HOME 特集

2023.03.02

大迫傑 東京五輪以来の国内マラソンMGC切符なるか!? 女子は一山麻緒、松田瑞生に注目/東京マラソン
大迫傑 東京五輪以来の国内マラソンMGC切符なるか!? 女子は一山麻緒、松田瑞生に注目/東京マラソン

東京マラソン招待選手の大迫傑、一山麻緒、松田瑞生

JMCシリーズG1で、ワールドマラソンメジャーズの一つ、東京マラソン2023が3月5日に行われる。今年も国内外からトップランナーが集結した。上位争いはもちろん、パリ五輪代表選考会となるマラソングランドチャピオンシップ(MGC/10月15日)を占う大事な一戦にもなる。

【女子】一山麻緒&松田瑞生の走りに注目!

男子は日本記録(2時間4分56秒)を持つ鈴木健吾(富士通)が故障のため欠場となったが、前日本記録保持者で2021年の東京五輪で6位に入った大迫傑(Nike)が登場。大きな注目を集める。

大迫は東京五輪を区切りに一度は一線を退いた。しかしその後に現役復帰を表明すると、昨年11月のニューヨークシティ・マラソンでは2時間11分31秒をマーク。今回のレースが五輪以来の国内マラソンとなる。復帰時に「パリ五輪を目指すのは甘くない」と語っていたが、十分に目指せる位置まで戻してきた。

今年の全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)にはGMOインターネットグループに参画して出走。3区区間2位とさすがの走りを見せている。自身のSNSではケニアでのトレーニング風景も公開した。

MGCの切符はまだつかんでいないが、今大会で2時間10分00秒以内をマークして日本人3位以内、または2時間9分00秒以内で同4~6位以内に入れば出場権を獲得できる。また、ニューヨークシティ・マラソンの結果を申請していることを条件に、2本合計平均が2時間10分00秒以内で決まる「ワイルドカード」の可能性もある。その場合は2時間8分29秒以内で走れば満たすことになる。

国内招待選手には、他に土方英和(旭化成)、細谷恭平(黒崎播磨)、井上大仁(三菱重工)、吉田祐也(GMOインターネットグループ)、其田健也(JR東日本)、小山直城(Honda)がいるが、そのうち小山以外は全員MGCの出場権を獲得済み。

広告の下にコンテンツが続きます

21年のびわ湖毎日マラソンで2時間6分26秒をマークしている土方。前回の東京では2時間8分02秒だった。旭化成に移籍して最初のマラソンでどんな走りを見せるか。2時間6分35秒がベストの細谷は昨年シカゴを走って2時間8分05秒。11月には10000mで27分54秒83のベスト。今年のニューイヤー駅伝では4区区間2位と好調だ。

18年アジア大会金メダリストの井上は、やや精彩を欠いているが復活なるか。昨年1月の大阪ハーフマラソンでは1時間1分14秒の自己新、ニューイヤー駅伝では4区区間9位とまずまず復調しているだけに、力を発揮すれば強さは折り紙付きだ。大迫と練習をともにすることもある吉田は、昨年11月に10000m27分51秒26の自己ベストをマーク。前回(2時間9分20秒/24位)のリベンジなるか。

エリートランナーとして、東京五輪代表の中村匠吾(富士通)も出場。長く故障に苦しんでおり、マラソンは東京五輪以来となる。髙久龍(ヤクルト)や、オレゴン世界選手権代表の星岳(コニカミノルタ)、元日本記録保持者・設楽悠太(Honda)、進退を懸けて臨む宮脇千博(トヨタ自動車)らも注目が集まる。

昨年は王者エリウド・キプチョゲ(ケニア)の走りに東京が湧いたが、今回の海外招待選手も強力だ。2時間3分36秒のベストを持ち、21年ロンドンでは2時間4分01秒で優勝しているシサイ・レマ(エチオピア)や、2時間4分09秒がベストで13年世界選手権ケニア代表のバーナード・コエチらが参戦。昨年のパリ優勝のデソ・ゲルミサ(エチオピア)は、ミラノ優勝のタイタス・キプルト(ケニア)のといった若い選手も勢いがありそうだ。

次ページ 【女子】一山麻緒&松田瑞生の走りに注目!

