HOME 学生長距離

2023.06.15

伊勢路行き懸けたナイター決戦!強力エース擁する東海大、中央学大、城西大らが有力/全日本大学駅伝関東選考会展望
伊勢路行き懸けたナイター決戦!強力エース擁する東海大、中央学大、城西大らが有力/全日本大学駅伝関東選考会展望

通過が有力視される3校。左から東海大(石原翔太郎)、中央学大(吉田礼志)、城西大(ヴィクター・キムタイ)

第55回全日本大学駅伝(11月5日/名古屋~伊勢)の関東学連推薦校選考会が6月17日、神奈川・相模原ギオンスタジアムで行われる。前回大会で8位以内に入った駒大、國學院大、青学大、順大、創価大、早大、中大、東洋大にはシード権が与えられており、残る「7枠」を巡って残りの大学が激しく火花を散らしそうだ。

選考会の出場枠は従来と変わらず「20」。前回から出場校の顔ぶれが変わり、芝浦工大は初、麗澤大は4年ぶり、亜細亜大は2年ぶりの参戦となる。

1組各校2人ずつが10000mレースに出走し、4組8人の合計タイムで争われる初夏のナイターゲーム。エントリー発表段階での情報をもとに、注目チームやレースの見どころを紹介していく。

東海大、中央学大、城西大はエースが強力

まずは今大会の出場校を、関東学連から発表された10000mの申告タイムの順に見てみよう。

①東 海 大 3.49.05.72
②中央学大 3.49.36.40
③明  大 3.50.26.33
④神奈川大 3.50.44.93
⑤東京国際大▲ 3.50.55.92
⑥大 東 大▲ 3.51.06.67
⑦城 西 大▲ 3.51.25.72
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
⑧帝 京 大 3.51.32.18
⑨立 教 大 3.52.05.22
⑩日 体 大 3.52.32.42
⑪法  大 3.52.46.18
⑫日  大▲ 3.53.13.98
⑬山梨学大▲ 3.53.35.22
⑭東 農 大 3.53.38.17
⑮駿河台大▲ 3.53.44.69
⑯麗 澤 大▲ 3.54.01.10
⑰国 士 大▲ 3.54.05.16
⑱専  大▲ 3.54.05.73
⑲芝浦工大 3.54.21.16
⑳亜細亜大▲ 3.54.25.82
※点線は通過ラインを表す
※留学生のいる大学は▲で表示
※データはエントリー締切前日の6月2日時点

右のタイムは全部員が対象となるため、エントリー選手の10000m合計タイムではない。あくまでも参考程度にとどめておく必要がある。

では、各校のエントリー選手をふまえたうえで、今大会はどのような戦いが予想されるのか。

通過が有力なのは、東海大、中央学大、明大、東京国際大、城西大の5校だ。

広告の下にコンテンツが続きます

東海大は学生駅伝でこれまで3度の区間賞経験を持つエース・石原翔太郎(4年)がエントリー。今年は5月の関東インカレ1部5000mで2位と好調を示しており、最終組での好走に注目が集まる。その他にも関東インカレ1部10000m2位の花岡寿哉(2年)がエントリーされており、登録選手の10000mベスト上位8番目の記録も全大学トップ(29分02秒44)。アクシデントがない限り、通過は濃厚だろう。

中央学大は10000m27分58秒60を持つ吉田礼志(3年)が強力。この選考会では2年続けて最終組で好走しており、得意としている。エントリー選手で28分台を7人そろえているのは神奈川大と並んで最多だ。10年連続で本戦出場中という経験も強みとなる。

明大は10000mで28分30秒切りのベストを持つ児玉真輝(4年)、森下翔太(2年)、杉彩文海(4年)が順当に登録された。杉は今年の箱根駅伝で7区区間賞。関東インカレ1部ハーフでも6位と好調で、森下も関東インカレでは5000m9位と健闘した。児玉は1年時から活躍してきたエース格。昨年秋以降レースから遠ざかっているが、本調子ならチームの頼れる存在となる。

