HOME 国内、日本代表

2023.07.24

日本勢が世界陸上に向けアピール!4×100mRは日本歴代5位の37秒80 110mH2位・泉谷駿介は世界王者を追い詰める走り/DLロンドン
日本勢が世界陸上に向けアピール!4×100mRは日本歴代5位の37秒80 110mH2位・泉谷駿介は世界王者を追い詰める走り/DLロンドン

DLロンドンで活躍を見せた栁田大輝と泉谷駿介

23日、英国・ロンドンでダイヤモンドリーグ(DL)第10戦のロンドン大会が行われ、男子4×100mリレーに出場した日本代表が37秒80の日本歴代5位、今季世界最高タイの記録で優勝した。また、男子110mハードルでも泉谷駿介(住友電工)が13秒06(+1.3)で2位に入り、ともに来月のブダペスト世界選手権に向けて大きなアピールとなった。

2012年ロンドン五輪のメイン会場にもなったロンドン・スタジアムで行われた大会。チケットは完売し、5万人の観客が見守るなかで日本勢が躍動した。

男子4×100mリレーは1走から坂井隆一郎(大阪ガス)、栁田大輝(東洋大)、小池祐貴(住友電工)、上山紘輝(住友電工)というオーダー。4走の上山については当初、別のメンバーが出場を予定していたが、調子が上がらなかったため直前に追加招集されていた。

広告の下にコンテンツが続きます

昨年のオレゴン世界選手権から1走を務める坂井は得意のスタートダッシュからほぼトップでパス。栁田は出足でやや詰まったものの、英国のエース・Z.ヒューズを追いかけながら3走の小池につなぐ。

チーム最年長の小池は見事なコーナーワークを見せて英国をわずかにリードしてアンカーの上山へ。急遽の出場となった上山も、他国の追い上げをかわしてフィニッシュ。昨年のオレゴンで銅メダルの英国に0.20秒差をつける快勝となった。

ブダペスト世界選手権の出場資格を手にしていない日本にとっては、今大会でランキング上位のタイムを出すための最初で最後のチャンスでもあり、失敗が許されないレースでもあった。そんな重圧が掛かるなかでも、それぞれが役目を果たして好タイムで優勝を飾った意味は大きい。

今回のタイムでブダペストの出場権は“当確”。崖っぷちの状況から抜け出し、一気に世界選手権のメダル候補に名乗りを上げるレースとなった。

一方の泉谷は、昨年のオレゴン世界選手権金メダリストのG.ホロウェイ(米国)と互角の争いを展開した。

2台目のハードルでトップスピードに乗ったホロウェイに中盤まではリードを広げられ、6台目では0.13秒の差がついていた。しかし、泉谷は8台目を越えてからその差を縮めていくと、10台目のハードルを飛び越えてから一気に加速。10台目からフィニッシュラインまでの区間(14.02m)タイムはホロウェイの1.58秒に対して、泉谷は1.52秒。13秒01で優勝した王者をあと少しのところまで追い詰める走りだった。

泉谷とホロウェイの直接対決は21年の東京五輪準決勝、昨年9月のISTAFベルリンに続く3回目。過去2度のレースはいずれも0.2秒以上の差をつけられていたが、今大会でその差は0.05秒にまで縮まった。これまで、海外製の重いハードルへの対応に苦労する場面もあったものの、今季は海外のレースを重ねるにつれて走りが改善され、6月のDLローザンヌでは初優勝も果たして、世界のトップクラスの仲間入りを果たしている。

