2021.12.29
FOCUS! 高校生INTERVIEW
北川 凱 Kitagawa Gai
東海大翔洋3静岡
活躍中の注目高校アスリートをフォーカスして紹介! 今回は男子走幅跳で福井インターハイを制した北川凱選手(東海大翔洋3静岡)にインタビューしました。走幅跳で昨年7m81を跳び、三段跳でも15m79の自己記録を持つ。1学年後輩の深沢瑞樹とともに、跳躍を盛り上げてきた北川。今季の振り返りと、普段の練習で意識しているところ、今後の目標について聞きました。
インターハイ優勝も走幅跳は反省ばかり
――高校ラストだった今シーズンを振り返ってください。
北川 大阪での室内競技会で優勝できていいスタートを切れたのですが、走幅跳の調子がなかなか合わなくて、ベストも出なかったシーズンでした。結果的にインターハイは走幅跳で優勝できて、それはすごくうれしかったです。
三段跳は、冬から始めたダブルアームの完成に至っていなかったのですが、試合をこなすごとに記録が上がって、東海選手権で東海高校新記録を出せました。三段跳の成長は実感しています。
――インターハイ後の走幅跳は……。
北川 8月の東海選手権は練習しないまま出てトップ8漏れ。11月14日の西部地区月例大会に出て7m61でした。この時は、インターハイの時の動きよりはよかったです。
――インターハイの優勝が印象的でしたが、シーズン通しての走幅跳は反省点が多いようですね。自己記録も昨年の7m81に届きませんでした。
北川 余計な動きを意識してしまいました。自分としては助走の加速を意識してやってきたのですが、それが逆に、身体が前傾して脚が流れる結果になっていたんです。ピッチが上がらないまま踏み切り動作に入っていました。東海大翔洋では、シーズンを振り返ってレポートを書くのですが、それを書く過程で動画を確認して、自分で発見できました。
冬季練習へ向けて、自分の中のちょっとしたテーマに「リード脚で走ろう!」があります。リード脚と支持脚のタイミングを合わせる、ということです。それからバウンディングに重点的に取り組んでいます。三段跳の練習になると同時に、腕と脚のタイミングを合わせる練習にもなるので、スプリントにもつながってくる練習になります。キーワードは「タイミング」です。
二刀流で将来の夢は五輪
――普段から自分で課題を発見しているのですね。
北川 試合の動画が全部スマートフォンに残っているので、レポートを書く時にひと通り見て、足が接地した時にリード脚がどの位置にあるかを確認しました。
――東海大翔洋の練習は活気がありますよね。
北川 先輩・後輩の仲がよくて、先輩が優しいから後輩も生き生きしています。自分たちが下級生だった頃の先輩も優しかったですよ。
――後輩で、同じく走幅跳の深沢瑞樹選手、800mでインターハイ優勝の兵藤ジュダ選手とも仲が良いとか。
北川 (深沢)瑞樹とは家が近くて、同じスクールバスで登下校するんです。隣に座って帰ることもありますよ。自分がボケて、瑞樹がツッコミを入れる関係です(笑)。一緒にいる時間が長いので、仲が深まり、刺激し合ってやってきた仲間です。
ジュダは2年間クラスが一緒で、ワイワイ楽しくやっています。実は、僕は中1の時に1500mをやっていて、隣の中学のジュダが走るのを見ていました。あの時は次元が違いましたね。インターハイでは三段跳の予選後に駆け足で応援に行って、800mにはギリギリ間に合いました。
――今後の目標を教えてください!
北川 東海大に進学します。大学1年目から記録を出せる選手を目指しているので、高校でしっかり冬季練習を積みたいと思います。走幅跳と三段跳の両方をずっとやっていきたい。まずはどっちもU20日本記録(8m12、16m35)を狙います。伊藤陸さん(近大高専)が「8m&17m」を達成しましたが、自分もそれを目指します!
――もう少し先の将来は何を描いていますか?
