HOME ニュース、海外

2022.07.20

大熱戦の女子走高跳 パターソンが自己新2m02で初金メダル!ウクライナのマフチフは同記録で銀/世界陸上
大熱戦の女子走高跳 パターソンが自己新2m02で初金メダル!ウクライナのマフチフは同記録で銀/世界陸上

◇オレゴン世界陸上(7月15日~24日/米国・オレゴン州ユージン)5日目

オレゴン世界陸上5日目のイブニングセッションに行われた女子走高跳決勝。4人が2m02に挑む大熱戦は、この高さを1回でクリアしたエラノア・パターソン(豪州)が世界大会初の金メダルを手にした。

広告の下にコンテンツが続きます

屋外ベストにあと1cmの1m98を3回目で成功したパターソンは、屋外では自身初の大台となる2m00も2回目でクリア。この時点では、2m00を一発で越えたエレナ・ヴァッロルティガーラ(イタリア)がトップ、同じ2回目での成功だったヤロスラワ・マフチフ、イリーナ・ヘラシュチェンコに次ぐ4位だった。

だが、スピードに乗った助走から自己ベストの2m02を鮮やかに1回で成功したことで、流れを一気に自分のものにした。この高さを2回目に越えたマフチフとの一騎打ちとなった2m04は、試技順が先のマフチフが3回目を失敗した時点で優勝が決定。パターソンは大歓声を浴びながらを最終跳躍を終えると、マットの上で感無量の表情を見せた。

「ビッグパフォーマンスができるとは思っていたけど、今夜、これだけの素晴らしい選手たちと同じように跳べるなんて思ってなかった。私がチャンピオンだなんて信じられない」

2013年のU18世界選手権を制している26歳。15年北京世界陸上で8位、昨年の東京五輪では5位入賞を果たすと、今年3月の世界室内選手権ではマフチフとの優勝争いに敗れたものの初の2m00成功で銀メダルを獲得と、着実に力をつけてきた。今季は、屋外初戦が6月30日のダイヤモンドリーグ・ストックホルム大会だったものの、そこで1m96をクリアして優勝。今季2戦目にして、自身初の世界一をつかんだことになる。

豪州勢は、パターソンと同年代のニコラ・オリスラガースが昨年の東京五輪で銀メダル、今大会も5位に入賞している。欧州勢が中心だった同種目の勢力図を、南半球から大きく書き換えそうな勢いだ。

2月末からロシアからの軍事侵攻を受け続ける母国に希望をと臨んだマフチフだったが、2大会連続の銀メダルに。それでも、頂点をバーに合わせられなかったものの2m04は高さは十分。V候補筆頭としての実力は示した。

18歳で出場した前回のドーハ大会は、33年ぶりU20世界新となる2m04をクリアして銀メダルを獲得。逸材として注目を集め、昨年の東京五輪でも銅メダルを手にした。3月の世界室内選手権には戦火を逃れて出場し、金メダルに輝いている。

今大会も米国の観客から大声援を受け、予選からバーを次々と1回でクリアしていったが、決勝は2m00、2m02ともに1度ずつ失敗したことが響いた。

■女子走高跳上位成績
1位 エレノール・パターソン(豪州)       2m02
2位 ヤロスラワ・マフチフ(ウクライナ)     2m02
3位 エレナ・ヴァッロルティガーラ(イタリア)  2m00
4位 イリーナ・ヘラシュチェンコ(ウクライナ)  2m00
5位 ニコラ・オリスラガース(豪州)       1m96
〃  サフィナ・サドゥライェワ(ウズベキスタン) 1m96
7位 カルメン・ブラウス(エストニア)      1m96
8位 ナデジュダ・ドゥボヴィツカヤ(カザフスタン)1m96

