HOME 中学

2022.12.19

稲美が最終区の逆転で劇的連覇 吉川菜緒は史上初の1区連続区間賞/全中駅伝女子
稲美が最終区の逆転で劇的連覇 吉川菜緒は史上初の1区連続区間賞/全中駅伝女子

◇第30回全国中学校駅伝(12月18日/滋賀・希望が丘文化公園、女子5区間12km)

節目の大会にふさわしく、最後まで手に汗握る熱い激戦が繰り広げられた。女子(5区間12㎞)は稲美(兵庫)が43分27秒で2連覇を飾った。これで兵庫勢女子の優勝は4度目となり、初の連覇達成となった。

稲美は、2年連続の1区(3.0㎞)起用となった双子姉妹の姉・吉川菜緒(3年)が1区では史上初となる連続区間賞(10分31秒)の快走で好スタートを切ると、混戦となった2、3区で3位まで順位を落としたものの、4区で再び先頭の桂(京都)から13秒差の2位に浮上。最後はアンカーの双子の妹・吉川陽菜(3年)が、粘る桂を振り切り逆転でフィニッシュテープを切った。

主軸の吉川姉妹に加え、前回4区で区間2位タイと好走していた主将の湊友希(3年)の3人が残り、早くから連覇が期待されていた稲美。この1年間はプレッシャーとの戦いで、夏までは主軸の吉川菜が春先に左足の足首を痛め走れない時期が続くなど逆境を乗り越えてのV2に喜びもひとしお。レースを見守った顧問の石井洋之先生も、「兵庫は県内の競争も激しく、どうなるか不安を抱くこともありましたが、生徒たちが自主的にミーティングを繰り返すなどして一致団結し、チームのモットーでもある“つなげる襷 伝える感謝”を胸に、本番でしっかり力を出し切ってくれました」と健闘を称える。周囲の支えを力に、日々コツコツと積み上げてきた努力の結果が県勢初の連覇の快挙に結びついた。

アンカーを務めた吉川陽は、「支部大会、県大会、近畿大会ではずっと前を走っていましたが、全国では追いかけるレースを想定し、スピード練習を積んできた成果が出せました」と笑顔。序盤の下り坂でつかんだリズムのまま1㎞手前で13秒差をひっくり返し歓喜のVテープを切った。

4年ぶり6度目の頂点を目指した桂は8秒差の2位。2区で先頭に立つなど積極的なレースが光った初出場の神村学園(鹿児島)が3位と健闘。4、5位には、18&19位でタスキを受けたアンカーの長森結愛(1年)、湯田和未(3年)がともに区間賞(10分17秒)の力走で一気に順位を上げた大沢野(富山)、会津若松一(福島)が続いた。長森、湯田の2人は最優秀選手にも選出されている。また、香長(高知)が44分11秒で8位に入り、男女を通じ高知勢初入賞を果たした。
文/花木 雫