JMCシリーズG1で、ワールドマラソンメジャーズの一つ、東京マラソン2023が3月5日に行われる。今年も国内外からトップランナーが集結した。上位争いはもちろん、パリ五輪代表選考会となるマラソングランドチャピオンシップ(MGC/10月15日)を占う大事な一戦にもなる。 【女子】一山麻緒&松田瑞生の走りに注目! 男子は日本記録(2時間4分56秒)を持つ鈴木健吾(富士通)が故障のため欠場となったが、前日本記録保持者で2021年の東京五輪で6位に入った大迫傑(Nike)が登場。大きな注目を集める。 大迫は東京五輪を区切りに一度は一線を退いた。しかしその後に現役復帰を表明すると、昨年11月のニューヨークシティ・マラソンでは2時間11分31秒をマーク。今回のレースが五輪以来の国内マラソンとなる。復帰時に「パリ五輪を目指すのは甘くない」と語っていたが、十分に目指せる位置まで戻してきた。 今年の全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)にはGMOインターネットグループに参画して出走。3区区間2位とさすがの走りを見せている。自身のSNSではケニアでのトレーニング風景も公開した。 MGCの切符はまだつかんでいないが、今大会で2時間10分00秒以内をマークして日本人3位以内、または2時間9分00秒以内で同4~6位以内に入れば出場権を獲得できる。また、ニューヨークシティ・マラソンの結果を申請していることを条件に、2本合計平均が2時間10分00秒以内で決まる「ワイルドカード」の可能性もある。その場合は2時間8分29秒以内で走れば満たすことになる。 国内招待選手には、他に土方英和(旭化成)、細谷恭平(黒崎播磨)、井上大仁(三菱重工)、吉田祐也(GMOインターネットグループ)、其田健也(JR東日本)、小山直城(Honda)がいるが、そのうち小山以外は全員MGCの出場権を獲得済み。 21年のびわ湖毎日マラソンで2時間6分26秒をマークしている土方。前回の東京では2時間8分02秒だった。旭化成に移籍して最初のマラソンでどんな走りを見せるか。2時間6分35秒がベストの細谷は昨年シカゴを走って2時間8分05秒。11月には10000mで27分54秒83のベスト。今年のニューイヤー駅伝では4区区間2位と好調だ。 18年アジア大会金メダリストの井上は、やや精彩を欠いているが復活なるか。昨年1月の大阪ハーフマラソンでは1時間1分14秒の自己新、ニューイヤー駅伝では4区区間9位とまずまず復調しているだけに、力を発揮すれば強さは折り紙付きだ。大迫と練習をともにすることもある吉田は、昨年11月に10000m27分51秒26の自己ベストをマーク。前回(2時間9分20秒/24位)のリベンジなるか。 エリートランナーとして、東京五輪代表の中村匠吾(富士通)も出場。長く故障に苦しんでおり、マラソンは東京五輪以来となる。髙久龍(ヤクルト)や、オレゴン世界選手権代表の星岳(コニカミノルタ)、元日本記録保持者・設楽悠太(Honda)、進退を懸けて臨む宮脇千博(トヨタ自動車)らも注目が集まる。 昨年は王者エリウド・キプチョゲ(ケニア)の走りに東京が湧いたが、今回の海外招待選手も強力だ。2時間3分36秒のベストを持ち、21年ロンドンでは2時間4分01秒で優勝しているシサイ・レマ(エチオピア)や、2時間4分09秒がベストで13年世界選手権ケニア代表のバーナード・コエチらが参戦。昨年のパリ優勝のデソ・ゲルミサ(エチオピア)は、ミラノ優勝のタイタス・キプルト(ケニア)のといった若い選手も勢いがありそうだ。 次ページ 【女子】一山麻緒&松田瑞生の走りに注目!

【女子】一山麻緒&松田瑞生の走りに注目!

女子現役最速が新谷仁美(積水化学)なら、『現役最強』はこの2人だろう。一山麻緒(資生堂)と松田瑞生(ダイハツ)。ともに昨年のオレゴン世界選手権代表だが、一山が直前に体調不良のため欠場。実に2019年東京五輪代表選考会だったMGC以来の同一マラソン出走となる。なお、ともにMGCの出場権は持つ。 前回、自己2番目となる2時間21分02秒で日本人トップだった一山。昨年11月の全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)では3区で粘りの走りを見せてチームの優勝に貢献した。常に海外選手と戦うイメージを持っている一山。どの程度調子を合わせてきているか。 松田はオレゴンで入賞まであと一歩の9位で涙をのんだ。今年1月の全国都道府県対抗女子駅伝ではアンカーを務めて逆転優勝。マラソン練習の途中ながらスピードのあるところを見せた。松田はMGCだけではなく夏のブダペスト世界選手権代表入りを狙うと明言している。 ともに記録についても一つのターゲットとしており、日本記録2時間19分12秒(野口みずき)の18年ぶり更新なるか。 他に細田あい(エディオン)のと松下菜摘(天満屋)のが招待選手として出場。こちらもMGCをすでに決めている。 海外勢では34歳のベテランで、前回2時間17分58秒で2位だったアシェテ・ベケレ(エチオピア)や、初マラソンだった昨年のベルリンで2時間18分00秒(初マラソン世界歴代2位)を出したローズマリー・ワンジル(ケニア)らが出場。ワンジルは青森山田高の留学生で国内でも活動していた。 前回MGCをつかんだ森田香織(パナソニック)や、阿部有香里(京セラ)、太田琴菜(日本郵政グループ)というMGC出場組も試金石となる。 東京マラソンは東京都庁をスタート、東京駅前をフィニッシュとする都内を巡るコースで行われる。9時10分に一斉スタート。フジテレビで中継される。 次ページ 東京マラソン2023男子招待選手一覧

