HOME 国内

2023.03.05

日本人トップ・セカンドベスト2時間21分44秒にも悔し涙の松田瑞生「挑戦する姿を見せたい」/東京マラソン
日本人トップ・セカンドベスト2時間21分44秒にも悔し涙の松田瑞生「挑戦する姿を見せたい」/東京マラソン

東京マラソン2023で日本人トップを占めた松田瑞生

◇東京マラソン2023(3月5日/東京都庁~東京駅)

ワールドマラソンメジャーズの一つで、JMCシリーズG1の東京マラソン2023が行われ、女子日本人トップは6位の松田瑞生(ダイハツ)がつかんだ。だが、タイムは2時間21分44秒にとどまり、フィニッシュ後は涙があふれた。

2日前の記者会見で、「ここで日本記録をと思ってがんばってきた」ときっぱり。2005年のベルリンで野口みずき(グロバリー)が作った2時間19分12秒の日本記録の更新をターゲットに、マラソンキャリア8戦目にして初めてこの大会のスタートラインに立った。

広告の下にコンテンツが続きます

「大会が用意してくださったペースメーカーにしっかりとしがみついていきたい」と話していた通り、1km3分16~17秒予定の先頭集団についていく。

5km通過は日本記録ペースを4秒上回る16分20秒。10kmは33分37秒(16分17秒)。日本記録時(33分53秒)より16秒も速い。そのあたりから、先頭集団から徐々に離されていき、15kmはトップ(48分32秒)から34秒差の49分06秒。それでも、日本記録ペースを16秒上回るスプリットを刻んだ。

だが、このあたりで「いっぱいいっぱいになった」と、徐々にスピードが鈍り出す。20km通過は1時間5分52秒で、この間の5kmは16分46秒。懸命に腕を振ってペースを維持しようとするが、その後の5kmごとのスプリットは17分台に入ってしまう。それでも、大崩れはせずにフィニッシュまで耐えきった。

昨年の大阪国際で出した自己記録(2時間20分52秒=日本歴代6位)に続く、セカンドベストでも涙は止まらない。「簡単には走り切れない」とはわかっていたが、「世界と戦えるライン」と思い描いている日本記録も2時間20分の壁も厚かった。

9位だったオレゴン世界選手権では、オーバーワーク気味になって万全ではなかった。今年5月で28歳になる自身の身体と向き合いながら、「質の高さを意識して」準備してきたという。

確かに、優勝した青森山田高出身のローズマリー・ワンジル(ケニア)が世界歴代6位の2時間16分28秒をマークしたように、「世界選手権もそうですし、今日の結果もまだまだ足りない。全然歯が立たなかった」。

だが、「地道に今の努力を継続していけた先に、何か得るものがある結果が残せると思う」と顔を上げた松田。8月のブダペスト世界選手権、10月のMGCの両方を視野に入れ、「挑戦する姿を見せられるようにしたい」と力強く語った。

◇東京マラソン2023(3月5日/東京都庁~東京駅) ワールドマラソンメジャーズの一つで、JMCシリーズG1の東京マラソン2023が行われ、女子日本人トップは6位の松田瑞生(ダイハツ)がつかんだ。だが、タイムは2時間21分44秒にとどまり、フィニッシュ後は涙があふれた。 2日前の記者会見で、「ここで日本記録をと思ってがんばってきた」ときっぱり。2005年のベルリンで野口みずき(グロバリー)が作った2時間19分12秒の日本記録の更新をターゲットに、マラソンキャリア8戦目にして初めてこの大会のスタートラインに立った。 「大会が用意してくださったペースメーカーにしっかりとしがみついていきたい」と話していた通り、1km3分16~17秒予定の先頭集団についていく。 5km通過は日本記録ペースを4秒上回る16分20秒。10kmは33分37秒(16分17秒)。日本記録時(33分53秒)より16秒も速い。そのあたりから、先頭集団から徐々に離されていき、15kmはトップ(48分32秒)から34秒差の49分06秒。それでも、日本記録ペースを16秒上回るスプリットを刻んだ。 だが、このあたりで「いっぱいいっぱいになった」と、徐々にスピードが鈍り出す。20km通過は1時間5分52秒で、この間の5kmは16分46秒。懸命に腕を振ってペースを維持しようとするが、その後の5kmごとのスプリットは17分台に入ってしまう。それでも、大崩れはせずにフィニッシュまで耐えきった。 昨年の大阪国際で出した自己記録(2時間20分52秒=日本歴代6位)に続く、セカンドベストでも涙は止まらない。「簡単には走り切れない」とはわかっていたが、「世界と戦えるライン」と思い描いている日本記録も2時間20分の壁も厚かった。 9位だったオレゴン世界選手権では、オーバーワーク気味になって万全ではなかった。今年5月で28歳になる自身の身体と向き合いながら、「質の高さを意識して」準備してきたという。 確かに、優勝した青森山田高出身のローズマリー・ワンジル(ケニア)が世界歴代6位の2時間16分28秒をマークしたように、「世界選手権もそうですし、今日の結果もまだまだ足りない。全然歯が立たなかった」。 だが、「地道に今の努力を継続していけた先に、何か得るものがある結果が残せると思う」と顔を上げた松田。8月のブダペスト世界選手権、10月のMGCの両方を視野に入れ、「挑戦する姿を見せられるようにしたい」と力強く語った。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.11