次は 上位成績と区間賞獲得者

広告の下にコンテンツが続きます
◇第30回全国中学校駅伝(12月18日/滋賀・希望が丘文化公園、女子5区間12km) 節目の大会にふさわしく、最後まで手に汗握る熱い激戦が繰り広げられた。女子(5区間12㎞)は稲美(兵庫)が43分27秒で2連覇を飾った。これで兵庫勢女子の優勝は4度目となり、初の連覇達成となった。 稲美は、2年連続の1区(3.0㎞)起用となった双子姉妹の姉・吉川菜緒(3年)が1区では史上初となる連続区間賞(10分31秒)の快走で好スタートを切ると、混戦となった2、3区で3位まで順位を落としたものの、4区で再び先頭の桂(京都)から13秒差の2位に浮上。最後はアンカーの双子の妹・吉川陽菜(3年)が、粘る桂を振り切り逆転でフィニッシュテープを切った。 主軸の吉川姉妹に加え、前回4区で区間2位タイと好走していた主将の湊友希(3年)の3人が残り、早くから連覇が期待されていた稲美。この1年間はプレッシャーとの戦いで、夏までは主軸の吉川菜が春先に左足の足首を痛め走れない時期が続くなど逆境を乗り越えてのV2に喜びもひとしお。レースを見守った顧問の石井洋之先生も、「兵庫は県内の競争も激しく、どうなるか不安を抱くこともありましたが、生徒たちが自主的にミーティングを繰り返すなどして一致団結し、チームのモットーでもある“つなげる襷 伝える感謝”を胸に、本番でしっかり力を出し切ってくれました」と健闘を称える。周囲の支えを力に、日々コツコツと積み上げてきた努力の結果が県勢初の連覇の快挙に結びついた。 アンカーを務めた吉川陽は、「支部大会、県大会、近畿大会ではずっと前を走っていましたが、全国では追いかけるレースを想定し、スピード練習を積んできた成果が出せました」と笑顔。序盤の下り坂でつかんだリズムのまま1㎞手前で13秒差をひっくり返し歓喜のVテープを切った。 4年ぶり6度目の頂点を目指した桂は8秒差の2位。2区で先頭に立つなど積極的なレースが光った初出場の神村学園(鹿児島)が3位と健闘。4、5位には、18&19位でタスキを受けたアンカーの長森結愛(1年)、湯田和未(3年)がともに区間賞(10分17秒)の力走で一気に順位を上げた大沢野(富山)、会津若松一(福島)が続いた。長森、湯田の2人は最優秀選手にも選出されている。また、香長(高知)が44分11秒で8位に入り、男女を通じ高知勢初入賞を果たした。 文/花木 雫 次は 上位成績と区間賞獲得者
■第30回全国中学校駅伝 ●女子上位成績 1位 稲美(兵庫)   43.27 2位 桂(京都)    43.35 3位 神村学園(鹿児島)43.44 4位 大沢野(富山)  43.54 5位 会津若松一(福島)44.00 6位 真岡(栃木)   44.01 7位 下小路(岩手)  44.09 8位 香長(高知)   44.11 ●女子区間賞 1区(3km)吉川菜緒(稲美3兵庫)   10.31 2区(2km)伊藤愛波(桂3京都)    7.08 3区(2km)光岡琴奈(東原庠舎中央校2佐賀)7.09 4区(2km)西川綾乃(桂3京都)    7.17 5区(3km)長森結愛(大沢野1富山)  10.17 5区(3km)湯田和未(会津若松一3福島)10.17

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.12.13

ケガから復帰の駒大・佐藤圭汰「インパクトのある走りをしたい」青学大・太田に闘志燃やす 伊藤、山川との3年生トリオが充実

第101回箱根駅伝に出場する駒大がオンラインで記者会見を開き、藤田敦史監督、大八木弘明総監督、選手が登壇、報道陣の取材に応じた。 前回、3区区間2位の力走を見せたものの、青学大・太田蒼生(4年)との競り合いに敗れた佐藤圭 […]

NEWS 箱根駅伝V奪還狙う駒大 藤田敦史監督「100回大会の悔しさ晴らしたい」選手層に課題も手応えあり

2024.12.13

箱根駅伝V奪還狙う駒大 藤田敦史監督「100回大会の悔しさ晴らしたい」選手層に課題も手応えあり

第101回箱根駅伝に出場する駒大がオンラインで記者会見を開き、藤田敦史監督、大八木弘明総監督、選手が登壇、報道陣の取材に応じた。 藤田監督は「前回は出雲駅伝、全日本大学駅伝を制した状態で迎え、青山学院に負けて準優勝でした […]

NEWS 國學院大エースの平林清澄「どの区間でもエースとしての走りをする」最後の箱根駅伝「監督を大号泣させたい」

2024.12.13

國學院大エースの平林清澄「どの区間でもエースとしての走りをする」最後の箱根駅伝「監督を大号泣させたい」

第101回箱根駅伝に出場する國學院大が12月13日、東京の渋谷キャンパスで壮行会が開かれ、前田康弘監督と選手たちが登壇。壮行会後に主将の平林清澄(4年)が報道陣の合同取材に応じた。 2冠を獲得しているだけに、壮行会にはフ […]

NEWS 國學院大・前田康弘監督 箱根駅伝初制覇へ「復路で仕留めにいく」自身も駒大初Vの主将「平林にも…」

2024.12.13

國學院大・前田康弘監督 箱根駅伝初制覇へ「復路で仕留めにいく」自身も駒大初Vの主将「平林にも…」

第101回箱根駅伝に出場する國學院大が12月13日、東京の渋谷キャンパスで壮行会が開かれ、前田康弘監督と選手たちが登壇。壮行会後に前田監督が報道陣の合同取材に応じた。 前田監督は壮行会を振り返り、「すごい人数でビックリし […]

NEWS 箱根駅伝初V狙う國學院大が壮行会 前田康弘監督「チーム力、団結力がある」

2024.12.13

箱根駅伝初V狙う國學院大が壮行会 前田康弘監督「チーム力、団結力がある」

第101回箱根駅伝に出場する國學院大が12月13日、東京の渋谷キャンパスで壮行会が開かれ、前田康弘監督と選手たちが登壇した。 出雲駅伝、全日本大学駅伝を制した國學院大。多くのファン・学生が壮行会を見守り、その注目度の高さ […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top