HOME 国内、日本代表

2023.07.14

3000m障害・青木涼真 ラスト勝負制す!日本勢36年ぶり金メダル「世界陸上決勝を狙う上でプラス」/アジア選手権
3000m障害・青木涼真 ラスト勝負制す!日本勢36年ぶり金メダル「世界陸上決勝を狙う上でプラス」/アジア選手権

アジア選手権男子3000m障害で金メダルに輝いた青木涼真

◇第25回アジア選手権(7月12日~16日/タイ・バンコク)3日目

アジア選手権の3日目午後セッションが行われ、男子3000m障害では青木涼真(Honda)が8分34秒91で金メダルに輝いた。3位にも8分39秒17で砂田晟弥(プレス工業)が続き、日本勢が2つのメダルを獲得。ともにワールドランキングでのブダペスト世界陸上代表入りに前進した。

広告の下にコンテンツが続きます

スタートして砂田がすかさず前へ。その後ろに青木がつく。日本勢が集団をコントロールして、1000mを2分46秒で通過。1300mからは青木が前に出て、レースを支配する。

ヤセル・サレム・バグハラブ(クウェート)と一騎打ちになった終盤も、青木は冷静だった。残り2周に入る前にバクハラブが前に出たが、後方で勝負の時を待つ。その間に、いったんは離された砂田も浮上し、ラスト1周へ。

バックストレートで青木が前に出ると、障害を越えるごとにバグハラブとの差を広げていく。盤石のレースぶりを見せ、アジアの頂点に立った。日本勢の同種目の金メダルは1987年シンガポール大会の音喜多正志以来、17大会ぶりだ。

青木は「まずはホッとしています。周りの力をうまく利用しながら、この暑いコンディションの中で勝ち切れたのは、世界陸上の決勝を狙う上でプラスになった」と振り返った。

広告の下にコンテンツが続きます

6月の日本選手権では障害手前で転倒するアクシデントに見舞われ、7位にとどまった。そのため、今回は世界陸上代表入りへ重要な大会となり、「いろいろとプレッシャーがかかるレースだった」と心境を明かす。

ただ、その中でも「ここで失敗しないことを考えるよりも、ここでどう戦ったら世界陸上の決勝が見えるのかを意識する。そうすれば、代表権までのポイントを取れると思っていた」と言う。

ワールドランキングで出場圏内に入りそうな日本選手権上位選手が砂田のみになりそうで、一昨年の東京五輪、昨年のオレゴン世界陸上に続く世界大会がしっかりと見えてきた。

冬季は近年参加している米国のプロチーム「バウワーマン・トラッククラブ」でトレーニングを積み、室内レースに積極的に出場するなどスピードに磨きをかけた。屋外シーズンに入っても、4月末の織田記念を8分35秒60で制すなど、日本選手権以外はしっかりと力を示してきた。

三浦龍司(順大)に対しても、「彼だがどれだけ強くなっても、彼に勝ちたいという目標を持っています」。その力を証明するために、3度目の世界の舞台に向けて、青木は「まずは着実に決勝進出を。来年のパリ五輪、再来年の東京世界陸上もあるので、そこへの進化の過程を応援してくださる人に見せられば」と飛躍を誓った。