青学大・原晋監督が最大のライバルに駒大 「勝つ知識、ノウハウを兼ね備える」 箱根V3へ不安材料は「経験者が少ない」

第102回箱根駅伝で3連覇を狙う青学大が、都内の青山キャンパスで壮行会を開き、原晋監督やエントリー選手たちが登壇した。 壮行会後に記者会見が行われ、一番のライバル校を問われた原監督は「一番はやはり駒澤大学です。ここ11年 […]

NEWS 箱根駅伝V3へ青学大が壮行会 主将・黒田朝日「新たな歴史を作る舞台」 2年連続区間賞・塩出翔太「良い報告ができるように」

2025.12.11

箱根駅伝V3へ青学大が壮行会 主将・黒田朝日「新たな歴史を作る舞台」 2年連続区間賞・塩出翔太「良い報告ができるように」

第102回箱根駅伝で3連覇を狙う青学大が、都内の青山キャンパスで壮行会を開き、原晋監督やエントリー選手たちが登壇した。 お昼休みで多くの学生や教職員が集まるなか、原監督は「シーズン当初は新体制となり、学生たちには『勝つ確 […]

NEWS 青学大・原監督「バーディー×2」駒大・藤田監督「4本の柱」総合力の「上握り10貫」など指揮官たちが“前哨戦”/箱根駅伝トークバトル

2025.12.11

青学大・原監督「バーディー×2」駒大・藤田監督「4本の柱」総合力の「上握り10貫」など指揮官たちが“前哨戦”/箱根駅伝トークバトル

「第102回箱根駅伝トークバトル」が12月10日、東京・恵比寿ガーデンプレイスで行われた。 前回優勝校の青学大・原晋監督、同2位の駒大・藤田敦史監督、同3位の國學院大・前田康弘監督、同4位でトークバトル初登場の早大・花田 […]

NEWS 【箱根駅伝エントリー】登録選手336人が決定 最多出身高は13年ぶりの駅伝名門校! 都道府県別では埼玉が2年連続トップ

2025.12.10

【箱根駅伝エントリー】登録選手336人が決定 最多出身高は13年ぶりの駅伝名門校! 都道府県別では埼玉が2年連続トップ

第102回箱根駅伝のチームエントリーが12月10日に行われ、今回も1チーム16人、21チーム計336人が選手登録された。 登録選手を出身高校別に見ると、佐久長聖高(長野)が13人で最多となった。続いて、洛南高(京都)が1 […]

NEWS 前回6位の城西大・櫛部静二監督「アッと驚く試合を」 20年連続シード東洋大・酒井俊幸監督「誰が出ても粘りながら」/箱根駅伝

2025.12.10

前回6位の城西大・櫛部静二監督「アッと驚く試合を」 20年連続シード東洋大・酒井俊幸監督「誰が出ても粘りながら」/箱根駅伝

第102回箱根駅伝の記者発表会が12月10日、都内で行われ、出場校の監督が意気込みを語った。 前回6位の城西大は16人のエントリーの半数を4年生が占めた。櫛部静二監督は「ここ数年、この4年生の力によって、城西大としては上 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top