2022.11.23
箱根駅伝のプレイベントである「第99回箱根駅伝シンポジウム」が11月22日、東京・よみうり大手町ホールで、3年ぶりとなる有観客で行われた。
メインテーマは『経験者が語る花の2区』。学生時代にエースとして2区を駆け抜けた渡辺康幸氏(住友電工監督/早大卒)、竹澤健介氏(摂南大ヘッドコーチ/早大卒)、村澤明伸(SGホールディングス/東海大卒)、鈴木健吾(富士通/神奈川大卒)がパネリストとして登壇した。関東学連駅伝対策委員長の上田誠仁氏(山梨学大顧問)がコーディネーター、司会進行を日本テレビの山本健太アナウンサーが務め、この区間の見所やコースの特徴について語り合った。
パネリストにまずぶつけられた質問は、「『花の2区』とは?」。上田監督が「演劇で言えば、一番多いセリフを任される主役で、舞台の中央でスポットライトを浴びる」と表現した2区について、渡辺氏は「一番強い選手が集まる区間、エースが走る区間」と語る。
「初めて走るまでは『花の2区』と言われてもイメージが湧かず、甘く見ていた部分があります。実際に走ってみると、強い選手が行くコースだということと、アップダウンがあるので楽ではないことがわかりました」
1、2年時に2区を担った竹澤氏は、当時駅伝監督だった渡辺氏から「一番強いやつが2区に行くんだ」と常々、言われていたという。
「前半の流れを決める重要な区間でもあります。2区がどれだけ走れるかで、3区、4区の流れが決まってきます。チームの命運を握る区間と言えると思います」
ルーキーイヤーから3年連続で2区を走り、2年時に17人抜きを演じた村澤氏は、「順位を大きく動かせる区間」と述べた。
「駅伝は(タスキを)もらった位置が重要で、後半の区間のことを考えるとチームが上位にいてほしい。そういう中で最後に順位を大きく動かせるのが2区までで、修正もできるというところで強い選手が集まるのだと思っています」
2年時から3年連続2区を務め、3年時に区間賞に輝いた鈴木は、「チームのエース、チームで一番調子がいい選手が来る区間というイメージ」を持っている。
「往路の優勝争いに入るのか、シード圏内に入るのか、シード圏外になるのか、2区の結果が左右する、すごく重要な区間です」
続く「2区のコース徹底攻略?」という話題では、前半は比較的平坦ながら14km過ぎからの権太坂と、ラスト3kmに急激なアップダウンがある23.1kmの難コースをどのように攻略したかが語られた。
渡辺氏が「最初の1kmは突っ込みすぎないこと。10kmを28分30~40秒ぐらいの、7割ぐらいの感覚でリズムをつかみ、その時点でだいぶ力を残していないといけない」と語ると、竹澤氏は「全体的にはトータルでまとめていくのが走り方のセオリー。でも、私はそういう走りができなかった」と現役時代を振り返った。
村澤は「あくまでも23.1kmを『これなら押せるな』と思えるペースを刻むのがポイント。1㎞や5㎞の通過タイムや前後の選手に惑わされないことが重要」と話し、鈴木は「前半部分は行き過ぎず、行かな過ぎず。最後のアップダウンで勝負することを意識していました」と学生時代の戦略を明かした。
「2区のランナーに必要なもの」という質問では、パネリストが「スピード」「スタミナ」などフリップに回答を記し、「2区の思い出」では、渡辺氏がステファン・マヤカ氏(真也加ステファン、山梨学大卒/現・桜美林大駅伝監督)と繰り広げた激闘や、「沿道から飛び出してきた犬に嚙まれそうになった」などのさまざまなエピソードで観客を楽しませた。
「99回大会の2区はココに注目!」では、権太坂や終盤のアップダウンの攻略とともに、注目選手として駒大の田澤廉、青学大の近藤幸太郎、東海大の石原翔太郎といった名前が挙がった。
最後に「来年のMGCでパリ五輪の代表権をつかみたい」(鈴木)、「将来的には私を超える選手を育成することが目標」(竹澤氏)など、パネリストたちが選手、指導者としての今後の目標を語り、約2時間に渡ったシンポジウムが閉幕した。
第99回箱根駅伝は12月10日に16人のチームエントリーが行われ、12月29日の区間エントリーを経て、1月2日の往路、3日の復路(いずれも午前8時スタート)が行われる。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2026.02.05
東京メトロ・佐藤奈々が現役引退 女子3000m障害でアジア選手権銅、日本選手権7度入賞
-
2026.02.04
-
2026.02.04
-
2026.02.03
2026.01.31
青学大・黒田朝日は「コンディション不良に近い」MGC獲得が「第一目標」/別大毎日マラソン
2026.02.01
【大会結果】第29回日本学生ハーフマラソン選手権(2026年2月1日)
-
2026.02.01
-
2026.01.29
2026.01.31
青学大・黒田朝日は「コンディション不良に近い」MGC獲得が「第一目標」/別大毎日マラソン
-
2026.02.01
-
2026.01.18
Latest articles 最新の記事
2026.02.05
東京メトロ・佐藤奈々が現役引退 女子3000m障害でアジア選手権銅、日本選手権7度入賞
東京メトロは2月5日、佐藤奈々が2月8日の全日本実業団ハーフマラソンをもって現役を引退することを発表した。 佐藤は1989年生まれの36歳。京教大附高から京教大に進み、大学院生時代から3000m障害に取り組み、日本インカ […]
2026.02.04
関東学院大にチーム初のケニア人留学生・オンディソが入学 自由ケ丘高・吉田悠輝ら11人が加入
2月4日、関東学院大は今春に入部予定の11人を発表した。 5000mの持ち記録では14分45秒63の吉田悠輝(自由ケ丘高・福岡)がトップ。吉田は1500mも得意としており、インターハイ路線では北九州大会に進んでいる。 広 […]
2026.02.04
トヨタ紡織・下史典が引退 IH5000m日本人トップ、全国高校駅伝1区区間賞 箱根、ニューイヤーでも活躍
2月4日、トヨタ紡織は所属する下史典が今年度限りで競技を引退することを発表した。 下は三重県出身の29歳。伊賀白鳳高では2年時に全国高校駅伝6区で区間賞を獲得し、チームの3位入賞に貢献した。翌年は山梨インターハイの500 […]
2026.02.04
日本選手権ハーフマラソン競歩 山西利和、勝木隼人、吉川絢斗、柳井綾音らがエントリー! 世界陸上金のボンフィムも参戦
2月4日、日本陸連は2月15日に開催される第109回日本選手権ハーフマラソン競歩(兵庫・神戸、六甲アイランド甲南大学西側長距離競歩路)のエントリー選手を発表した。 同大会はこれまで20kmの距離で開催されてきたが、ルール […]
2026.02.04
キプリモのハーフマラソン56分42秒は世界記録認定ならず 先導車が助力行為と判断
世界陸連は、25年2月16日に行われたバルセロナハーフマラソンにおいて、ジェイコブ・キプリモ(ウガンダ)が出した56分42秒について、世界記録として認定しないと判断した。 東京五輪10000m銅メダルのキプリモは、このレ […]
Latest Issue
最新号
2026年2月号 (1月14日発売)
EKIDEN Review
第102回箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
全国高校駅伝
全国中学校駅伝
富士山女子駅伝











