◇ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー・ブダペスト)6日目
ブダペスト世界陸上6日目のモーニングセッションが行われ、女子35km競歩に出場した園田世玲奈(NTN)が2時間46分32秒で7位に食い込み、「この1年間すごくしんどいこともいっぱいあったんですけど、そのしんどさを忘れるぐらい、今日入賞できたことがとてもうれしいです」と誇らしげに語った。
世界大会初挑戦だった昨年のオレゴン世界選手権では、2時間45分09秒の当時日本最高をマークする健闘を見せたが、8位との差はわずかに7秒。「9位という順位がとても悔しくて、今大会でリベンジするという思いが強かった」と言う。
その姿勢はレースぶりにも表れ、序盤は積極的に先頭集団に食らいつた。「速いペースになることはわかっていたんですが、前半からどんどん積極的に行かないと、後半は暑さがあるので粘るレースができないと思ったんです」。その裏には、米国・ボルダーでの高地合宿や、「40kmや30kmを何回もやってきた」というこの1年の取り組みへの自信があった。
9km過ぎに5人の集団から離れてからも、「(順位を)上げるのは厳しくても、後ろを把握して維持するということを目標に」ペースを守る。一時は7位に下がったが、上位選手の途中棄権で6位に浮上した。
苦しい場面では、前日に腰椎捻挫のため欠場となった日本記録保持者・岡田久美子(富士通)の顔が浮かんだ。「出られない岡田さんが一番悔しいと思う。その分もがんばろう」。レース前には「がんばってね、と温かい言葉をいただきました」。
残り1kmを切って1人に抜かれたが、堂々の7位。「練習でやってきた粘りのあるレースができました」。園田は両手を広げ、笑顔でフィニッシュした。
滋賀・草津東高、中京大出身の26歳。トラックや20kmで主要タイトルを手にしたことはなかったが、35kmという距離で世界への道が開けた。
来年のパリ五輪ではこの種目が実施されないことが決まっているが、「20kmでもリレー(42.195kmを男女各1名で4つの区間を交互につなぐ)でも、スピードという部分は変わらないので、しっかり勝負していきたい」と言葉に力を込めた。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.11.16
橋岡優輝が家族での初教室「楽しみながら陸上に触れて」
-
2025.11.14
-
2025.11.13
-
2025.11.15
2025.11.02
青学大が苦戦の中で3位確保!作戦不発も「力がないチームではない」/全日本大学駅伝
-
2025.11.02
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.11.19
全中駅伝に出場する女子48チームが出そろう 3連覇狙う京山をはじめ、大沢野、松橋などが全国切符 櫛形は20回目
9月から開催されてきた第33回全国中学校駅伝(12月14日)の都道府県予選が11月16日をもって終了し、47都道府県の代表に開催地枠で出場するチームを加えた全48チームが出そろった。 女子は前回の全国大会で2連覇を飾った […]
2025.11.19
全中駅伝男子・出場チームが決定! 17チームが初出場 塩山は第1回大会以来32年ぶり 京山、三島の全国V経験校も
9月から開催されてきた第33回全国中学校駅伝(12月14日)の都道府県予選が11月16日をもって終了し、47都道府県の代表に開催地枠で出場するチームを加えた全48チームが出そろった。 男子は2年前に全国制覇を達成している […]
2025.11.19
マラソン日本記録保持者・鈴木健吾が神奈川大のアンバサダー就任 「刺激や勇気を届けられる存在でありたい」
神奈川大は11月19日、男子マラソン日本記録保持者でOBの鈴木健吾が陸上部のアンバサダーに就任したと発表した。 鈴木は箱根駅伝では3年連続で2区を担い、3年時に区間賞を獲得。4年時には東京マラソンで2時間10分21秒で走 […]
2025.11.19
岡山・京山が今年も男女ともに全国出場! 全中1500m優勝・是枝愛香を擁する内部は26年ぶり/中学駅伝
12月14日に行われる第33回全国中学校駅伝の出場を懸けた県大会が、11月14日から16日にかけて、全国10県で行われた。 14日の岡山県大会では、2年前に全国男女優勝、女子は昨年も連覇を飾った京山が圧倒的な継走を披露。 […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025