2019.12.08
【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!!
アディダスの「Adizero Japan 5」
年末年始の駅伝を前に、アディダス ジャパンは「Adizero(アディゼロ)」シリーズの日本限定モデル「ADIZERO EVERGREEN PACK(アディゼロ エバーグリーンパック)」を発売する。その中で「Adizero Japan(アディゼロジャパン)5」を12月10日の発売を前にトライアルできたので、履いた感想をレポートする。

アディダスの日本限定モデル「ADIZERO EVERGREEN PACK(アディゼロ エバーグリーンパック)」
前作よりドロップが1~2mmアップ
ミッドソールには新素材を採用
アディゼロジャパンと言えば、2008年にハイレ・ゲブルセラシェ(エチオピア)が2時間3分59秒の世界新記録(当時)を打ち立てた時に履いていたモデルだ。あれから11年が経ち、5作目となった今回はいくつもの新テクノロジーが搭載されている。
シューズクリエイターである大森敏明氏が日本人ランナーの走り方を調査したところ、近年はフォアフットから接地する選手が増えていることがわかったという。そこで、「ADIZERO EVERGREEN PACK」に共通する特徴として、前作よりもドロップ(前足部と踵の高低差)を1~2mmアップさせたマイクロフィットラストを採用。0.01mm単位までこだわり、従来のフィット感を保ちながらも推進力を生み出す設計にしている。

0.01mm単位までこだわった「マイクロフィットラスト」はシューズクリエイターの大森敏明氏が監修
また、ミッドソールの素材として「LIGHTSTRIKE(ライトストライク)」が採用されていることにも注目。一般的な衝撃吸収素材であるEVAに比べて40%軽量で、アディダスの「BOUNCEフォーム」よりも高い反発力を持つという。
一方で、ヒールストライク(踵接地)のランナーにも対応できるよう、踵部分にはBOOST(ブースト)フォームを搭載。各素材の長所を生かした構造となっている。

BOOSTフォームを踵部分のみ搭載し、ヒールストライクにも対応している。その上部にある新素材「LIGHTSTRIKE(ライトストライク)」がミッドソール全体をカバーする
ライトストライクとBOOSTが
安定性と高反発を実現
では、実際の走り心地はどうか。まず、サイズ感としては0.5cm小さいものをチョイスしたほうがフィットする印象だ。幅もそこまで狭いわけではないので、「狭すぎて履けない」という心配はないだろう。
軽く走ってみると、まずドロップによる推進力を強く感じた。足を通した時はフラットソールかと思ったが、ソール全体が軽く傾斜しているので、走ると自然に次の一歩が誘導される。
そして、最も強く感じたのは安定性だ。ライトストライクは素材としては硬めの印象で、沈み込みなども少なく、地面に伝えた力をダイレクトに反発へと変換してくれる。アディダス側の説明でもライトストライクはBOOSTフォームの課題である安定性を向上させたとあったが、まさにそのコンセプト通りに、グラつかず、安定した接地感を実現している。
その陰で、踵のBOOSTフォームもいい仕事をしている。ゆっくり走る時は接地を優しくサポート。スピードを上げるとライトストライクの稼働率が上がるので高反発となる。さまざまなスピードに対応できるモデルと言えそうだ。

ミッドソールに組み込まれた「トルションシステム」とグリップ力の高い「コンチネンタルラバー」で快適な走りを実現する
抜群の使い勝手
ダッシュからロングランまで1足で対応
今回の「ADIZERO EVERGREEN PACK」で展開されるモデルは以下の4種類だ。

Adizero Japan 5(14,000円)

Adizero Takumi Sen 6(16,000円)

Adizero RC(9,490円)

Adizero Bekoji(8,490円) ※価格はすべて税別
この中でトップランナーがトラックレースや駅伝などで使用するのはAdizero Takumi Sen 6になるだろう。では、Adizero Japan 5はどういうポジションなのか?
その最大の特徴は「使い勝手の良さ」だと思う。重量を測定すると25.0cmで199gだから、際立って軽いわけではない。ゆっくり走った時の接地感が優しいと言っても、同じアディダスの「ソーラーブースト」や「ウルトラブースト」のほうがクッション性は高いだろう。
しかし、このアディゼロジャパン5が際立っているのはトータルのバランスだ。ジョグも、ダッシュも、スピード練習も、距離走も、どれも高水準でこなせる対応力の広さがある。実際、トラックで1000mや400mなどを走ってみても、1km3分20秒程度のスピードでもストレスを感じない。レースだけでなく、日々のトレーニングにも最適だ。
また、アディダス最軽量のメッシュ素材である「セラーメッシュ」を含め、耐久性も高い印象を受ける。短距離やハードル、フィールド種目(跳躍、投てきなど)を専門とするアスリートも、冬季の走り込み用として活用できるだろう。