東京国際大は2人いる留学生のうち、5000mと10000mで学生記録を持つリチャード・エティーリではなく、アモス・ベット(ともに1年)を登録。ベットは5000mで13分20秒40のスピードを誇り、4月の金栗記念5000mではエティーリに先着している。10000mの自己記録は持っていないが、全体1位候補の一人だ。他にも関東インカレ2部10000mでは村松敬哲(4年)と森春樹(2年)が28分台で走破し、好調を示した。

城西大は、今季もっとも勢いのあるチームのひとつだ。留学生のヴィクター・キムタイ(2年)は関東インカレ2部5000m・1000mの2冠に輝き、箱根駅伝5区区間賞の山本唯翔(4年)は4月の日本学生個人選手権で優勝。8月のワールドユニバーシティゲームズの代表に決まった。その他にも関東インカレでは平林樹(3年)がハーフマラソンで4位入賞と好走し、10000m28分33秒42を持つ斎藤将也(2年)も順当にエントリー。昨年は8位で敗退となったが、総合力が大幅にレベルアップを遂げている。

第55回全日本大学駅伝(11月5日/名古屋~伊勢)の関東学連推薦校選考会が6月17日、神奈川・相模原ギオンスタジアムで行われる。前回大会で8位以内に入った駒大、國學院大、青学大、順大、創価大、早大、中大、東洋大にはシード権が与えられており、残る「7枠」を巡って残りの大学が激しく火花を散らしそうだ。 選考会の出場枠は従来と変わらず「20」。前回から出場校の顔ぶれが変わり、芝浦工大は初、麗澤大は4年ぶり、亜細亜大は2年ぶりの参戦となる。 1組各校2人ずつが10000mレースに出走し、4組8人の合計タイムで争われる初夏のナイターゲーム。エントリー発表段階での情報をもとに、注目チームやレースの見どころを紹介していく。

東海大、中央学大、城西大はエースが強力

まずは今大会の出場校を、関東学連から発表された10000mの申告タイムの順に見てみよう。
①東 海 大 3.49.05.72 ②中央学大 3.49.36.40 ③明  大 3.50.26.33 ④神奈川大 3.50.44.93 ⑤東京国際大▲ 3.50.55.92 ⑥大 東 大▲ 3.51.06.67 ⑦城 西 大▲ 3.51.25.72 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ ⑧帝 京 大 3.51.32.18 ⑨立 教 大 3.52.05.22 ⑩日 体 大 3.52.32.42 ⑪法  大 3.52.46.18 ⑫日  大▲ 3.53.13.98 ⑬山梨学大▲ 3.53.35.22 ⑭東 農 大 3.53.38.17 ⑮駿河台大▲ 3.53.44.69 ⑯麗 澤 大▲ 3.54.01.10 ⑰国 士 大▲ 3.54.05.16 ⑱専  大▲ 3.54.05.73 ⑲芝浦工大 3.54.21.16 ⑳亜細亜大▲ 3.54.25.82 ※点線は通過ラインを表す ※留学生のいる大学は▲で表示 ※データはエントリー締切前日の6月2日時点
右のタイムは全部員が対象となるため、エントリー選手の10000m合計タイムではない。あくまでも参考程度にとどめておく必要がある。 では、各校のエントリー選手をふまえたうえで、今大会はどのような戦いが予想されるのか。 通過が有力なのは、東海大、中央学大、明大、東京国際大、城西大の5校だ。 東海大は学生駅伝でこれまで3度の区間賞経験を持つエース・石原翔太郎(4年)がエントリー。今年は5月の関東インカレ1部5000mで2位と好調を示しており、最終組での好走に注目が集まる。その他にも関東インカレ1部10000m2位の花岡寿哉(2年)がエントリーされており、登録選手の10000mベスト上位8番目の記録も全大学トップ(29分02秒44)。アクシデントがない限り、通過は濃厚だろう。 中央学大は10000m27分58秒60を持つ吉田礼志(3年)が強力。この選考会では2年続けて最終組で好走しており、得意としている。エントリー選手で28分台を7人そろえているのは神奈川大と並んで最多だ。10年連続で本戦出場中という経験も強みとなる。 明大は10000mで28分30秒切りのベストを持つ児玉真輝(4年)、森下翔太(2年)、杉彩文海(4年)が順当に登録された。杉は今年の箱根駅伝で7区区間賞。関東インカレ1部ハーフでも6位と好調で、森下も関東インカレでは5000m9位と健闘した。児玉は1年時から活躍してきたエース格。昨年秋以降レースから遠ざかっているが、本調子ならチームの頼れる存在となる。 東京国際大は2人いる留学生のうち、5000mと10000mで学生記録を持つリチャード・エティーリではなく、アモス・ベット(ともに1年)を登録。ベットは5000mで13分20秒40のスピードを誇り、4月の金栗記念5000mではエティーリに先着している。10000mの自己記録は持っていないが、全体1位候補の一人だ。他にも関東インカレ2部10000mでは村松敬哲(4年)と森春樹(2年)が28分台で走破し、好調を示した。 城西大は、今季もっとも勢いのあるチームのひとつだ。留学生のヴィクター・キムタイ(2年)は関東インカレ2部5000m・1000mの2冠に輝き、箱根駅伝5区区間賞の山本唯翔(4年)は4月の日本学生個人選手権で優勝。8月のワールドユニバーシティゲームズの代表に決まった。その他にも関東インカレでは平林樹(3年)がハーフマラソンで4位入賞と好走し、10000m28分33秒42を持つ斎藤将也(2年)も順当にエントリー。昨年は8位で敗退となったが、総合力が大幅にレベルアップを遂げている。