◇オレゴン世界陸上(7月15日~24日/米国・オレゴン州ユージン)5日目 オレゴン世界陸上5日目のイブニングセッションに行われた女子走高跳決勝。4人が2m02に挑む大熱戦は、この高さを1回でクリアしたエラノア・パターソン(豪州)が世界大会初の金メダルを手にした。 屋外ベストにあと1cmの1m98を3回目で成功したパターソンは、屋外では自身初の大台となる2m00も2回目でクリア。この時点では、2m00を一発で越えたエレナ・ヴァッロルティガーラ(イタリア)がトップ、同じ2回目での成功だったヤロスラワ・マフチフ、イリーナ・ヘラシュチェンコに次ぐ4位だった。 だが、スピードに乗った助走から自己ベストの2m02を鮮やかに1回で成功したことで、流れを一気に自分のものにした。この高さを2回目に越えたマフチフとの一騎打ちとなった2m04は、試技順が先のマフチフが3回目を失敗した時点で優勝が決定。パターソンは大歓声を浴びながらを最終跳躍を終えると、マットの上で感無量の表情を見せた。 「ビッグパフォーマンスができるとは思っていたけど、今夜、これだけの素晴らしい選手たちと同じように跳べるなんて思ってなかった。私がチャンピオンだなんて信じられない」 2013年のU18世界選手権を制している26歳。15年北京世界陸上で8位、昨年の東京五輪では5位入賞を果たすと、今年3月の世界室内選手権ではマフチフとの優勝争いに敗れたものの初の2m00成功で銀メダルを獲得と、着実に力をつけてきた。今季は、屋外初戦が6月30日のダイヤモンドリーグ・ストックホルム大会だったものの、そこで1m96をクリアして優勝。今季2戦目にして、自身初の世界一をつかんだことになる。 豪州勢は、パターソンと同年代のニコラ・オリスラガースが昨年の東京五輪で銀メダル、今大会も5位に入賞している。欧州勢が中心だった同種目の勢力図を、南半球から大きく書き換えそうな勢いだ。 2月末からロシアからの軍事侵攻を受け続ける母国に希望をと臨んだマフチフだったが、2大会連続の銀メダルに。それでも、頂点をバーに合わせられなかったものの2m04は高さは十分。V候補筆頭としての実力は示した。 18歳で出場した前回のドーハ大会は、33年ぶりU20世界新となる2m04をクリアして銀メダルを獲得。逸材として注目を集め、昨年の東京五輪でも銅メダルを手にした。3月の世界室内選手権には戦火を逃れて出場し、金メダルに輝いている。 今大会も米国の観客から大声援を受け、予選からバーを次々と1回でクリアしていったが、決勝は2m00、2m02ともに1度ずつ失敗したことが響いた。 ■女子走高跳上位成績 1位 エレノール・パターソン(豪州)       2m02 2位 ヤロスラワ・マフチフ(ウクライナ)     2m02 3位 エレナ・ヴァッロルティガーラ(イタリア)  2m00 4位 イリーナ・ヘラシュチェンコ(ウクライナ)  2m00 5位 ニコラ・オリスラガース(豪州)       1m96 〃  サフィナ・サドゥライェワ(ウズベキスタン) 1m96 7位 カルメン・ブラウス(エストニア)      1m96 8位 ナデジュダ・ドゥボヴィツカヤ(カザフスタン)1m96

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.14

中学チャンピオンが実力発揮! 女子・是枝愛香、男子・出田隆之助がそろって区間賞 「都道府県対抗駅伝でも区間賞を取りたい」/全中駅伝

◇全国中学校駅伝(12月14日/滋賀・希望が丘文化公園 男子6区間18km、女子5区間12km) 第33回全国中学校駅伝が行われ、男子は木瀬(群馬)が初出場で初優勝、女子は京山(岡山)が史上3校目の3連覇を飾った。 今大 […]

NEWS 5000m競歩・馬場康成が高校歴代6位の19分47秒71!インターハイ14位も秋に躍進

2025.12.14

5000m競歩・馬場康成が高校歴代6位の19分47秒71!インターハイ14位も秋に躍進

長崎陸協競歩が12月14日に行われ、男子高校5000m競歩で馬場康成(鳥栖工高3佐賀)が高校歴代6位となる19分47秒71をマークした。 馬場は三日月中時代は800m、1500m、3000mや駅伝に取り組んでいた。高3か […]

NEWS 大淀が宮崎県勢最高の銀メダル! 「きつい練習を乗り越えた最高の仲間」/全中駅伝

2025.12.14

大淀が宮崎県勢最高の銀メダル! 「きつい練習を乗り越えた最高の仲間」/全中駅伝

◇全国中学校駅伝(12月14日/滋賀・希望が丘文化公園 男子6区間18km、女子5区間12km) 第33回全国中学校駅伝の男子が行われ、初出場の木瀬(群馬)が57分01秒で優勝を飾った。 木瀬には引き離されたものの、前回 […]

NEWS 徳島大が2区で首位浮上し独走V 2位は周南公立・至誠館大連合/中国四国学生女子駅伝

2025.12.14

徳島大が2区で首位浮上し独走V 2位は周南公立・至誠館大連合/中国四国学生女子駅伝

第24回中国四国学生駅伝が12月14日、広島県東広島市の東広島運動公園内周回コースを会場に5区間17.2kmで行われ、徳島大Aが1時間1分31秒で優勝した。 徳島大Aは1区の堤真花から4位でタスキを受けた2区(2.0km […]

NEWS 名城大 今回も首位譲らず19連覇 日本福祉大2位に食い込む 3位は中京学大/東海学生女子駅伝

2025.12.14

名城大 今回も首位譲らず19連覇 日本福祉大2位に食い込む 3位は中京学大/東海学生女子駅伝

第19回東海学生女子駅伝対校選手権は12月14日、愛知県美浜町運動公園陸上競技場を発着点とする5区間19.9kmで行われ、名城大Aが1時間9分25秒で19年連続19回目の優勝を果たした。 女子の名城大Aは1区の大河原萌花 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top