HOME 駅伝、箱根駅伝

2023.01.02

駒大・田澤廉「ベストの走りできなかった」12月上旬コロナ感染も2区でエースの役割果たす/箱根駅伝
駒大・田澤廉「ベストの走りできなかった」12月上旬コロナ感染も2区でエースの役割果たす/箱根駅伝

2区を走って往路Vに後見した駒大の田澤廉(2023年箱根駅伝)

◇第99回箱根駅伝・往路(1月2日:東京・大手町~神奈川・箱根町/5区間107.5km)

第99回箱根駅伝の往路が行われ、往路優勝を果たした駒大の2区に入ったのが田澤廉(4年)だった。

序盤は「抑えて入り」、徐々に上げていく。一時はトップに立ったものの、最後は中大・吉居大和(3年)に突き放された。田澤の走りを知っていれば、本調子ではないのは明らかだった。

広告の下にコンテンツが続きます

実は12月上旬に新型コロナウイルスの陽性反応が出ていたことを明かす。高熱も出て、咳も止まらなかった。「そこから1週間は歩いてもいない」。自身をもってして「やばい状態」だったと振り返り、「合宿できないまま練習は2週間くらいしかできなかった」と言う。

だが、そんな状況でも大八木弘明監督が2区に送り出したのは田澤。3冠の懸かる大舞台。期待の証であり、その期待に応えられると信じていたからこそだろう。そして、田澤はそれに応えてみせる。「言い訳にして負けたというのは嫌」とエースらしい走りで2位を死守。結果的に、この粘りが往路優勝に導いたと言える。

「絶対に1番で渡したかったという気持ちはあったんですけど、最後はもう踏ん張れなかった。ベストの走りができなくて残念だし、申し訳ない」

今季は10000mでオレゴン世界選手権にも出場。ただ、1年間通してなかなかコンディションが整わなかった。三浦龍司(順大)と同じく、トラックで夏場まで勝負してから駅伝へ移行するのは簡単なことではない。世界を経験したからこそ、箱根駅伝とトラックの両立の難しさを痛感。「そんなに甘くはない」と語っていた。それでも、仲間、そして「自分をここまで育ててくれた、大恩師」への恩返しとして、3冠を誓っていた。

「大学の4年間はもう終わりですけど、監督とはこれからもオリンピックとか世界陸上とか。日本を代表する選手を監督と一緒に目指して、これからも頑張っていきたい」

3冠は監督への恩返しと話していた田澤。最後の箱根で役割を果たした大エースは、1月3日、仲間を信じて大手町で3冠のフィニッシュを待つ。

■田澤廉の4年間の箱根駅伝成績
1年時 3区3位(総合8位)
2年時 2区7位(総合1位)
3年時 2区1位(総合3位)
4年時 2区3位

◇第99回箱根駅伝・往路(1月2日:東京・大手町~神奈川・箱根町/5区間107.5km) 第99回箱根駅伝の往路が行われ、往路優勝を果たした駒大の2区に入ったのが田澤廉(4年)だった。 序盤は「抑えて入り」、徐々に上げていく。一時はトップに立ったものの、最後は中大・吉居大和(3年)に突き放された。田澤の走りを知っていれば、本調子ではないのは明らかだった。 実は12月上旬に新型コロナウイルスの陽性反応が出ていたことを明かす。高熱も出て、咳も止まらなかった。「そこから1週間は歩いてもいない」。自身をもってして「やばい状態」だったと振り返り、「合宿できないまま練習は2週間くらいしかできなかった」と言う。 だが、そんな状況でも大八木弘明監督が2区に送り出したのは田澤。3冠の懸かる大舞台。期待の証であり、その期待に応えられると信じていたからこそだろう。そして、田澤はそれに応えてみせる。「言い訳にして負けたというのは嫌」とエースらしい走りで2位を死守。結果的に、この粘りが往路優勝に導いたと言える。 「絶対に1番で渡したかったという気持ちはあったんですけど、最後はもう踏ん張れなかった。ベストの走りができなくて残念だし、申し訳ない」 今季は10000mでオレゴン世界選手権にも出場。ただ、1年間通してなかなかコンディションが整わなかった。三浦龍司(順大)と同じく、トラックで夏場まで勝負してから駅伝へ移行するのは簡単なことではない。世界を経験したからこそ、箱根駅伝とトラックの両立の難しさを痛感。「そんなに甘くはない」と語っていた。それでも、仲間、そして「自分をここまで育ててくれた、大恩師」への恩返しとして、3冠を誓っていた。 「大学の4年間はもう終わりですけど、監督とはこれからもオリンピックとか世界陸上とか。日本を代表する選手を監督と一緒に目指して、これからも頑張っていきたい」 3冠は監督への恩返しと話していた田澤。最後の箱根で役割を果たした大エースは、1月3日、仲間を信じて大手町で3冠のフィニッシュを待つ。 ■田澤廉の4年間の箱根駅伝成績 1年時 3区3位(総合8位) 2年時 2区7位(総合1位) 3年時 2区1位(総合3位) 4年時 2区3位

