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2023.12.25

【Playback箱根駅伝】第75回/「復路の順大」粘りの逆転劇! 駒大の初V阻む
【Playback箱根駅伝】第75回/「復路の順大」粘りの逆転劇! 駒大の初V阻む

第75回箱根駅伝/2区で区間記録を樹立した順大・三代直樹。2008年まで区間記録として残った

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第75回(1999年/平成11年)
2区で三代直樹が1時間6分46秒の区間新! 4区間で新記録が誕生 10区が日本橋回りのコースに

優勝争いは前回大会に続き、3連覇を狙う神奈川大、出雲・全日本を制していた駒大、その両大会で準優勝だった山梨学大による「YKK対決」と見られた第75回大会。10区は日本橋を回るコースに延長された。

前回出場校の専大、関東学院大が予選会敗退を喫した一方で、法大が2年ぶり、中央学大が4年ぶりに本戦出場を果たした。

1区はスローペースな出だしから17km過ぎにペースアップ。スパート合戦を制した拓大の東勝博(4年)が区間賞を手にした。優勝候補の神奈川大(小松直人)と駒大(西田隆維)が3秒差の同タイムで2位、3位となり、山梨学大は先頭から33秒差の9位スタートとなった。

各校のエース級が集う2区では、順大の三代直樹(4年)が圧巻の走りを見せた。8位でタスキを受け取ると、その1つ前を走っていた日大の山本佑樹(3年)とともに先頭に追いつき、終盤は独走。最大の難所である残り3kmの上り坂を驚異的なペースで駆け抜け、渡辺康幸が1995年に作った区間記録を2秒更新する1時間6分46秒のスーパー区間新記録を樹立した。1分24秒差で2位は駒大、さらに1分04秒差で東海大が3位で続いた。

3区でも順大は1年生の入船満が区間3位の好走で2位・駒大との差を2分20秒まで広げたが、4区では駒大が反撃に出た。藤田敦史(4年)が区間2位に2分34秒差をつける区間新記録の快走で逆転。5区でも首位を守り切り、初の往路優勝を果たした。1分50秒差で順大が往路2位。2区以降、順位を落とさなかった往路3位の東海大は5区に起用された1年生・柴田真一の区間賞が光った。

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復路では8区まで駒大が首位の座を死守したものの、9区では順大の高橋謙介(2年)が区間記録を13秒を更新する区間トップの走りで58秒差を再逆転。逆に1分33秒差をつけた。順大は10区の宮崎展仁(2年)も区間賞とダメ押しし、10年ぶりの総合優勝と復路優勝を手にした。大会前は出雲5位、全日本8位と優勝候補に挙がっていなかったが、箱根路で番狂わせを起こした。

駒大は4分46秒差で2位。初優勝と史上2校目となる学生駅伝3冠を逃した。神奈川大は復路2位の追い上げで総合3位は死守。中大は3年連続の4位、優勝候補に挙げられた山梨学大は往路の出遅れが響いて総合6位に上げるのが精一杯だった。

シード権争いは、9区終了時で12位だった東洋大が最終10区の柏原誠司(3年)の3人抜きで制す。10位の早大は40秒差で8年ぶりにシード権を落とした。また、全日本で3位に食い込み、この大会でも1区と7区で区間賞を獲得した拓大はその他の区間が伸び悩んで11位にとどまった。

参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第75回(1999年/平成11年) 2区で三代直樹が1時間6分46秒の区間新! 4区間で新記録が誕生 10区が日本橋回りのコースに

優勝争いは前回大会に続き、3連覇を狙う神奈川大、出雲・全日本を制していた駒大、その両大会で準優勝だった山梨学大による「YKK対決」と見られた第75回大会。10区は日本橋を回るコースに延長された。 前回出場校の専大、関東学院大が予選会敗退を喫した一方で、法大が2年ぶり、中央学大が4年ぶりに本戦出場を果たした。 1区はスローペースな出だしから17km過ぎにペースアップ。スパート合戦を制した拓大の東勝博(4年)が区間賞を手にした。優勝候補の神奈川大(小松直人)と駒大(西田隆維)が3秒差の同タイムで2位、3位となり、山梨学大は先頭から33秒差の9位スタートとなった。 各校のエース級が集う2区では、順大の三代直樹(4年)が圧巻の走りを見せた。8位でタスキを受け取ると、その1つ前を走っていた日大の山本佑樹(3年)とともに先頭に追いつき、終盤は独走。最大の難所である残り3kmの上り坂を驚異的なペースで駆け抜け、渡辺康幸が1995年に作った区間記録を2秒更新する1時間6分46秒のスーパー区間新記録を樹立した。1分24秒差で2位は駒大、さらに1分04秒差で東海大が3位で続いた。 3区でも順大は1年生の入船満が区間3位の好走で2位・駒大との差を2分20秒まで広げたが、4区では駒大が反撃に出た。藤田敦史(4年)が区間2位に2分34秒差をつける区間新記録の快走で逆転。5区でも首位を守り切り、初の往路優勝を果たした。1分50秒差で順大が往路2位。2区以降、順位を落とさなかった往路3位の東海大は5区に起用された1年生・柴田真一の区間賞が光った。 復路では8区まで駒大が首位の座を死守したものの、9区では順大の高橋謙介(2年)が区間記録を13秒を更新する区間トップの走りで58秒差を再逆転。逆に1分33秒差をつけた。順大は10区の宮崎展仁(2年)も区間賞とダメ押しし、10年ぶりの総合優勝と復路優勝を手にした。大会前は出雲5位、全日本8位と優勝候補に挙がっていなかったが、箱根路で番狂わせを起こした。 駒大は4分46秒差で2位。初優勝と史上2校目となる学生駅伝3冠を逃した。神奈川大は復路2位の追い上げで総合3位は死守。中大は3年連続の4位、優勝候補に挙げられた山梨学大は往路の出遅れが響いて総合6位に上げるのが精一杯だった。 シード権争いは、9区終了時で12位だった東洋大が最終10区の柏原誠司(3年)の3人抜きで制す。10位の早大は40秒差で8年ぶりにシード権を落とした。また、全日本で3位に食い込み、この大会でも1区と7区で区間賞を獲得した拓大はその他の区間が伸び悩んで11位にとどまった。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

第75回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績 1位 順大  11時間07分47秒 2位 駒大  11時間12分33秒 3位 神奈川大11時間17分00秒 4位 中大  11時間17分15秒 5位 東海大 11時間20分51秒 6位 山梨学大11時間22分00秒 7位 大東大 11時間26分28秒 8位 日大  11時間28分17秒 9位 東洋大 11時間29分07秒 10位 早大  11時間29分47秒 11位 拓大  11時間30分13秒 12位 日体大 11時間30分55秒 13位 中央学大11時間38分18秒 14位 法大  11時間39分32秒 15位 帝京大 11時間40分45秒 ●区間賞 1区 東勝博(拓大)   1時間04分01秒 2区 三代直樹(順大)  1時間06分46秒 3区 野々口修(神奈川大)1時間04分18秒 4区 藤田敦史(駒大)  1時間00分56秒 5区 柴田真一(東海大) 1時間12分35秒 6区 中澤晃(神奈川大)    58分06秒 7区 吉田行宏(拓大)  1時間04分41秒 8区 相馬雄太(神奈川大)1時間06分07秒 9区 高橋謙介(順大)  1時間09分17秒 10区 宮崎展仁(順大)  1時間11分08秒

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