HOME 国内

2023.10.14

800m塩見綾乃が意地のV 田中希実との一騎打ちを制す/鹿児島国体
800m塩見綾乃が意地のV 田中希実との一騎打ちを制す/鹿児島国体

23年鹿児島国体成年女子800mは塩見綾乃(左)が田中希実を逆転し優勝を飾った

◇鹿児島特別国体(10月13~17日/鹿児島・鴨池陸上競技場)2日目

鹿児島特別国体の2日目に行われ、成年女子800mはアジア大会代表の塩見綾乃(京都・岩谷産業)が、1500m・5000m日本記録保持者の田中希実(兵庫・New Balance)を抑えて2分03秒67で優勝した。田中は2分04秒04の2位。激しいマッチレースとなった。

1周目は塩見が引っ張り、61秒で通過。その瞬間に田中が前に出る。塩見は「その後、どれだけ身体が動くかわからなくて、正直、(田中に)置いていかれるだろうと思っていました」。それでも「前半から行かないと意味がない」と意地の激走。田中がロングスパートをかけるなか、「そのリズムに乗れて楽にバックストレートが行けた」(塩見)。残り100mで「脚が残っていなかった」という田中をかわした塩見もまた「抜いてからは動きが崩れた」と言うが、しっかり逃げ切った。

広告の下にコンテンツが続きます

アジア大会を終えたばかりで「疲労がありました」と本音もポロリ。それでも、「京都チームがすごく温かい声をかけてくれて、レース自体を楽しもうと思えました」。否が応でも専門種目としている800mで、田中との対決に注目が集まるが、「勝負のことを考えすぎて、自分で自分を苦しめていた」。スタート前には田中とたわいもない会話をしたことで、気持ちを楽にスタートラインに立てたのも勝因の一つだった。

一方の田中は「負けてしまったのは悔しいですが、自分の可能性に挑戦するレースはできました」と納得の表情。「コンディションも悪くなかったので記録を狙いにいきました」とチャレンジできたことに収穫を得た。

高校時代から出場への意欲を持ち続けてきた鹿児島国体。残す5000mに向けて「最後、がっかりして終わるのではなく、やっぱり出て良かったと思えるように、残りの時間を過ごしたいです」と切り替えていた。

◇鹿児島特別国体(10月13~17日/鹿児島・鴨池陸上競技場)2日目 鹿児島特別国体の2日目に行われ、成年女子800mはアジア大会代表の塩見綾乃(京都・岩谷産業)が、1500m・5000m日本記録保持者の田中希実(兵庫・New Balance)を抑えて2分03秒67で優勝した。田中は2分04秒04の2位。激しいマッチレースとなった。 1周目は塩見が引っ張り、61秒で通過。その瞬間に田中が前に出る。塩見は「その後、どれだけ身体が動くかわからなくて、正直、(田中に)置いていかれるだろうと思っていました」。それでも「前半から行かないと意味がない」と意地の激走。田中がロングスパートをかけるなか、「そのリズムに乗れて楽にバックストレートが行けた」(塩見)。残り100mで「脚が残っていなかった」という田中をかわした塩見もまた「抜いてからは動きが崩れた」と言うが、しっかり逃げ切った。 アジア大会を終えたばかりで「疲労がありました」と本音もポロリ。それでも、「京都チームがすごく温かい声をかけてくれて、レース自体を楽しもうと思えました」。否が応でも専門種目としている800mで、田中との対決に注目が集まるが、「勝負のことを考えすぎて、自分で自分を苦しめていた」。スタート前には田中とたわいもない会話をしたことで、気持ちを楽にスタートラインに立てたのも勝因の一つだった。 一方の田中は「負けてしまったのは悔しいですが、自分の可能性に挑戦するレースはできました」と納得の表情。「コンディションも悪くなかったので記録を狙いにいきました」とチャレンジできたことに収穫を得た。 高校時代から出場への意欲を持ち続けてきた鹿児島国体。残す5000mに向けて「最後、がっかりして終わるのではなく、やっぱり出て良かったと思えるように、残りの時間を過ごしたいです」と切り替えていた。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.28

中国陸連にWA加盟連盟賞 世界室内、ダイヤモンドリーグなど開催 競技会、ロードレースには600万人が参加

世界陸連(WA)は11月28日、ワールド・アスレティックス・アワード2025の加盟連盟賞に中国陸連を選出したと発表した。 加盟連盟賞は、年間を通して顕著な功績を挙げ、陸上競技の発展や知名度向上に大きく貢献した加盟連盟を表 […]

NEWS 青学大、國學院大、中大、早大など11校! 4回目を迎える宮古島大学駅伝の出場予定校発表

2025.11.28

青学大、國學院大、中大、早大など11校! 4回目を迎える宮古島大学駅伝の出場予定校発表

「宮古島大学駅伝ワイドー・ズミ2026」の実行委員会は、11月20日時点の出場予定校を発表した。 箱根駅伝で総合3連覇を狙う青学大や、前回大会で2連覇を飾った國學院大、全日本大学駅伝2位の中大、出雲駅伝で2位の早大など関 […]

NEWS デフリンピック陸上は金5つ含む11個のメダル獲得 円盤投・湯上剛輝、400m山田真樹ら躍動

2025.11.28

デフリンピック陸上は金5つ含む11個のメダル獲得 円盤投・湯上剛輝、400m山田真樹ら躍動

4年に一度、聴覚障者のための世界規模の総合スポーツ競技大会「デフリンピック」が11月26日に閉幕した。創設100周年の節目で初の日本開催だった今回、日本代表は過去最多となる51個のメダルを獲得した。各会場も盛り上がりを見 […]

NEWS 22年世界陸上走幅跳金メダル・王嘉男 ドーピング陽性反応も嫌疑なし AIUが正式に報告

2025.11.28

22年世界陸上走幅跳金メダル・王嘉男 ドーピング陽性反応も嫌疑なし AIUが正式に報告

世界陸連(WA)の独立不正調査機関「アスリート・インテグリティ・ユニット(AIU)」は11月27日、男子走幅跳でオレゴン世界選手権金メダルを獲得した王嘉男(中国)のドーピング疑惑について、違反はなかったことを確認し、処分 […]

NEWS プロ野球選手・筒香嘉智と陸上界がコラボ スポーツの垣根を超えるクリニックを12月に開催

2025.11.27

プロ野球選手・筒香嘉智と陸上界がコラボ スポーツの垣根を超えるクリニックを12月に開催

11月27日、日本陸連は2024年度から取り組むプロジェクト「RIKUJO JAPAN」の一環として、「~スポーツの垣根を超える~ 2025 TSUTSUGO SPORTS ACADEMY FESTIVAL × RIKU […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top