立教大の初出場なるか!? 日本人トップ候補は!?

ここまで5校を挙げ、順当なら残り2校。前回本戦出場校の神奈川大、大東大、日大、箱根駅伝でシード権を持つ法大、2年ぶり返り咲きを狙う帝京大、日体大ら。ボーダーライン付近の争いは激戦必至だ。 この中では10000m28分台が7人そろう神奈川大、昨年3年生以下を主体としながら5位通過した大東大がやや優勢か。この選考会では最終組で強力な留学生がタイムを稼ぐ大学が有利となるため、留学生のいない法大、帝京大、日体大らは前半の組から上位につけておきたいところだ。 その他には立教大に本戦初出場の可能性が見えてきた。前述の10000m申告タイムでは9番手につけており、28分29秒24の関口絢太(4年)を筆頭に28分台ランナーを5人そろえた。昨年の同選考会は11位。今年の箱根駅伝に初出場を遂げた勢いそのままに、伊勢路初出場を決められるか。 個人の争いに目を向けると、今回も全体トップはアフリカ出身の留学生となりそうだ。前述のベットに加え、関東インカレ1部10000mで2位の花岡に13秒差をつけて優勝したジェームス・ムトゥク(山梨学大2)、自己ベストでエントリー選手トップの27分46秒08を持つデイビッド・シュンゲヤ・ネイヤイ(2年)らが候補。 日本人では石原、吉田、花岡のほか、28分20秒切りのベストを持つ高槻芳照、並木寧音(ともに東農大4)、関東インカレ2部10000m5位と健闘した片川祐大(亜細亜大3)らが挙げられる。昨年インターハイ5000m日本人トップで、関東インカレでも2部5000m4位と好走した前田和摩(東農大)の走りにも注目だ。 レースは17日の17時30分からスタート。YouTubeにてライブ配信も予定されている。

