10月15日のMGCでは、回復が間に合わずに32位にとどまった。

その後は左脚ハムストリングスから臀部にかけて「すごく固まってしまった」ことで、膝に痛みが出ることがあったという。その影響か、上半身と下半身のバランスに崩れが生じ、練習は継続できていたものの「思うように走れないことが続きました」。元日のニューイヤー駅伝でも、アップダウンの多い5区で区間24位にとどまっている。

だが、そこから体幹を中心に上半身と下半身の連動を意識づけるトレーニングを取り入れ、この大会が近づくにつれて「少しまとまってきた」と言う。あとは、自分の感覚を信じて臨むだけだ。「入社してから一番近くの、大きな目標としてやってきた」というパリ五輪に向けての最後のチャンス。「入社して4年、ここでつかむつもりで練習してきた。パリに向けてがんばりたい」と言葉に力を込めた。

レース前日はいつも「緊張する」と言うが、いざ走り出すと「自分の走りに集中できる」。それを信じて、スタートラインに立つ。

前回日本人2番手で2時間5分59秒を出したブダペスト世界選手権代表の其田健也(JR東日本)は「いつも通りできて、コンディションは良いです。シンプルに、パリ五輪の最後の一枠を勝ち取りたい」と目標を語った。

東京マラソンは3月3日、9時10分に都庁前をスタートし、都内を巡って東京駅前でフィニッシュする。大会の様子は日本テレビ系列で朝9時から生中継される。

◇東京マラソン2024(3月3日/東京・東京都庁~東京駅前) アボット・ワールドマラソンメジャーズの一つで、JMCシリーズGS、パリ五輪代表選考会マラソングランドチャピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジ(男子)の東京マラソンが3月3日に行われる。 大会前々日の3月1日、都内でプレスカンファレンスが開かれ招待選手が登壇。その後は報道陣の取材に対応した。 男子マラソンのパリ五輪代表は残す1枠。今大会が最後のチャンスで、設定記録2時間5分50秒をクリアした最上位が代表に内定するが、切る選手が現われなければMGC3位の大迫傑(Nike)が代表に。正真正銘、最後のチャンスとなる。 山下一貴(三菱重工)は「自分のことに集中して、自分のリズム、マイペースを崩さないようにがんばりたい」と落ち着いた表情で語った。 前回大会は日本歴代3位の2時間5分51秒をマークし、日本人トップの7位を占めてオレゴン世界選手権代表入りにつなげた。今大会、五輪代表入りへ必須のMGCファイナルチャレンジ設定記録は、まさにこの自身の記録が基準となり、それを1秒上回るタイムだ。 ただ、「自己ベストを更新するということは、今までの100%を超えることなので、簡単なことではない」こともわかっている。狙ってタイムを出すことの難しさも。 「昨年の自己ベストは狙って出したというよりも、『出ちゃった』という感じのタイム。狙って出すというのはハードルが上がってきます」。それでも、目安が自分の記録である以上は、「自分が一番意識をしやすいタイム」と前向きに捉えている。 昨年8月のブダペスト世界陸上では一時はメダルが見える5位まで浮上したが、終盤に両脚にケイレンを起こして12位。そこから1ヵ月半のスパンで挑んだ10月15日のMGCでは、回復が間に合わずに32位にとどまった。 その後は左脚ハムストリングスから臀部にかけて「すごく固まってしまった」ことで、膝に痛みが出ることがあったという。その影響か、上半身と下半身のバランスに崩れが生じ、練習は継続できていたものの「思うように走れないことが続きました」。元日のニューイヤー駅伝でも、アップダウンの多い5区で区間24位にとどまっている。 だが、そこから体幹を中心に上半身と下半身の連動を意識づけるトレーニングを取り入れ、この大会が近づくにつれて「少しまとまってきた」と言う。あとは、自分の感覚を信じて臨むだけだ。「入社してから一番近くの、大きな目標としてやってきた」というパリ五輪に向けての最後のチャンス。「入社して4年、ここでつかむつもりで練習してきた。パリに向けてがんばりたい」と言葉に力を込めた。 レース前日はいつも「緊張する」と言うが、いざ走り出すと「自分の走りに集中できる」。それを信じて、スタートラインに立つ。 前回日本人2番手で2時間5分59秒を出したブダペスト世界選手権代表の其田健也(JR東日本)は「いつも通りできて、コンディションは良いです。シンプルに、パリ五輪の最後の一枠を勝ち取りたい」と目標を語った。 東京マラソンは3月3日、9時10分に都庁前をスタートし、都内を巡って東京駅前でフィニッシュする。大会の様子は日本テレビ系列で朝9時から生中継される。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.03

連覇目指した國學院大は4位 「自分たちの慢心も見つかった」エース苦戦も2年生が好走/全日本大学駅伝

◇第57回全日本大学駅伝(11月2日/愛知・熱田神宮~三重・伊勢神宮:8区間106.8km) 國學院大は連覇の重圧を背に伊勢路へ臨んだが、結果は4位。前田康弘監督は「自分たちが主導権をとった駅伝」を目指していたが、序盤か […]

NEWS 全国Vチーム・佐久長聖&長野東「過酷」な新コースに挑み、都大路連覇の権利獲得/長野県高校駅伝

2025.11.03

全国Vチーム・佐久長聖&長野東「過酷」な新コースに挑み、都大路連覇の権利獲得/長野県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた長野県高校駅伝が11月2日、これまでの大町市から会場変更した佐久市総合運動公園競技場発着の新コースで行われ、女子(5区間21.0975km)は昨年の全国大会Vメンバー4人が残る長野東が1時間1 […]

NEWS 倉敷2年連続男女V 女子は1時間9分12秒で初の連覇 男子は2時間4分55秒で48年連続優勝/岡山県高校駅伝

2025.11.03

倉敷2年連続男女V 女子は1時間9分12秒で初の連覇 男子は2時間4分55秒で48年連続優勝/岡山県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた岡山県高校駅伝が11月2日、井原市の井原運動公園陸上競技場発着コースで行われ、昨年同様に倉敷が男女Vを飾った。男子(7区間42.195km)は2時間4分55秒で48年連続48回目、女子(5区間 […]

NEWS 美方が序盤から主導権握り2年連続優勝 鯖江が5人全員区間賞で7連覇/福井県高校駅伝

2025.11.03

美方が序盤から主導権握り2年連続優勝 鯖江が5人全員区間賞で7連覇/福井県高校駅伝

全国高校駅伝の出場権を懸けた福井県高校駅伝は11月2日、鯖江市の鯖江つつじハーフマラソンコースで行われ、男子(7区間42.195km)は美方が2時間9分43秒で2年連続31回目の優勝を果たした。女子(5区間21.0975 […]

NEWS 終盤猛追で3位の青学大 出雲7位から巻き返し「箱根は青山、しっかり勝ちに行きます」/全日本大学駅伝

2025.11.03

終盤猛追で3位の青学大 出雲7位から巻き返し「箱根は青山、しっかり勝ちに行きます」/全日本大学駅伝

◇第57回全日本大学駅伝(11月2日/愛知・熱田神宮~三重・伊勢神宮:8区間106.8km) 大学ナンバー1を決める第57回全日本大学駅伝が行われ、駒大が5時間6分53秒で2年ぶり最多17度目の優勝を飾った。 優勝候補の […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top