2022.04.28
FOCUS! 高校生INTERVIEW
田中美憂 Tanaka Miyuu
松山女3埼玉
活躍中の注目高校アスリートをフォーカスして紹介! 今回は昨年10月のU18大会女子三段跳で高校歴代8位、高2歴代2位の12m79をマークして優勝した田中美憂選手(松山女3埼玉)にインタビューしました。今シーズンはあと17cmと迫る高校記録の更新はもちろん、その先の大台到達を見据えている様子。そんな注目ジャンパーは、意外な方法で跳躍練習をしているそうです。
冬に本格的なウエイトトレーニング
――冬季練習は順調にこなせましたか。
田中 1年生の時の冬季練習は部活動の制限が多くてそれほど練習できなかったのですが、この冬にやっと、本格的にウエイトトレーニングができました。ウエイトをメインにやってきて、3月の日本室内大阪大会(以下大阪室内)では優勝(12m47の大会新)してその成果が見られたので良かったです。周りからは「太くなったな」と言われます。いい意味で(笑)。
――長所を伸ばす取り組みは何か実施しましたか。
田中 身長(175cm)でほかの選手に比べて恵まれていると思うので、それを最大限使えるように、多くの先生からご指導いただきました。身体の使い方がうまい方じゃないので、上半身との連動がまだまだできていなくて、下半身だけじゃダメなんだなと改めて気づくことができました。埼玉には詳しい先生が多くて、顧問の清水嘉彦先生のつながりでいろんな先生に教わることができました。藤田弥生先生もその一人で、昨年の8月まで県高校記録(12m57)を持っていました。ただ、学校に跳躍ができる砂場がないんです。平日は、朝練習でマットに飛び込む感じで軽く跳ぶ程度。休日に近くの競技場で跳んでいます。
――昨年は秋にグンと伸びました。
田中 自分でもびっくりしています。インターハイでなんとか8位になった後、U18大会では絶対に1位を取る!という気持ちで練習をがんばりました。何が要因か、自分でも詳しくはわかりませんが、埼玉県新人で40cmくらい自己ベストが伸びて驚きです。
――その後のU18大会で12m79。高校記録(12m96)更新は射程圏ですか。
田中 もちろん高校記録を更新したいのですが、「13」という数字にこだわっていきたいです。本当は、U18大会の4本目に高校新を跳びたかったです。でも、どこか力んでしまって、まだまだだなとその時は思いました(※U18大会は4回試技で、田中選手は3本目に12m79/+1.9をマーク、4回目は12m69/+2.9)。

記録は織田記念か埼玉県大会で
――大阪室内で課題はありましたか。
田中 助走は走れていたのですが、室内の路面の感覚が合わなくて、反発に負けてしまった面がありました。その状況でもそれくらいは跳べるんだと思いました。4月10日の記録会は「中助走で12m」を目標に出場して12m05でした。ステップを一つひとつ踏んでいます。
――手応えがありそうですね。
田中 冬季を経て、大阪室内に出て、13mを跳べるイメージはもうできています。あとは狙いの大会にピークを合わせて、跳びたいですね。狙いたいのは、織田記念とインターハイ埼玉県大会です。
――あこがれの選手はいますか。
田中 森本麻里子(内田建設AC)さんと剱持早紀さんです。剱持さんは三段跳を始めたころからのあこがれで、力みのない流れるような跳躍がすごい。森本さんは大阪室内で初めて近くで跳躍を見て、パワーに圧倒されました。
――今季の目標を教えてください。
田中 徳島インターハイで13mを跳んで、清水先生に金メダルをかけることです!
――走幅跳も楽しみですね。
田中 ひそかにメダルを狙っています。まずは6mを目指していきたい。でも、あまり練習していなので、今は勢いだけで跳んでいます(笑)。

◎たなか・みゆう/2004年4月21日生まれ。埼玉・坂戸中→松山女高。中学時代は短距離がメインだったが、高校入学後に顧問の清水嘉彦先生から勧められたことをきっかけに三段跳を始める。高1のベストは11m80。高2の昨シーズンはインターハイ埼玉県大会を優勝すると、北関東大会は2位。福井インターハイでは8位に入り、1、2年生ではただ1人入賞を果たした。夏までの自己記録は12m18だったが、秋に入って記録を伸ばし、9月下旬の埼玉県新人で12m61をマーク。U18大会でさらに18cm更新した。自己ベストは三段跳12m79(2021年)、走幅跳5m82(2021年)
構成/奥村 崇
冬に本格的なウエイトトレーニング
――冬季練習は順調にこなせましたか。 田中 1年生の時の冬季練習は部活動の制限が多くてそれほど練習できなかったのですが、この冬にやっと、本格的にウエイトトレーニングができました。ウエイトをメインにやってきて、3月の日本室内大阪大会(以下大阪室内)では優勝(12m47の大会新)してその成果が見られたので良かったです。周りからは「太くなったな」と言われます。いい意味で(笑)。 ――長所を伸ばす取り組みは何か実施しましたか。 田中 身長(175cm)でほかの選手に比べて恵まれていると思うので、それを最大限使えるように、多くの先生からご指導いただきました。身体の使い方がうまい方じゃないので、上半身との連動がまだまだできていなくて、下半身だけじゃダメなんだなと改めて気づくことができました。埼玉には詳しい先生が多くて、顧問の清水嘉彦先生のつながりでいろんな先生に教わることができました。藤田弥生先生もその一人で、昨年の8月まで県高校記録(12m57)を持っていました。ただ、学校に跳躍ができる砂場がないんです。平日は、朝練習でマットに飛び込む感じで軽く跳ぶ程度。休日に近くの競技場で跳んでいます。 ――昨年は秋にグンと伸びました。 田中 自分でもびっくりしています。インターハイでなんとか8位になった後、U18大会では絶対に1位を取る!という気持ちで練習をがんばりました。何が要因か、自分でも詳しくはわかりませんが、埼玉県新人で40cmくらい自己ベストが伸びて驚きです。 ――その後のU18大会で12m79。高校記録(12m96)更新は射程圏ですか。 田中 もちろん高校記録を更新したいのですが、「13」という数字にこだわっていきたいです。本当は、U18大会の4本目に高校新を跳びたかったです。でも、どこか力んでしまって、まだまだだなとその時は思いました(※U18大会は4回試技で、田中選手は3本目に12m79/+1.9をマーク、4回目は12m69/+2.9)。