アッパーにはアディダス最軽量のメッシュ素材である「セラーメッシュ」を採用
抜群の使い勝手ゆえに、1足持っておけばどんな用途にも対応できるのが頼もしい。そして、青山学院大学陸上競技部にインスパイアされた〝エバーグリーン〟を基調としたデザインが否応なしにテンションを上げてくれる。この冬のパートナーとして選択肢に入れておきたい一足だ。

◎文/山本慎一郎
<関連リンク>
アディゼロ専用サイト(アディダス)
【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! アディダスの「Adizero Japan 5」
年末年始の駅伝を前に、アディダス ジャパンは「Adizero(アディゼロ)」シリーズの日本限定モデル「ADIZERO EVERGREEN PACK(アディゼロ エバーグリーンパック)」を発売する。その中で「Adizero Japan(アディゼロジャパン)5」を12月10日の発売を前にトライアルできたので、履いた感想をレポートする。
アディダスの日本限定モデル「ADIZERO EVERGREEN PACK(アディゼロ エバーグリーンパック)」
前作よりドロップが1~2mmアップ ミッドソールには新素材を採用
アディゼロジャパンと言えば、2008年にハイレ・ゲブルセラシェ(エチオピア)が2時間3分59秒の世界新記録(当時)を打ち立てた時に履いていたモデルだ。あれから11年が経ち、5作目となった今回はいくつもの新テクノロジーが搭載されている。 シューズクリエイターである大森敏明氏が日本人ランナーの走り方を調査したところ、近年はフォアフットから接地する選手が増えていることがわかったという。そこで、「ADIZERO EVERGREEN PACK」に共通する特徴として、前作よりもドロップ(前足部と踵の高低差)を1~2mmアップさせたマイクロフィットラストを採用。0.01mm単位までこだわり、従来のフィット感を保ちながらも推進力を生み出す設計にしている。
0.01mm単位までこだわった「マイクロフィットラスト」はシューズクリエイターの大森敏明氏が監修
また、ミッドソールの素材として「LIGHTSTRIKE(ライトストライク)」が採用されていることにも注目。一般的な衝撃吸収素材であるEVAに比べて40%軽量で、アディダスの「BOUNCEフォーム」よりも高い反発力を持つという。
一方で、ヒールストライク(踵接地)のランナーにも対応できるよう、踵部分にはBOOST(ブースト)フォームを搭載。各素材の長所を生かした構造となっている。
BOOSTフォームを踵部分のみ搭載し、ヒールストライクにも対応している。その上部にある新素材「LIGHTSTRIKE(ライトストライク)」がミッドソール全体をカバーする
ライトストライクとBOOSTが 安定性と高反発を実現
では、実際の走り心地はどうか。まず、サイズ感としては0.5cm小さいものをチョイスしたほうがフィットする印象だ。幅もそこまで狭いわけではないので、「狭すぎて履けない」という心配はないだろう。 軽く走ってみると、まずドロップによる推進力を強く感じた。足を通した時はフラットソールかと思ったが、ソール全体が軽く傾斜しているので、走ると自然に次の一歩が誘導される。 そして、最も強く感じたのは安定性だ。ライトストライクは素材としては硬めの印象で、沈み込みなども少なく、地面に伝えた力をダイレクトに反発へと変換してくれる。アディダス側の説明でもライトストライクはBOOSTフォームの課題である安定性を向上させたとあったが、まさにそのコンセプト通りに、グラつかず、安定した接地感を実現している。 その陰で、踵のBOOSTフォームもいい仕事をしている。ゆっくり走る時は接地を優しくサポート。スピードを上げるとライトストライクの稼働率が上がるので高反発となる。さまざまなスピードに対応できるモデルと言えそうだ。
ミッドソールに組み込まれた「トルションシステム」とグリップ力の高い「コンチネンタルラバー」で快適な走りを実現する
抜群の使い勝手 ダッシュからロングランまで1足で対応
今回の「ADIZERO EVERGREEN PACK」で展開されるモデルは以下の4種類だ。
Adizero Japan 5(14,000円)
Adizero Takumi Sen 6(16,000円)
Adizero RC(9,490円)
Adizero Bekoji(8,490円) ※価格はすべて税別
この中でトップランナーがトラックレースや駅伝などで使用するのはAdizero Takumi Sen 6になるだろう。では、Adizero Japan 5はどういうポジションなのか?
その最大の特徴は「使い勝手の良さ」だと思う。重量を測定すると25.0cmで199gだから、際立って軽いわけではない。ゆっくり走った時の接地感が優しいと言っても、同じアディダスの「ソーラーブースト」や「ウルトラブースト」のほうがクッション性は高いだろう。
しかし、このアディゼロジャパン5が際立っているのはトータルのバランスだ。ジョグも、ダッシュも、スピード練習も、距離走も、どれも高水準でこなせる対応力の広さがある。実際、トラックで1000mや400mなどを走ってみても、1km3分20秒程度のスピードでもストレスを感じない。レースだけでなく、日々のトレーニングにも最適だ。
また、アディダス最軽量のメッシュ素材である「セラーメッシュ」を含め、耐久性も高い印象を受ける。短距離やハードル、フィールド種目(跳躍、投てきなど)を専門とするアスリートも、冬季の走り込み用として活用できるだろう。
アッパーにはアディダス最軽量のメッシュ素材である「セラーメッシュ」を採用
抜群の使い勝手ゆえに、1足持っておけばどんな用途にも対応できるのが頼もしい。そして、青山学院大学陸上競技部にインスパイアされた〝エバーグリーン〟を基調としたデザインが否応なしにテンションを上げてくれる。この冬のパートナーとして選択肢に入れておきたい一足だ。
◎文/山本慎一郎
<関連リンク>
アディゼロ専用サイト(アディダス)                RECOMMENDED おすすめの記事
                Ranking 
                人気記事ランキング
            