エントリー選手の10000m自己記録トップ20

27.46.08 D.S.ネイヤイ(麗澤大2) 23年 27.50.54 J.ムトゥク(山梨学大2) 23年 27.58.60 吉田 礼志(中央学大3) 22年 28.05.91 石原翔太郎(東海大4) 21年 28.11.79 D.キサイサ(専大2) 22年 28.11.99 高槻 芳照(東農大4) 22年 28.12.25 J.モゲニ(亜細亜大1) 23年 28.13.10 S.キップケメイ(日大1) 22年 28.15.65 花岡 寿哉(東海大2) 23年 28.16.30 並木 寧音(東農大4) 22年 28.21.10 小林 篤貴(神奈川大4) 23年 28.21.49 P.カマウ(国士大3) 23年 28.21.80 松尾 昂来(東海大4) 21年 28.22.27 児玉 真輝(明大4) 20年 28.23.69 山﨑  丞(日体大2) 23年 28.24.57 V.キムタイ(城西大2) 23年 28.24.84 森下 翔太(明大2) 23年 28.25.20 P.ワンジル(大東大3) 17年 28.25.21 山本 唯翔(城西大4) 22年 28.27.45 白井 勇佑(東京国際大3) 22年

次ページ:

ページ: 1 2 3

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.01.16

ユニバ選考会として男女1万mと混成競技を日本学生個人選手権内で実施

日本学生連合は1月16日、今夏に開催されるワールドユニバーシティゲームズ(以下、ユニバ)の選考要項を発表。その中で、男女の10000mと男子十種競技、女子七種競技の4種目の選考を、4月25日から27日に行われる2025日 […]

NEWS ワールドユニバーシティゲームズの代表選考基準発表 T&F種目は派遣標準突破と学生個人選手権入賞が条件

2025.01.16

ワールドユニバーシティゲームズの代表選考基準発表 T&F種目は派遣標準突破と学生個人選手権入賞が条件

1月16日、日本学生連合は7月16日から27日にかけてドイツ・ライン-ルール地方で行われる第32回ワールドユニバーシティゲームズの日本代表選考方法について発表した。 トラック&フィールド種目においては、連合が定めた派遣標 […]

NEWS 日本選手権100m5位のロス瑚花アディアがユタ州立大に合格!ヌワエメ・グレースはウェスタン・カロライナ大 城西高コンビがそろって米国へ進学!

2025.01.16

日本選手権100m5位のロス瑚花アディアがユタ州立大に合格!ヌワエメ・グレースはウェスタン・カロライナ大 城西高コンビがそろって米国へ進学!

昨年の日本選手権100mで5位に入賞したロス瑚花アディア(城西3東京)が、米国のユタ州立大に進学することがわかった。 ロスは駒沢中3年時の全中100mで優勝。高校入学後も1年時から100mでインターハイに出場すると、2年 […]

NEWS N極S極交互配列磁気ウェアが〝睡眠の質〟を改善!! スポーツ選手の疲労回復に影響
PR

2025.01.16

N極S極交互配列磁気ウェアが〝睡眠の質〟を改善!! スポーツ選手の疲労回復に影響

大阪体育大学の石川教授が検証 産学連携研究論文が国際雑誌「Sensors」に掲載 大阪体育大学スポーツ科学部の石川昌紀教授(専攻・身体運動中の神経・筋機能メカニクス)と医療機器製造・販売を手掛ける株式会社コラントッテとの […]

NEWS 駒大・山川拓馬、國學院大・青木瑠郁、早大・工藤慎作、大東大・棟方一楽らが丸亀で激戦! 日本学生ハーフエントリー発表

2025.01.16

駒大・山川拓馬、國學院大・青木瑠郁、早大・工藤慎作、大東大・棟方一楽らが丸亀で激戦! 日本学生ハーフエントリー発表

日本学連は1月16日、ワールドユニバーシティゲームズ(7月・ドイツ)の代表選考会を兼ねた第28回日本学生ハーフマラソン選手権(2月2日/香川・丸亀)のエントリー選手を発表した。 駅伝有力校を中心に計311人が登録。1月の […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年2月号 (1月14日発売)

2025年2月号 (1月14日発売)

駅伝総特集!
箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
高校駅伝、中学駅伝
富士山女子駅伝

page top