◇第25回アジア選手権(7月12日~16日/タイ・バンコク)3日目 アジア選手権の3日目午後セッションが行われ、男子3000m障害では青木涼真(Honda)が8分34秒91で金メダルに輝いた。3位にも8分39秒17で砂田晟弥(プレス工業)が続き、日本勢が2つのメダルを獲得。ともにワールドランキングでのブダペスト世界陸上代表入りに前進した。 スタートして砂田がすかさず前へ。その後ろに青木がつく。日本勢が集団をコントロールして、1000mを2分46秒で通過。1300mからは青木が前に出て、レースを支配する。 ヤセル・サレム・バグハラブ(クウェート)と一騎打ちになった終盤も、青木は冷静だった。残り2周に入る前にバクハラブが前に出たが、後方で勝負の時を待つ。その間に、いったんは離された砂田も浮上し、ラスト1周へ。 バックストレートで青木が前に出ると、障害を越えるごとにバグハラブとの差を広げていく。盤石のレースぶりを見せ、アジアの頂点に立った。日本勢の同種目の金メダルは1987年シンガポール大会の音喜多正志以来、17大会ぶりだ。 青木は「まずはホッとしています。周りの力をうまく利用しながら、この暑いコンディションの中で勝ち切れたのは、世界陸上の決勝を狙う上でプラスになった」と振り返った。 6月の日本選手権では障害手前で転倒するアクシデントに見舞われ、7位にとどまった。そのため、今回は世界陸上代表入りへ重要な大会となり、「いろいろとプレッシャーがかかるレースだった」と心境を明かす。 ただ、その中でも「ここで失敗しないことを考えるよりも、ここでどう戦ったら世界陸上の決勝が見えるのかを意識する。そうすれば、代表権までのポイントを取れると思っていた」と言う。 ワールドランキングで出場圏内に入りそうな日本選手権上位選手が砂田のみになりそうで、一昨年の東京五輪、昨年のオレゴン世界陸上に続く世界大会がしっかりと見えてきた。 冬季は近年参加している米国のプロチーム「バウワーマン・トラッククラブ」でトレーニングを積み、室内レースに積極的に出場するなどスピードに磨きをかけた。屋外シーズンに入っても、4月末の織田記念を8分35秒60で制すなど、日本選手権以外はしっかりと力を示してきた。 三浦龍司(順大)に対しても、「彼だがどれだけ強くなっても、彼に勝ちたいという目標を持っています」。その力を証明するために、3度目の世界の舞台に向けて、青木は「まずは着実に決勝進出を。来年のパリ五輪、再来年の東京世界陸上もあるので、そこへの進化の過程を応援してくださる人に見せられば」と飛躍を誓った。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.26

箱根駅伝Stories/創部111年の年で「1位」に挑む早大 強力な主軸擁し「間違いなく前回より強い」

新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 One早稲田のスローガンで 創部111年と「1」並びの年に、早大は「 […]

NEWS 瀬古利彦氏と渡辺康幸氏がトークショー!第102回箱根駅伝に向けて優勝は?見どころは?「5強」だけど「わからない」

2025.12.26

瀬古利彦氏と渡辺康幸氏がトークショー!第102回箱根駅伝に向けて優勝は?見どころは?「5強」だけど「わからない」

「第102回箱根駅伝見どころ先取り!スペシャルトークショー」が12月26日、新宿・京王百貨店のミズノ「第102回箱根駅伝オフィシャルグッズショップ」で行われ、瀬古利彦氏(DeNAアスレティックスエリートアドバイザー)と渡 […]

NEWS 宮古島大学駅伝に青学大、國學院大、中大など箱根出場の14校参加! ダイジェスト放送も実施予定

2025.12.26

宮古島大学駅伝に青学大、國學院大、中大など箱根出場の14校参加! ダイジェスト放送も実施予定

「宮古島大学駅伝ワイドー・ズミ2026」の実行委員会は12月26日、来年2月8日に実施する大会要項を発表した。 今回で6回目を迎える大会。前回発表よりも出場校が追加され、来年1月の箱根駅伝で3連覇を狙う青学大、宮古島で2 […]

NEWS 早稲田大学競走部がボディケアカンパニーのファイテンとサポート契約を締結

2025.12.26

早稲田大学競走部がボディケアカンパニーのファイテンとサポート契約を締結

ボディケアカンパニーのファイテン株式会社は12月25日、早稲田大学競走部とボディケアサポートを目的とするスポンサーシップ契約を締結したことを発表した。 早稲田大学競走部は1914年に創部し、2024年に創部110周年を迎 […]

NEWS 編集部コラム「令和7年の大会取材」

2025.12.26

編集部コラム「令和7年の大会取材」

攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム?? 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタッフが週替りで […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top