2022.02.14

今年1月の箱根駅伝で完勝した青学大において、優勝の大きな要因となったのが往路に起用された1年生コンビの奮闘だ。3区の太田蒼生は先頭を行く駒大を抜き去り、後ろから迫る東京国際大の丹所健(3年)を突き放す激走。5区の若林宏樹は落ち着いた走りでリードを拡大する働きぶりが光った。そんな2人に、初めての箱根駅伝の感想やこれまでの陸上人生、今後の意気込みについて語り合ってもらった。
構成/田中 葵
SNSのフォロワーが7倍以上に増加
―― 改めて、初めての箱根駅伝を振り返っていかがですか。
太田 僕の区間で首位に立つことは予想していませんでしたが、それができてうれしかったですね。僕の中では120%の力が出せたのかなと思っています。終盤で自分から仕掛けられたことも成長を感じられました。ここで良い走りができたので、次はこれを80%くらいの状態でも出せるようにできればと考えています。大会新記録を出せたことは、チームはもちろん、陸上界全体のレベルアップにつながると思っています。
若林 区間賞を目指していたので、(5区3位という成績は)あと少しだったなという気持ちもありますし、同学年である東海大の吉田(響)選手にも2秒差で負けたので、詰めの甘さが出たかなと思っています。ただ出雲(4区6位)、全日本(6区12位)と良い走りができなかった分、箱根でそれができましたし、往路優勝のフィニッシュテープを切れたことは、今後の陸上人生において大きく影響する経験だったなと思います。大会新、復路新での優勝は先輩方の偉大さを感じました。箱根駅伝が終わってからの反響もすごかったよね。
太田 大会前より注目されるようになったし、応援してくれる方も増えたなと感じているよ。僕は過去に何回も引っ越しをした経験があるんだけど、転校前の学校の友達からも連絡が来たり、懐かしい人からも連絡があったりしてうれしかったな。
若林 僕はファンレターをいただく機会が増えてうれしかったかな。他にも出身の和歌山県海南市の市長さんや母校の洛南高校のOB会長さん、中学・高校時代の顧問の先生からもお祝いの連絡をいただいたよ。今は地元から離れているけど、地元の応援は大きいなと改めて感じたね。
太田 SNSの反響も大きかったよね。
若林 出雲、全日本後にもSNSのフォロワーが少し増えたんだけど、箱根が終わった後は18000人くらいになった。箱根前が3000人くらいだったので6倍くらいに増えてうれしかったなぁ。
太田 僕も走る前は2000人くらいだったのが、今は15000人ぐらいまで一気に増えた。
高校時代から交流があり、何度も同じレースで戦ってきた2人。右が太田、左が若林
独走劇の口火を切った3区太田の快走
――ではレース内容を振り返っていただきます。まずは3区の太田選手にタスキが渡った時点で首位の駒大と1分02秒差、後ろからは東京国際大が追いかけてくるという展開でした。
太田 (原晋)監督からは具体的な指示というよりは、「とにかく落ち着いて行きなさい」と言われました。最初の1㎞を2分50秒くらいで入って、そこからはどこまで押していけるかという感じでした。(東京国際大の)丹所(健)さんには追いつかれると思っていたので、そこで冷静について行くだけだなと思っていました。
スタートから3.5㎞くらいで追いつかれてからは15㎞近くのデッドヒートが続いたのですが、実は序盤の遊行寺の下り坂やその周辺のアップダウンで結構ダメージがきて、そこが一番きつかったです。でも湘南海岸に出てからは余裕が出てきて、並走しながら海を見たり、富士山を眺めたりすることもできていました。
気持ち的には15㎞までついていければと思っていましたが、余裕があったので、残り3㎞で仕掛けようと考えていました。湘南大橋を渡った後にアップダウンがあって、「上りで仕掛けたらキツいだろう」と思って前に出た感じですね。
――1時間1分00秒はこれまでの日本人歴代最高(1時間1分23秒)を更新する区間歴代3位ですが、タイムに関してはどう評価しますか。
太田 丹所さんが良いペースで引っ張ってくださった部分も大きいと思います。僕はついているだけで余裕がありましたし、途中はむしろ『ちょっと遅いかな』と思っていたので、走り終わってから時計を見て壊れてるのかなと思いました(笑)。若林は3区のレースを見られなかったんだっけ?
若林 うん、ちょうどアップ中だったから見れなかったんだ。ただ蒼生が丹所さんを突き放して先頭でタスキが渡したことは付き添いの先輩から聞いて、すごいなと思っていたよ。
――大会に向けての状態を含めて、この結果をどう捉えていますか。
太田 青学大は1年間の中で箱根前しかちゃんとした調整をしないと聞いていましたが、しっかり調整できたので自信はありましたし、区間5位以内には入れるだろうなと思っていました。今シーズンでは1番調子は良かったかなと思います。
この続きは2022年2月14日発売の『月刊陸上競技3月号』をご覧ください。
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今年1月の箱根駅伝で完勝した青学大において、優勝の大きな要因となったのが往路に起用された1年生コンビの奮闘だ。3区の太田蒼生は先頭を行く駒大を抜き去り、後ろから迫る東京国際大の丹所健(3年)を突き放す激走。5区の若林宏樹は落ち着いた走りでリードを拡大する働きぶりが光った。そんな2人に、初めての箱根駅伝の感想やこれまでの陸上人生、今後の意気込みについて語り合ってもらった。
構成/田中 葵SNSのフォロワーが7倍以上に増加
―― 改めて、初めての箱根駅伝を振り返っていかがですか。太田 僕の区間で首位に立つことは予想していませんでしたが、それができてうれしかったですね。僕の中では120%の力が出せたのかなと思っています。終盤で自分から仕掛けられたことも成長を感じられました。ここで良い走りができたので、次はこれを80%くらいの状態でも出せるようにできればと考えています。大会新記録を出せたことは、チームはもちろん、陸上界全体のレベルアップにつながると思っています。若林 区間賞を目指していたので、(5区3位という成績は)あと少しだったなという気持ちもありますし、同学年である東海大の吉田(響)選手にも2秒差で負けたので、詰めの甘さが出たかなと思っています。ただ出雲(4区6位)、全日本(6区12位)と良い走りができなかった分、箱根でそれができましたし、往路優勝のフィニッシュテープを切れたことは、今後の陸上人生において大きく影響する経験だったなと思います。大会新、復路新での優勝は先輩方の偉大さを感じました。箱根駅伝が終わってからの反響もすごかったよね。太田 大会前より注目されるようになったし、応援してくれる方も増えたなと感じているよ。僕は過去に何回も引っ越しをした経験があるんだけど、転校前の学校の友達からも連絡が来たり、懐かしい人からも連絡があったりしてうれしかったな。若林 僕はファンレターをいただく機会が増えてうれしかったかな。他にも出身の和歌山県海南市の市長さんや母校の洛南高校のOB会長さん、中学・高校時代の顧問の先生からもお祝いの連絡をいただいたよ。今は地元から離れているけど、地元の応援は大きいなと改めて感じたね。太田 SNSの反響も大きかったよね。若林 出雲、全日本後にもSNSのフォロワーが少し増えたんだけど、箱根が終わった後は18000人くらいになった。箱根前が3000人くらいだったので6倍くらいに増えてうれしかったなぁ。太田 僕も走る前は2000人くらいだったのが、今は15000人ぐらいまで一気に増えた。
高校時代から交流があり、何度も同じレースで戦ってきた2人。右が太田、左が若林独走劇の口火を切った3区太田の快走
――ではレース内容を振り返っていただきます。まずは3区の太田選手にタスキが渡った時点で首位の駒大と1分02秒差、後ろからは東京国際大が追いかけてくるという展開でした。太田 (原晋)監督からは具体的な指示というよりは、「とにかく落ち着いて行きなさい」と言われました。最初の1㎞を2分50秒くらいで入って、そこからはどこまで押していけるかという感じでした。(東京国際大の)丹所(健)さんには追いつかれると思っていたので、そこで冷静について行くだけだなと思っていました。 スタートから3.5㎞くらいで追いつかれてからは15㎞近くのデッドヒートが続いたのですが、実は序盤の遊行寺の下り坂やその周辺のアップダウンで結構ダメージがきて、そこが一番きつかったです。でも湘南海岸に出てからは余裕が出てきて、並走しながら海を見たり、富士山を眺めたりすることもできていました。 気持ち的には15㎞までついていければと思っていましたが、余裕があったので、残り3㎞で仕掛けようと考えていました。湘南大橋を渡った後にアップダウンがあって、「上りで仕掛けたらキツいだろう」と思って前に出た感じですね。――1時間1分00秒はこれまでの日本人歴代最高(1時間1分23秒)を更新する区間歴代3位ですが、タイムに関してはどう評価しますか。太田 丹所さんが良いペースで引っ張ってくださった部分も大きいと思います。僕はついているだけで余裕がありましたし、途中はむしろ『ちょっと遅いかな』と思っていたので、走り終わってから時計を見て壊れてるのかなと思いました(笑)。若林は3区のレースを見られなかったんだっけ?若林 うん、ちょうどアップ中だったから見れなかったんだ。ただ蒼生が丹所さんを突き放して先頭でタスキが渡したことは付き添いの先輩から聞いて、すごいなと思っていたよ。――大会に向けての状態を含めて、この結果をどう捉えていますか。太田 青学大は1年間の中で箱根前しかちゃんとした調整をしないと聞いていましたが、しっかり調整できたので自信はありましたし、区間5位以内には入れるだろうなと思っていました。今シーズンでは1番調子は良かったかなと思います。この続きは2022年2月14日発売の『月刊陸上競技3月号』をご覧ください。RECOMMENDED おすすめの記事
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