男子4×100リレーと泉谷がロンドンで得た大きな自信。3週間後に迫ったブダペストへとつながっていくだろう。

23日、英国・ロンドンでダイヤモンドリーグ(DL)第10戦のロンドン大会が行われ、男子4×100mリレーに出場した日本代表が37秒80の日本歴代5位、今季世界最高タイの記録で優勝した。また、男子110mハードルでも泉谷駿介(住友電工)が13秒06(+1.3)で2位に入り、ともに来月のブダペスト世界選手権に向けて大きなアピールとなった。 2012年ロンドン五輪のメイン会場にもなったロンドン・スタジアムで行われた大会。チケットは完売し、5万人の観客が見守るなかで日本勢が躍動した。 男子4×100mリレーは1走から坂井隆一郎(大阪ガス)、栁田大輝(東洋大)、小池祐貴(住友電工)、上山紘輝(住友電工)というオーダー。4走の上山については当初、別のメンバーが出場を予定していたが、調子が上がらなかったため直前に追加招集されていた。 昨年のオレゴン世界選手権から1走を務める坂井は得意のスタートダッシュからほぼトップでパス。栁田は出足でやや詰まったものの、英国のエース・Z.ヒューズを追いかけながら3走の小池につなぐ。 チーム最年長の小池は見事なコーナーワークを見せて英国をわずかにリードしてアンカーの上山へ。急遽の出場となった上山も、他国の追い上げをかわしてフィニッシュ。昨年のオレゴンで銅メダルの英国に0.20秒差をつける快勝となった。 ブダペスト世界選手権の出場資格を手にしていない日本にとっては、今大会でランキング上位のタイムを出すための最初で最後のチャンスでもあり、失敗が許されないレースでもあった。そんな重圧が掛かるなかでも、それぞれが役目を果たして好タイムで優勝を飾った意味は大きい。 今回のタイムでブダペストの出場権は“当確”。崖っぷちの状況から抜け出し、一気に世界選手権のメダル候補に名乗りを上げるレースとなった。 一方の泉谷は、昨年のオレゴン世界選手権金メダリストのG.ホロウェイ(米国)と互角の争いを展開した。 2台目のハードルでトップスピードに乗ったホロウェイに中盤まではリードを広げられ、6台目では0.13秒の差がついていた。しかし、泉谷は8台目を越えてからその差を縮めていくと、10台目のハードルを飛び越えてから一気に加速。10台目からフィニッシュラインまでの区間(14.02m)タイムはホロウェイの1.58秒に対して、泉谷は1.52秒。13秒01で優勝した王者をあと少しのところまで追い詰める走りだった。 泉谷とホロウェイの直接対決は21年の東京五輪準決勝、昨年9月のISTAFベルリンに続く3回目。過去2度のレースはいずれも0.2秒以上の差をつけられていたが、今大会でその差は0.05秒にまで縮まった。これまで、海外製の重いハードルへの対応に苦労する場面もあったものの、今季は海外のレースを重ねるにつれて走りが改善され、6月のDLローザンヌでは初優勝も果たして、世界のトップクラスの仲間入りを果たしている。 男子4×100リレーと泉谷がロンドンで得た大きな自信。3週間後に迫ったブダペストへとつながっていくだろう。

【動画】泉谷が2位! 男子110mハードルのレースをチェック!

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.21

都大路を目指す戦い 地区高校駅伝は土曜・関東大会、日曜・東海大会でラスト 全国高校駅伝出場校出そろう

全国高校駅伝(12月21日/京都)の地区代表を懸けた地区高校駅伝が明日11月22日に関東(北関東、南関東/埼玉・熊谷スポーツ文化公園)で、あさって23日には東海(三重・三重高前発着コース)で行われる。これで、地区高校駅伝 […]

NEWS 「2強」日本郵政グループ、積水化学がV争いリード しまむら、エディオン、三井住友海上らが隙うかがう/クイーンズ駅伝みどころ

2025.11.21

「2強」日本郵政グループ、積水化学がV争いリード しまむら、エディオン、三井住友海上らが隙うかがう/クイーンズ駅伝みどころ

◇第45回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝:11月23日/宮城・松島町文化観光交流館前~弘進ゴムアスリートパーク仙台、6区間42.195km) 第45回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城)は11月2 […]

NEWS 来年1月の世界クロカンシニア代表発表 日本選手権5000m覇者・井川龍人、吉岡大翔、川口桃佳、信櫻空ら12名派遣

2025.11.21

来年1月の世界クロカンシニア代表発表 日本選手権5000m覇者・井川龍人、吉岡大翔、川口桃佳、信櫻空ら12名派遣

日本陸連は11月21日、第46回世界クロスカントリー選手権(来年1月10日/米国・タラハシー)のシニア日本代表12名を発表した。 シニア男女各6名ずつ。男子10kmは7月の日本選手権5000m覇者の井川龍人(旭化成)が2 […]

NEWS お詫びと訂正(月刊陸上競技2025年12月号)

2025.11.21

お詫びと訂正(月刊陸上競技2025年12月号)

月刊陸上競技2025年12月号に一部誤りがございました。 75ページに掲載した高校駅伝福岡県大会女子で、優勝した筑紫女学園の記事の中に、区間賞獲得者が1人(5区・大熊さわ選手/3年)となっておりましたが、正しくは3人(大 […]

NEWS 110mH徐卓一が13秒12 劉俊茜も13秒14 女子100mVの陳妤頡は200mも制す/中国全国運動会

2025.11.21

110mH徐卓一が13秒12 劉俊茜も13秒14 女子100mVの陳妤頡は200mも制す/中国全国運動会

中国の総合スポーツ競技会の第15回全国運動会の陸上競技が11月20日まで広東省で開催され、男子110mハードルでは徐卓一が13秒12(+1.7)のアジア歴代5位タイの好タイムで優勝した。 22歳の徐は昨年のパリ五輪代表。 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top