北川 オリンピックに出たい気持ちが第一にあって、その先は、陸上が好きなので陸上競技に関わる仕事をしたいです。大学ではコーチングなどスポーツに関わる学科なので、そこで学びながら決めていきたい。自分の経験を次世代に伝えていくような仕事に就ければいいなと思っています。
◎きたがわ・がい/2003年7月21日生まれ。静岡県出身。清水六中(静岡)→東海大翔洋高(静岡)。中1の時は1500mの選手で、2年頃から跳躍に取り組み始め、3年時の全中走幅跳では4位。高1の国体(B)走幅跳2位、U18日本選手権2位と活躍する。昨年9月には走幅跳で7m81(高2歴代3位)をマーク。今年の福井インターハイで走幅跳で優勝し、後輩の深沢瑞樹とワンツーを果たした。三段跳でも15m79の自己記録を持つ。
構成/奥村 崇

インターハイ優勝も走幅跳は反省ばかり
――高校ラストだった今シーズンを振り返ってください。 北川 大阪での室内競技会で優勝できていいスタートを切れたのですが、走幅跳の調子がなかなか合わなくて、ベストも出なかったシーズンでした。結果的にインターハイは走幅跳で優勝できて、それはすごくうれしかったです。 三段跳は、冬から始めたダブルアームの完成に至っていなかったのですが、試合をこなすごとに記録が上がって、東海選手権で東海高校新記録を出せました。三段跳の成長は実感しています。 ――インターハイ後の走幅跳は……。 北川 8月の東海選手権は練習しないまま出てトップ8漏れ。11月14日の西部地区月例大会に出て7m61でした。この時は、インターハイの時の動きよりはよかったです。 ――インターハイの優勝が印象的でしたが、シーズン通しての走幅跳は反省点が多いようですね。自己記録も昨年の7m81に届きませんでした。 北川 余計な動きを意識してしまいました。自分としては助走の加速を意識してやってきたのですが、それが逆に、身体が前傾して脚が流れる結果になっていたんです。ピッチが上がらないまま踏み切り動作に入っていました。東海大翔洋では、シーズンを振り返ってレポートを書くのですが、それを書く過程で動画を確認して、自分で発見できました。 冬季練習へ向けて、自分の中のちょっとしたテーマに「リード脚で走ろう!」があります。リード脚と支持脚のタイミングを合わせる、ということです。それからバウンディングに重点的に取り組んでいます。三段跳の練習になると同時に、腕と脚のタイミングを合わせる練習にもなるので、スプリントにもつながってくる練習になります。キーワードは「タイミング」です。
二刀流で将来の夢は五輪
――普段から自分で課題を発見しているのですね。 北川 試合の動画が全部スマートフォンに残っているので、レポートを書く時にひと通り見て、足が接地した時にリード脚がどの位置にあるかを確認しました。 ――東海大翔洋の練習は活気がありますよね。 北川 先輩・後輩の仲がよくて、先輩が優しいから後輩も生き生きしています。自分たちが下級生だった頃の先輩も優しかったですよ。 ――後輩で、同じく走幅跳の深沢瑞樹選手、800mでインターハイ優勝の兵藤ジュダ選手とも仲が良いとか。 北川 (深沢)瑞樹とは家が近くて、同じスクールバスで登下校するんです。隣に座って帰ることもありますよ。自分がボケて、瑞樹がツッコミを入れる関係です(笑)。一緒にいる時間が長いので、仲が深まり、刺激し合ってやってきた仲間です。 ジュダは2年間クラスが一緒で、ワイワイ楽しくやっています。実は、僕は中1の時に1500mをやっていて、隣の中学のジュダが走るのを見ていました。あの時は次元が違いましたね。インターハイでは三段跳の予選後に駆け足で応援に行って、800mにはギリギリ間に合いました。 ――今後の目標を教えてください! 北川 東海大に進学します。大学1年目から記録を出せる選手を目指しているので、高校でしっかり冬季練習を積みたいと思います。走幅跳と三段跳の両方をずっとやっていきたい。まずはどっちもU20日本記録(8m12、16m35)を狙います。伊藤陸さん(近大高専)が「8m&17m」を達成しましたが、自分もそれを目指します! ――もう少し先の将来は何を描いていますか? 北川 オリンピックに出たい気持ちが第一にあって、その先は、陸上が好きなので陸上競技に関わる仕事をしたいです。大学ではコーチングなどスポーツに関わる学科なので、そこで学びながら決めていきたい。自分の経験を次世代に伝えていくような仕事に就ければいいなと思っています。
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