男子1500m(3分37秒18)、3000m(7分50秒81)、5000m(13分31秒19)の3種目で高校記録を持つ佐藤圭汰(洛南高3京都)が、4月から入学する駒大の道環寮に入寮した。
スーツケースに夢と希望を積め込み、京都から上京。新幹線を乗り継ぐ約3時間の長旅にも「高校時代にもっと距離の長い遠征や合宿を経験しているので疲れはないです」と答えるところに大物ぶりを感じさせる。
同部屋になったのは今年の箱根駅伝5区で好走した金子伊吹(2年)。指導係に選ばれたのは、2月の日本選手権クロカンで8位の佐藤に先着した篠原倖太朗(1年、7位)で「力のある選手なので、負けないようにがんばりたい」と強力ルーキーの加入を歓迎した。
先輩たちに寮を案内してもらう姿はどこにでもいる18歳だが、ひとたび走り出せば、身長180cmの大きな手足を駆使したダイナミックなフォームで、シニア選手と互角な勝負を展開する。
昨年は1500mで日本選手権8位に食い込むと、7月には日本歴代3位、22年ぶり高校新となる3分37秒18をマーク。夏のインターハイでは1500m優勝、5000m日本人トップ(3位)と快走し、秋には3000mと5000mの高校記録を更新した。
特に1500mでは今年の7月に米国・オレゴンで開催される世界選手権の参加標準記録(3分35秒00)に2秒ほどに迫っているが、指導する大八木弘明監督は「5000mも含めて(世界選手権を)狙わせたい」とその可能性に期待を寄せる。佐藤自身も「2年目まではスピードの強化を重点的に考えています。今年は世界選手権の出場が大きな目標なので、そのためには参加標準を切って日本選手権で3位以内を目指します。在学中には5000mで12分台で走りたい」と意気込んでいる。
駒大は昨年11月の全日本大学駅伝で2連覇を達成し、正月の箱根駅伝は3位。佐藤も駅伝に対しては強いこだわりを持ち、「夏合宿で距離に対応できるようにして、1年目から出場して区間賞を狙いたいです。箱根は長い距離に強い先輩方がいるので大変だと思いますが、(山区間の)5区、6区以外を走ってみたいです」と意欲を見せる。
学内には10000mで日本人学生最速記録(27分23秒44)を持つ田澤廉(3年)や昨年の日本選手権3位の鈴木芽吹(2年)ら強力な先輩たちがおり、「強い先輩方と切磋琢磨してレベルアップしていきたい」と、己を鍛えるためストイックな生活を送るつもりでいる。
17日から始まる恒例の新入生合宿を経て、「洛南の佐藤圭汰」から「駒大の佐藤圭汰」へリニューアル。世界を目指す18歳の大器が新天地で活躍を誓った。
◎さとう・けいた
2004年1月22日生まれ、京都・蜂ケ丘中→洛南高出身。
自己記録:1500m3分37秒18(日本歴代3位)、3000m7分50秒81(日本歴代10位)、5000m13分31秒19(U20日本歴代3位)※いずれも高校記録



RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.10.22
-
2025.10.21
-
2025.10.21
-
2025.10.21
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/チーム総合(2025年10月18日)
-
2025.10.18
-
2025.10.19
-
2025.10.18
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/チーム総合(2025年10月18日)
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.10.23
学法石川が10年連続男女V 男子は2時間2分58秒! 1区増子陽太が圧巻の28分20秒 女子も1区から首位譲らず/福島県高校駅伝
全国高校駅伝の出場権を懸けた福島県高校駅伝が10月23日、猪苗代町総合体育館前を発着点とするコースで行われ、学法石川が10年連続で男女優勝を遂げた。男子(7区間42.195km)は大会記録を2分08秒も更新する2時間2分 […]
2025.10.22
高校駅伝都道府県大会が第2週目突入!明日23日の福島から9県で開催 宮城、千葉らハイレベルの熱戦
10月に入って全国高校駅伝(12月21日/京都)出場を懸けた高校駅伝都道府県大会が行われている。 今週は週末にかけて、東北、関東を中心に9県で開催される。 23日には福島県大会が行われ、学法石川を中心にハイレベルの争いと […]
2025.10.22
関西実業団対抗駅伝に住友電工・遠藤日向、SGホールディングス・近藤幸太郎、NTT西日本・服部弾馬らがエントリー!
来年元日に行われる全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)の予選を兼ねた第68回関西実業団対抗駅伝(11月9日/和歌山)のエントリーが、10月22日に関西実業団連盟から発表された。 前回と同じ13チームがエントリー。各チ […]
2025.10.22
米国陸連が国内ツアーを創設 無秩序な競技会開催を抑制し、スポンサー拡大を目指す
米国陸連(USATF)は10月20日、米国陸連主催のUSATFツアーを新設することを発表した。 ツアーは2026年から実施予定で、現在は既存大会および新設大会を対象に参入申請を受け付けている。陸連はツアー化によって大会日 […]
2025.10.21
【プレゼント】保温性に優れたZAMSTの「アームスリーブWARM EDITION」/11月号
世界と戦うトップアスリートも愛用するサポート・ケア製品ブランド「ZAMST(ザムスト)」を展開する日本シグマックス株式会社。 同社から発売中の寒い時期でも快適にスポーツを行うことができるよう保温性に優れ、手首から上腕にか […]
Latest Issue
最新号

2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望