2023.01.22
◇第28回全国都道府県男子駅伝(1月22日/広島・平和記念公園前発着:7区間48km)
コロナ禍の中止を挟んで2020年以来の開催。その3年前に制した長野が圧巻のタスキリレーで“連覇”を達成した。
特に、昨年末の全国高校駅伝で高校最高記録(2時間1分57秒)をマークした佐久長聖高勢の快走が光った。1区の永原颯磨(2年)は、区間賞こそ19分39秒で兵庫・長嶋幸宝(西脇工高)に譲ったが、従来の区間記録(19分46秒)を上回る19分41秒で走破。後続へ流れを作った。
2区の猿田創汰(堀金中)、3区の伊藤大志(早大)が上位で奮闘すると、4区の佐久長聖高・山口竣平(2年)が優勝への道を切り開く。
4位でタスキを受けるとる14分02秒で走破。「ラスト1kmでは不安だったけど区間記録を更新できて良かったです」と、従来の区間記録を5秒更新し、中継所では先頭の京都をわずかに逆転して、トップに立った。
そして、5区の佐久長聖高・吉岡大翔(3年)は5000m高校記録保持者の実力を発揮。「都大路の後は、思うような調子ではなかったけど、上野“監督”にゴールテープを切ってもらいたいと思って力を振り絞った」。長野・村澤明伸(09年)や福島・松山和希(20年)が持っていた区間記録を3秒更新する23分52秒をマーク。リードを37秒に拡大した。
6区の小林睦(富士見中)は区間3位でがっちりと首位をキープ。アンカーの上野裕一郎(セントポールクラブ)は2位と49秒差のリードをもらって中継所を飛び出した。
「メインは監督業(立教大駅伝監督)。その合間に市民ランナーとしてやっている」と上野。それでも、1km2分50秒台でレースを進め、後続に逆転するスキをまったく与えなかった。「都道府県駅伝に出るのはこれが最後」とほのめかす37歳のアンカーは、7区13kmを楽しむかのように駆け抜けた。
途中、沿道から送られた声援に手を挙げて応える上野。最後は喜びを抑えきれないように、声を出しながら、長野にとって9回目の優勝テープを切った。
タイムは2時間17分10秒。3年前に打ち立てた大会記録を1秒更新した。
高見澤勝監督(佐久長聖高教)は「優勝できたのは多くの方々の支えがあったからなので、感謝したい」と話し、アンカーの上野は「長野で6年ぶりの出場。貢献できて良かったです。今回もテープを切れてこんなに幸せなことはありません」と声を弾ませた。
さらに、「高校生が強いですね。僕たちとは比べものにならないほど。この後、一般の区間も走って長野県につなげてほしい」と上野。強力な後輩たちに、今後のふるさとを託すように語った。
◇長野チームの成績
2時間17分10秒=大会新 1区 永原颯磨(佐久長聖高) 区間2位 19分41秒=区間新 2区 猿田創汰(堀金中) 区間23位 8分49秒 3区 伊藤大志(早大) 区間8位 23分48秒 4区 山口竣平(佐久長聖高) 区間賞 14分02秒=区間新 5区 吉岡大翔(佐久長聖高) 区間賞 23分52秒=区間新 6区 小林 睦(富士見中) 区間3位 8分47秒 7区 上野裕一郎(セントポールクラブ) 区間12位 38分11秒RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.12.23
-
2025.12.23
-
2025.12.22
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
2025.12.21
早大が来春入部選手発表!高校駅伝1区激闘の増子陽太、新妻、本田がそろって加入!
2025.12.21
【大会結果】第76回全国高校駅伝・男子(2025年12月21日)
-
2025.12.21
-
2025.12.20
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
-
2025.12.21
-
2025.12.21
-
2025.12.21
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.23
箱根駅伝Stories/3度目の山で伝説を作る早大・工藤慎作 スピードに磨き「ストロングポイントとして活躍を」
新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 中学では当初卓球部を希望 「いよいよ始まるなっていうところで、純粋に […]
2025.12.23
箱根駅伝Stories/東京国際大・大村良紀「10区で展開を作っていく走りを」 集大成の舞台で全力を出し切る
新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 競技を続けるきっかけは消去法 「大村良紀=10区」、という構図ができ […]
2025.12.23
箱根駅伝Stories/自信と屈辱を経てたくましく成長した中大・岡田開成 「自分がゲームチェンジャーになろう」
新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 武者修行で変わった“基準” 中大・岡田開成(2年)にとって第101回 […]
2025.12.23
ニューイヤー駅伝「クマ対応」発表 桐生市内一部エリアに出没例 該当区間の中止も
一般社団法人日本実業団陸上競技連合は12月23日、第70回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)の「クマ対応」について発表した。 同大会は群馬県庁スタート・フィニッシュで、前橋市、高崎市、伊勢崎氏、太田市、桐生市をめぐ […]
2025.12.23
短距離の竹田一平がスズキを退社「一生の宝物」今後も競技継続 中大2年時にU20代表
スズキは12月末をもって男子短距離の竹田一平が退社・退団すると発表した。 竹田は埼玉県出身の28歳。不動岡高時代は走幅跳や三段跳をメインにしていたが、中大から本格的にスプリントへ。大学2年だった2016年には10秒27を […]
Latest Issue
最新号
2026年1月号 (12月12日発売)
箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳
