◇オレゴン世界陸上(7月15日~24日/米国・オレゴン州ユージン)5日目
オレゴン世界陸上5日目のイブニングセッションに行われた男子円盤投決勝は、マリボル大に通う23歳の学生クリスチャン・チェー(スロベニア)が17年ぶり大会新の71m13を放ち、世界大会初制覇を果たした。
5月のダイヤモンドリーグ(DL)・バーミンガム大会で世界歴代10位の71m27をマークしていたチェー。この日も、2投目に69m02を放ってトップに立つと、3投目にその自己ベストにあと14㎝と迫るビッグスロー放って主導権を握る。
チェーとの2強と思われた前回のドーハ大会、昨年の東京五輪と連勝中のダニエル・ストール(スウェーデン)が66m59が最高と苦戦し、流れは完全にチェーのものに。5投目にも70m51と再び70mを超え、内容でも他を圧倒した。
「ビッグスローを生み出す状態にあることはわかっていたが、これは世界選手権。自分のやるべきことに集中した。それができたのが71m13の投てきだった。非常に速いサークルだったが、条件はみんな同じ。自分を信じて臨んだ」
農業を営む家に生まれ、身長2mを超える大きな身体に育ったチェー。2007年大阪世界陸上、08年北京五輪と2年連続世界王者となったエストニアのゲルト・カンテル・コーチの指導を受け、メキメキと力をつけた。ドーハでは予選落ちに終わったが、昨年の東京五輪は5位、そして3度目の世界大会で頂点に立った。
この日破った大会記録(70m17)は五輪連覇を誇る名スロワー、ヴィルギリウス・アレクナ(リトアニア)が05年に作ったものだが、カンテル・コーチは世界一の座を争うライバルだった。そのアレクナ氏の息子であるマイコラス・アレクナ(リトアニア)が4投目に69m27をマークし、19歳ながら2位に食い込んだ。ライバル関係が次代へと引き継がれた大会になったのかもしれない。
■男子円盤投上位成績
1位 クリストアン・チェー(スロベニア) 71m13=大会新
2位 マイコラス・アレクナ(リトアニア) 69m27
3位 アンドリウス・グドジュス(リトアニア) 67m55
4位 ダニエル・ストール(スウェーデン) 67m10
5位 シモン・ペータション(スウェーデン) 67m00
6位 マシュー・デニー(豪州) 66m47
7位 アリン・アレクサンドル・フィルフィリカ(ルーマニア)65m57
8位 アレックス・ローズ(サモア) 65m57

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.06.29
-
2025.06.17
-
2025.06.04
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.06.30
【高校生FOCUS】男子棒高跳・井上直哉(阿南光高)「全国3冠取りたい」と意気込むボウルターは柔道黒帯
FOCUS! 高校生INTERVIEW 井上直哉 Inoue Naoya 阿南光高3徳島 注目の高校アスリートに焦点を当てる高校生FOCUS。今回はインターハイ徳島県大会男子棒高跳で5m21の県高校新記録をマークし、続く […]
2025.06.30
【学生長距離Close-upインタビュー】急成長を続ける大東大・大濱逞真 「自信を持ってエースと言えるように」
学生長距離Close-upインタビュー 大濱逞真 Ohama Takuma 大東大2年 「月陸Online」限定で大学長距離選手のインタビューをお届けする「学生長距離Close-upインタビュー」。49回目は、大東大の大 […]
2025.06.30
64年東京五輪5000m銅のデリンジャー氏が死去 91歳 米国代表やオレゴン大コーチも務める
6月27日、米国の元長距離選手で、後にコーチとしても活躍したビル・デリンジャー氏が逝去した。91歳だった。 デリンジャー氏は5000mで3大会連続してオリンピックに出場(1956年メルボルン、1960年ローマ、1964年 […]
2025.06.30
100mトンプソンが世界歴代6位の9秒75!! シェリー・アンも最後の国内選手権で3位/ジャマイカ選手権
東京世界選手権の代表選考会となるジャマイカ選手権が6月26日から29日にキングストンで開催された。 男子100mはK.トンプソンが世界歴代6位、今季世界最高の9秒75(+0.8)で優勝した。トンプソンは現在23歳。これま […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会