記録は織田記念か埼玉県大会で
――大阪室内で課題はありましたか。 田中 助走は走れていたのですが、室内の路面の感覚が合わなくて、反発に負けてしまった面がありました。その状況でもそれくらいは跳べるんだと思いました。4月10日の記録会は「中助走で12m」を目標に出場して12m05でした。ステップを一つひとつ踏んでいます。 ――手応えがありそうですね。 田中 冬季を経て、大阪室内に出て、13mを跳べるイメージはもうできています。あとは狙いの大会にピークを合わせて、跳びたいですね。狙いたいのは、織田記念とインターハイ埼玉県大会です。 ――あこがれの選手はいますか。 田中 森本麻里子(内田建設AC)さんと剱持早紀さんです。剱持さんは三段跳を始めたころからのあこがれで、力みのない流れるような跳躍がすごい。森本さんは大阪室内で初めて近くで跳躍を見て、パワーに圧倒されました。 ――今季の目標を教えてください。 田中 徳島インターハイで13mを跳んで、清水先生に金メダルをかけることです! ――走幅跳も楽しみですね。 田中 ひそかにメダルを狙っています。まずは6mを目指していきたい。でも、あまり練習していなので、今は勢いだけで跳んでいます(笑)。
◎たなか・みゆう/2004年4月21日生まれ。埼玉・坂戸中→松山女高。中学時代は短距離がメインだったが、高校入学後に顧問の清水嘉彦先生から勧められたことをきっかけに三段跳を始める。高1のベストは11m80。高2の昨シーズンはインターハイ埼玉県大会を優勝すると、北関東大会は2位。福井インターハイでは8位に入り、1、2年生ではただ1人入賞を果たした。夏までの自己記録は12m18だったが、秋に入って記録を伸ばし、9月下旬の埼玉県新人で12m61をマーク。U18大会でさらに18cm更新した。自己ベストは三段跳12m79(2021年)、走幅跳5m82(2021年)
構成/奥村 崇 RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.22
佐久長聖1年の橋本蒼平が5000m14分30秒50でトップ/SGH文スポ チャレンジ
-
2025.12.22
-
2025.12.22
-
2025.12.22
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
2025.12.21
【大会結果】第76回全国高校駅伝・男子(2025年12月21日)
2025.12.21
800m日本記録保持者・久保凛が最後の都大路で9人抜きの激走! /全国高校駅伝・女子
-
2025.12.21
-
2025.12.20
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
-
2025.12.21
-
2025.12.21
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.22
佐久長聖1年の橋本蒼平が5000m14分30秒50でトップ/SGH文スポ チャレンジ
12月23日、滋賀県守山市のSGホールディングスグループ陸上競技場で令和7年度SGH文スポ チャレンジ競技会が開催された。 同大会は主に前日の全国高校駅伝(男子)に出場した学校のうち、出走できなかった選手たちを中心に参加 […]
2025.12.22
箱根駅伝Stories/継続中最長シード・東洋大 激動のシーズンに高まる結束力 2年生世代が台頭
新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 「チームのために走る」 20年連続で箱根駅伝のシード権を守り続けてい […]
2025.12.22
箱根駅伝Stories/悔しさを味わってきた東農大・原田洋輔 「がっつり爪痕を残したい」 地元・戸塚で貢献を
新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 身近にあった箱根駅伝 10月の箱根駅伝予選会で東農大は6位を占め、2 […]
2025.12.22
箱根駅伝Stories/ハーフで強さ示してきた帝京大・島田晃希 「エース区間を走りたい」期待の“大器”最後の舞台へ
新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 身近にあった箱根駅伝 この1年で帝京大の長距離種目の歴代記録がガラリ […]
2025.12.22
大学対校男女混合駅伝のアンバサダーに堀未央奈が就任!来年2月15日開催、22チーム出場
第6回全国大学対校男女混合駅伝の大会要項が公開され、大会アンバサダーに元乃木坂46の堀未央奈さんが選ばれた。 堀さんは乃木坂46の2期生として加入し、『バレッタ』でセンターを務めるなど人気メンバーとして活躍。21年3月に […]
Latest Issue
最新号
2026年1月号 (12月12日発売)
箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳
