HOME 学生長距離

2023.12.10

【Playback箱根駅伝】第24回/中大が22年ぶり2度目の栄冠 6つの区間賞で圧勝
【Playback箱根駅伝】第24回/中大が22年ぶり2度目の栄冠 6つの区間賞で圧勝

第24回箱根駅伝・圧倒的な強さを見せた中大。8区の高杉良輔にタスキが渡った時点で2位と22分の差がついていた。左は7区の安藤寿雄

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第24回(1948年/昭和23年)
中大が黄金期の第1歩 山下りのスペシャリスト・田邉が箱根デビュー

中大が22年ぶり2度目の優勝を飾った。しかも1区から一度もトップを譲らず、10区間のうち6区間で区間賞の圧勝。往路、復路ともに制する完全優勝を果たした。

中大は1区の浅倉茂が2位の東京体専に2分25秒差をつける快走で独走態勢に持ち込むと、2区以降も首位をひた走る。

広告の下にコンテンツが続きます

3区では日大に1分6秒差まで詰め寄られたが、4区の菊地由紀男が区間2位に5分以上の差をつける快走で、一気にリードを9分17秒に広げた。

5区ではこの年から6年連続で山を登ることになる西田勝雄が区間2位でまとめて往路優勝。2位の日大とは8分49秒の大差がついた。前回優勝校の明大は5区で岡正康が区間賞の走りで追い上げるも3区の区間最下位が響いて6位にとどまった。

中大は6区でもスペシャリストがデビューする。田邉定明は西田と同様にこの年から6年連続で6区を任され、そのうち5回区間賞に輝いた。田辺は零下8度に冷え込む山中をあっという間に駆け下りて区間賞。日大との差を10分39秒に広げた。

広告の下にコンテンツが続きます

さらに中大は7区・安藤寿雄、8区・高杉良輔、9区・黒木弘行も区間賞を獲得する。復路で唯一区間賞を逃した10区も平井文夫が区間2位と堅実に走り、日大との差を広げて先頭でゴール。2位の日大と33分51秒差をつける大勝だった。

戦前の総合優勝は1926年の1度のみと他校の後塵を拝していた中大。しかし、戦後は常に優勝争いの主役となり、大会復活後の10年間に6度の優勝と黄金時代を築く。この年はその幕開けとなるレースだった。

参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第24回(1948年/昭和23年) 中大が黄金期の第1歩 山下りのスペシャリスト・田邉が箱根デビュー

中大が22年ぶり2度目の優勝を飾った。しかも1区から一度もトップを譲らず、10区間のうち6区間で区間賞の圧勝。往路、復路ともに制する完全優勝を果たした。 中大は1区の浅倉茂が2位の東京体専に2分25秒差をつける快走で独走態勢に持ち込むと、2区以降も首位をひた走る。 3区では日大に1分6秒差まで詰め寄られたが、4区の菊地由紀男が区間2位に5分以上の差をつける快走で、一気にリードを9分17秒に広げた。 5区ではこの年から6年連続で山を登ることになる西田勝雄が区間2位でまとめて往路優勝。2位の日大とは8分49秒の大差がついた。前回優勝校の明大は5区で岡正康が区間賞の走りで追い上げるも3区の区間最下位が響いて6位にとどまった。 中大は6区でもスペシャリストがデビューする。田邉定明は西田と同様にこの年から6年連続で6区を任され、そのうち5回区間賞に輝いた。田辺は零下8度に冷え込む山中をあっという間に駆け下りて区間賞。日大との差を10分39秒に広げた。 さらに中大は7区・安藤寿雄、8区・高杉良輔、9区・黒木弘行も区間賞を獲得する。復路で唯一区間賞を逃した10区も平井文夫が区間2位と堅実に走り、日大との差を広げて先頭でゴール。2位の日大と33分51秒差をつける大勝だった。 戦前の総合優勝は1926年の1度のみと他校の後塵を拝していた中大。しかし、戦後は常に優勝争いの主役となり、大会復活後の10年間に6度の優勝と黄金時代を築く。この年はその幕開けとなるレースだった。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

