HOME 国内

2023.12.10

堂々たる3連覇飾った廣中璃梨佳 「もっとスピードを磨いて5000m、10000mとも標準突破を」/日本選手権10000m
堂々たる3連覇飾った廣中璃梨佳 「もっとスピードを磨いて5000m、10000mとも標準突破を」/日本選手権10000m

23年日本選手権10000mで3連覇を達成した廣中璃梨佳

◇第107回日本選手権10000m(12月10日 東京・国立競技場)

第107回日本選手権10000mが行われ、廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が30分55秒29で3連覇を飾った。

今夏のブダペスト世界選手権で、21年東京五輪に続く7位入賞を果たし、パリ五輪参加標準記録の30分40秒00を突破すれば、順位に関係なく2大会連続の五輪代表に内定する立場にあった。その中でテーマにしたのが、ラスト5000mだったという。

広告の下にコンテンツが続きます

「30分40秒00は意識しつつも、最初に突っ込むよりもペースを借りつつ、残りの5000mに重きを置きました」

22年のオレゴン、ブダペストとともに世界選手権に出場した五島莉乃高島由香(ともに資生堂)、小海遥(第一生命グループ)との先頭争いから、5000mで抜け出したのはその狙いがあったから。

11月26日のクイーンズ駅伝(3区10.6km)、翌週の日体大長距離競技会5000mと、3週連続レースの中で、万全の仕上がりとはいかなかったのか、ここで勝負を決めるまでには至らない。

それでも、最後までもつれた優勝争いを、残り200mからのスパートで決着させたのは、さすがは世界の入賞者と言える。今大会での五輪代表即時内定は得られなかったが、「今季ベストの30分台を出せて良かったです」と汗をぬぐった。

勢いに乗って入賞を果たした東京五輪のあと、ケガなども重なって順調にきたわけではない。今季もアキレス腱を痛めて出遅れている。だが、夏に向けて見事にピークを合わせ、ブダペストではラスト1周まで先頭集団に食い下がった。

今、「スピード持久力とスタミナはついてきた」という手応えがある。世界との戦いを見据え、課題は明確だ。

「もっとスピードを磨いていきたい」

ブダペストや今回の結果から、ワールドランキングでの出場は十分視野に入るが、「レースを見極めながら、5000mでも10000mでも標準を狙っていきたい」と意欲的だ。

世界とのラスト1周でさらなる上位へ。パリ五輪への道筋が、はっきりと見えている。

◇第107回日本選手権10000m(12月10日 東京・国立競技場) 第107回日本選手権10000mが行われ、廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が30分55秒29で3連覇を飾った。 今夏のブダペスト世界選手権で、21年東京五輪に続く7位入賞を果たし、パリ五輪参加標準記録の30分40秒00を突破すれば、順位に関係なく2大会連続の五輪代表に内定する立場にあった。その中でテーマにしたのが、ラスト5000mだったという。 「30分40秒00は意識しつつも、最初に突っ込むよりもペースを借りつつ、残りの5000mに重きを置きました」 22年のオレゴン、ブダペストとともに世界選手権に出場した五島莉乃、高島由香(ともに資生堂)、小海遥(第一生命グループ)との先頭争いから、5000mで抜け出したのはその狙いがあったから。 11月26日のクイーンズ駅伝(3区10.6km)、翌週の日体大長距離競技会5000mと、3週連続レースの中で、万全の仕上がりとはいかなかったのか、ここで勝負を決めるまでには至らない。 それでも、最後までもつれた優勝争いを、残り200mからのスパートで決着させたのは、さすがは世界の入賞者と言える。今大会での五輪代表即時内定は得られなかったが、「今季ベストの30分台を出せて良かったです」と汗をぬぐった。 勢いに乗って入賞を果たした東京五輪のあと、ケガなども重なって順調にきたわけではない。今季もアキレス腱を痛めて出遅れている。だが、夏に向けて見事にピークを合わせ、ブダペストではラスト1周まで先頭集団に食い下がった。 今、「スピード持久力とスタミナはついてきた」という手応えがある。世界との戦いを見据え、課題は明確だ。 「もっとスピードを磨いていきたい」 ブダペストや今回の結果から、ワールドランキングでの出場は十分視野に入るが、「レースを見極めながら、5000mでも10000mでも標準を狙っていきたい」と意欲的だ。 世界とのラスト1周でさらなる上位へ。パリ五輪への道筋が、はっきりと見えている。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.17

日本陸連が育成年代の競技会ガイドラインを策定 来年の滋賀インターハイについて18時開始案など対応継続

日本陸連は12月17日に第106回理事会を開き、「育成年代における競技会ガイドライン」を策定したことを発表した。 このガイドラインは日本陸連がかねてから示している「競技者育成指針」に基づいたもので、「育成年代における競技 […]

NEWS 世界リレー日本代表要項を発表!北京世界選手権のメダル、出場目指して 世界競歩チーム選手権、世界ロードラニング選手権も

2025.12.17

世界リレー日本代表要項を発表!北京世界選手権のメダル、出場目指して 世界競歩チーム選手権、世界ロードラニング選手権も

日本陸連は12月17日、ボツワナ・ハボローネで26年5月2日~3日に開催される世界リレーの日本代表選考要項を発表した。 2027年北京世界選手権の出場権獲得、および世界選手権でのメダル獲得のため、戦略的に選手団をは編成す […]

NEWS U20世界選手権の日本代表選考要項を発表!U20世界8位以内など記録重視の選考に

2025.12.17

U20世界選手権の日本代表選考要項を発表!U20世界8位以内など記録重視の選考に

日本陸連は12月17日、米国・オレゴンで8月5日~9日に開催されるU20世界選手権の日本代表選考要項を発表した。 世界で活躍できるU20カテゴリートップレベルの競技者を派遣し、金メダル獲得を目指す選手団を編成する方針。参 […]

NEWS 26年日本選手権の参加資格発表 参加標準と申込資格記録の2つを採用 アジア大会選考

2025.12.17

26年日本選手権の参加資格発表 参加標準と申込資格記録の2つを採用 アジア大会選考

日本陸連は12月17日、第106回理事会を開き、来年の第110回日本選手権の参加資格について発表した。 今回は「参加標準記録」と「申込資格」の2つの参加資格を設定し、参加標準記録は高く定められている。ターゲットナンバー( […]

NEWS 今年度限りでの「引退」を表明した村澤明伸インタビュー【後編】 〝ぬけぬけ病〟に苦しんだ実業団生活、来年度からはチームのコーチに就任

2025.12.17

今年度限りでの「引退」を表明した村澤明伸インタビュー【後編】 〝ぬけぬけ病〟に苦しんだ実業団生活、来年度からはチームのコーチに就任

全国高校駅伝や箱根駅伝でヒーローになった村澤明伸(SGホールディングス、34歳)が今年度限りでの「引退」を表明した。実業団では故障に苦しみながら、マラソンにも挑戦。北海道マラソンで優勝して、MGCにも出場した。来年度から […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top