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.12

國學院大がライフネット生命とスポンサーシップ契約「箱根路で最高の景色を見せられるよう邁進」

ライフネット生命保険株式会社は12月12日、昨年から結んでいる國學院大陸上競技部とのスポンサーシップ契約を延長したと発表した。 2008年に開業したライフネット生命は、オンライン生保のリーディングカンパニーとして知られる […]

NEWS 全中3000mV出田隆之助擁する中京、前回8位の大淀、戦力充実の稲美北、常盤松などが有力  14日に中学駅伝日本一決定戦/全中駅伝男子展望

2025.12.12

全中3000mV出田隆之助擁する中京、前回8位の大淀、戦力充実の稲美北、常盤松などが有力 14日に中学駅伝日本一決定戦/全中駅伝男子展望

第33回全国中学校駅伝が、12月14日に滋賀県の野洲市と湖南市にまたがる希望が丘文化公園で開催される。 男子6区間18km、女子5区間12kmのコースに、各都道府県代表に開催地枠を加えた男女それぞれ48チームが出場し、中 […]

NEWS 京山が3連覇に向けて前進 東北勢初のトップ3目指す黒石野、初出場の男山三、鶴ヶ島藤が上位候補/全中駅伝女子展望

2025.12.12

京山が3連覇に向けて前進 東北勢初のトップ3目指す黒石野、初出場の男山三、鶴ヶ島藤が上位候補/全中駅伝女子展望

第33回全国中学校駅伝が、12月14日に滋賀県の野洲市と湖南市にまたがる希望が丘文化公園で開催される。 男子6区間18km、女子5区間12kmのコースに、各都道府県代表に開催地枠を加えた男女それぞれ48チームが出場し、中 […]

NEWS 豪州で18歳・ビークロフトが10000m競歩38分02秒68のU20世界新

2025.12.12

豪州で18歳・ビークロフトが10000m競歩38分02秒68のU20世界新

12月11日、豪州シドニーで、ニューサウスウェールズ州10000m競歩選手権が行われ、I.ビークロフト(豪州)が38分02秒68のU20世界新記録をマークした。 ビークロフトは2007年生まれの18歳。競歩選手だった父の […]

NEWS 箱根駅伝初Vへ國學院大・前田康弘監督「ジョーカーにどう立ち向かっていくか」 主将・上原琉翔「先頭でタスキを」

2025.12.12

箱根駅伝初Vへ國學院大・前田康弘監督「ジョーカーにどう立ち向かっていくか」 主将・上原琉翔「先頭でタスキを」

第102回箱根駅伝で初優勝を狙う國學院大が12月12日、都内の渋谷キャンパスで壮行会と記者会見を開いた。 例年の合同による囲み取材形式から急遽、記者会見方式への変更。前田康弘監督は「今年は今のところ16人全員が元気で良い […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top