東京マラソン2023男子の招待選手

S.レマ(エチオピア) 2.03.36 B.コエチ(ケニア)  2.04.09 S.コトゥト(ケニア) 2.04.47※欠場 S.キッサ(ウガンダ) 2.04.48 D.ゲルミサ(エチオピア) 2.04.53 D.キプルト(ケニア) 2.04.54 M.エサ(エチオピア)  2.05.05 D.アバテ(エチオピア) 2.06.13 M.アラビ(モロッコ)  2.06.55 C.レビンス(カナダ)  2.07.09 鈴木 健吾(富士通)  2.04.56※欠場 大迫 傑(Nike)    2.05.29 土方 英和(旭化成)  2.06.26 細谷 恭平(黒崎播磨) 2.06.35 井上 大仁(三菱重工) 2.06.47 吉田 祐也(GMOインターネットグループ) 2.07.05 其田 健也(JR東日本) 2.07.14 小山 直城(Honda)   2.08.59 次ページ 東京マラソン2023 女子招待選手一覧

東京マラソン2023 女子招待選手一覧

A.ベケレ(エチオピア)    2.17.58 R.ワンジル(ケニア/スターツ)2.18.00 T.アバイェチェウ(エチオピア)2.18.03 J.メリー(ルーマニア)    2.18.04※欠場 W.エデサ(エチオピア)    2.18.51 T.ゲメチュ(エチオピア)   2.18.59 L.フラナガン(米国)     2.24.35 一山 麻緒(資生堂)     2.20.29 松田 瑞生(ダイハツ)    2.20.52 細田 あい(エディオン)   2.21.42 松下 菜摘(天満屋)     2.23.05

次ページ:

ページ: 1 2 3 4

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.12.14

京山・石原万結は5区 神村学園・瀬戸口恋空は2年連続1区 大沢野も長森結愛、黒川志帆が3km区間に/全中駅伝・女子

第32回全国中学駅伝は12月15日、滋賀県の野洲市と湖南市にまたがる希望が丘文化公園で開催される。14日には開会式が行われ、併せて区間エントリーも発表された。 女子は1区、5区が3km、2区から4区までは2kmの5区間1 […]

NEWS 京山はエースの玉川彩人が3区 坂は8分台トリオを前半に配置 鶴ヶ島藤は植松遼がアンカー/全中駅伝・男子

2024.12.14

京山はエースの玉川彩人が3区 坂は8分台トリオを前半に配置 鶴ヶ島藤は植松遼がアンカー/全中駅伝・男子

第32回全国中学駅伝は12月15日、滋賀県の野洲市と湖南市にまたがる希望が丘文化公園で開催される。14日には開会式が行われ、併せて区間エントリーも発表された。 史上初の2年連続男女優勝を目指す京山(岡山)は全中3000m […]

NEWS 第5回大学対校男女混合駅伝の出場校が決定! 大東大、環太平洋大、亜細亜大、早大が初出場!! 2月16日に大阪・長居で開催

2024.12.14

第5回大学対校男女混合駅伝の出場校が決定! 大東大、環太平洋大、亜細亜大、早大が初出場!! 2月16日に大阪・長居で開催

12月12日、関西学連は25年2月16日に開催される第5回全国大学対校男女混合駅伝の出場チームを発表した。 同大会は2021年に大学駅伝では国内初の男女混合レースとして誕生。これまでは「全国招待大学対校男女混合駅伝」とい […]

NEWS ケガから復帰の駒大・佐藤圭汰「インパクトのある走りをしたい」青学大・太田に闘志燃やす 伊藤、山川との3年生トリオが充実

2024.12.13

ケガから復帰の駒大・佐藤圭汰「インパクトのある走りをしたい」青学大・太田に闘志燃やす 伊藤、山川との3年生トリオが充実

第101回箱根駅伝に出場する駒大がオンラインで記者会見を開き、藤田敦史監督、大八木弘明総監督、選手が登壇、報道陣の取材に応じた。 前回、3区区間2位の力走を見せたものの、青学大・太田蒼生(4年)との競り合いに敗れた佐藤圭 […]

NEWS 箱根駅伝V奪還狙う駒大 藤田敦史監督「100回大会の悔しさ晴らしたい」選手層に課題も手応えあり

2024.12.13

箱根駅伝V奪還狙う駒大 藤田敦史監督「100回大会の悔しさ晴らしたい」選手層に課題も手応えあり

第101回箱根駅伝に出場する駒大がオンラインで記者会見を開き、藤田敦史監督、大八木弘明総監督、選手が登壇、報道陣の取材に応じた。 藤田監督は「前回は出雲駅伝、全日本大学駅伝を制した状態で迎え、青山学院に負けて準優勝でした […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top