第24回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績 1位 中大 13時間21分10秒 2位 日大 13時間55分01秒 3位 明大 14時間25分21秒 4位 専大 14時間25分52秒 5位 慶大 14時間29分48秒 6位 法大 14時間30分24秒 7位 早大 14時間42分02秒 8位 東京体専  14時間42分52秒 9位 神奈川師範 15時間30分02秒 10位 東洋大 15時間31分37秒 11位 立教大 16時間18分19秒 12位 紅陵大 18時間07分33秒 ●区間賞 1区 浅倉茂(中大)  1時間16分45秒 2区 加藤勝明(専大) 1時間12分05秒 3区 満金幸夫(日大) 1時間22分03秒 4区 菊池由紀男(中大)1時間13分16秒 5区 岡正康(明大)  1時間44分09秒 6区 田邉定明(中大) 1時間20分38秒 7区 安藤寿雄(中大) 1時間13分42秒 8区 高杉良輔(中大) 1時間18分14秒 9区 黒木弘行(中大) 1時間12分38秒 10区 後藤秀夫(早大) 1時間19分30秒

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.09.19

34年の時を超えて 91年東京7位・高野進氏「自分の勝負パターンを見つけた」 400m中島佑気ジョセフの6位入賞を称賛 /東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)6日目 東京世界陸上6日目のイブニングセッションが行われ、男子400mで日本勢34年ぶりとなる決勝に進出した中島佑気ジョセフ(富士通)が44秒62で日本勢過去最高位となる6 […]

NEWS 日本勢34年ぶり400m決勝の中島佑気ジョセフは3連続44秒台で6位 田中希実5000m4大会連続予選突破/世界陸上Day6

2025.09.19

日本勢34年ぶり400m決勝の中島佑気ジョセフは3連続44秒台で6位 田中希実5000m4大会連続予選突破/世界陸上Day6

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)6日目 東京世界陸上6日目のイブニングセッションが行われ、男子400mで日本勢34年ぶりに決勝に残った中島佑気ジョセフ(富士通)は44秒62で6位入賞を果たした。1991年 […]

NEWS 女子400mマクローリン・レヴロンが世界歴代2位47秒78「ひたすら努力」パウリノと史上初47秒台決戦/世界陸上Day6

2025.09.19

女子400mマクローリン・レヴロンが世界歴代2位47秒78「ひたすら努力」パウリノと史上初47秒台決戦/世界陸上Day6

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)6日目 東京世界陸上6日目が行われ、女子400m決勝ではシドニー・マクローリン・レヴロン(米国)が世界歴代2位となる47秒78の大会新記録で優勝を飾った。 大粒の雨が降りし […]

NEWS 中島佑気ジョセフ歴史塗り替える400m6位!喜び以上に「もう少し勝負したかった」メダルへ大きな一歩/東京世界陸上

2025.09.19

中島佑気ジョセフ歴史塗り替える400m6位!喜び以上に「もう少し勝負したかった」メダルへ大きな一歩/東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場) 6日目 東京世界陸上6日目のイブニングセッションが行われ、男子400m決勝で中島佑気ジョセフ(富士通)が44秒62をマークして6位入賞の快挙を成し遂げた。 34年前、東京 […]

NEWS 800m久保凛「何もかもうまくいかなかった」世界で通用する選手目指して「イチから磨き直す」/東京世界陸上

2025.09.19

800m久保凛「何もかもうまくいかなかった」世界で通用する選手目指して「イチから磨き直す」/東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)6日目 東京世界陸上6日目のイブニングセッションが行われ、女子800m予選3組の久保凛(東大阪大敬愛高)は2分02秒84で7着に終わり、この種目日本人初となる準決勝には進め […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年10月号 (9月9日発売)

2025年10月号 (9月9日発売)

【別冊付録】東京2025世界陸上観戦ガイド
村竹ラシッド/桐生祥秀/中島佑気ジョセフ/中島ひとみ/瀬古優斗
【Coming EKIDEN Season 25-26】
学生長距離最新戦力分析/青学大/駒大/國學院大/中大/

page top