        2025.11.02
青学大が苦戦の中で3位確保!作戦不発も「力がないチームではない」/全日本大学駅伝
- 
                            
2025.11.02
 - 
                            
2025.11.02
 
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
- 
                            
2025.11.02
 - 
                            
2025.10.18
 
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
- 
                            
2022.05.18
 - 
                            
2023.04.01
 - 
                            
2022.12.20
 - 
                            
2023.06.17
 - 
                            
2022.12.27
 - 
                            
2021.12.28
 
Latest articles 最新の記事
2025.11.04
アシックスが駅伝にリスペクトを込め、選手たちを鼓舞するランニングシューズコレクション「EKIDEN Pack」を発売
アシックスジャパンは、日本で100年以上の歴史をもつ駅伝にリスペクトを込め、選手たちを鼓舞するランニングシューズコレクション「EKIDEN Pack(エキデンパック)」9品番を、11月6日からアシックスオンライン、アシッ […]
2025.11.04
ロジスティード初制覇!前回優勝GMOが2位、初陣M&Aが初ニューイヤー、コニカミノルタら全日本復活3チーム/東日本実業団駅伝
◇第66回東日本実業団対抗駅伝(11月3日/埼玉・熊谷スポーツ文化公園競技場及び公園内特設周回コース:7区間74.6km) 第66回東日本実業団対抗駅伝が行われ、東日本枠「12」と第70回記念枠「1」(13位以下で最上位 […]
2025.11.04
“走る伝説”キプチョゲが第一線退く マラソン2時間切り、五輪2連覇 マラソン界の常識を変えた鉄人
11月2日、米国でニューヨークシティマラソンに出場したエリウド・キプチョゲ(ケニア)が、フィニッシュ後、今後はエリートレースには参加せず、新たなプロジェクト「エリウド・キプチョゲ・ワールドツアー」を始めることを発表した。 […]
2025.11.04
豊川が男女優勝 男子は2時間6分23秒で2年ぶりV 女子は序盤で主導権を握って逃げ切り4連覇/愛知県高校駅伝
全国高校駅伝の出場権を懸けた愛知県高校駅伝は11月3日、一宮市大野極楽寺公園発着木曽川沿川サイクリングコースで行われ、男女ともに豊川が制した。男子(7区間42.195km)は2時間6分23秒で2年ぶり10回目のV。女子( […]
                Latest Issue 
                最新号
            
        
            2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望