2021.12.27
♯5
「全日本大学駅伝の思い出は眠らない」
乃木坂46のメンバーとして活躍しながら、“駅伝好きアイドル”として『観測史上、最大風速』の注目を集める「でんちゃん」こと、佐藤楓さん。2021-22年大学駅伝シーズンを通して大会の見どころや注目選手など紹介する連載企画もいよいよ終盤を迎えた。来年正月の箱根駅伝を前に、まずは11月7日に行われた全日本大学駅伝についておさらい。箱根駅伝を占う上で大事な一戦。学生たちが日本一を目指し、誰に何を言われようと、自分の力を信じて、ベストを尽くすだけではなく、結果を求めてタスキをつないだ大会を振り返る!
駒大と青学大が史上最小差決着
みなさん、こんにちは! 乃木坂46の佐藤楓です。この時期になるとソワソワしてきます! そうです。いよいよ、来年1月2日、3日に箱根駅伝が開催されます。今回もすごく楽しみにしています。その箱根駅伝を前に、少し時間が経ちましたが、改めて11月に行われた全日本大学駅伝について少しおさらいをしたいと思います。
全日本大学駅伝は、駒澤大学が5時間12分58秒で連覇を達成しました。今年も最後まで本当にわからない展開で、最後の最後まで優勝争いがもつれましたね。優勝した駒澤大学と2位・青山学院大学との差は、なんと8秒! 106.8kmも走ってたったの8秒……。ちなみに、これは史上最小差でした。
駒澤大学は7区の田澤廉選手(3年)が区間賞を取って先頭に立ち、花尾恭輔選手(2年)にタスキをつなぎました。青山学院大学の飯田貴之選手(4年)が追いついて、このまま逆転しそうだな……と思ったのですが、最後は花尾選手が突き放したところは強さを感じました。やっぱり、田澤選手からのタスキリレーでは「トップでゴールするんだぞ!」という思いが伝わってきましたね。飯田選手のレース後のすごく悔しそうな表情がとても印象に残っています。
田澤選手に注目が集まりましたが、私は6区の安原太陽選手(2年)が優勝の立役者じゃないかなって思っています。9位で受けたタスキを4位まで上げて田澤選手につなぎました。あそこがポイントになったのではないでしょうか。
レースを振り返ると、1区では駒澤大学の1年生・佐藤条二選手が、中央大学の吉居大和選手(2年)に競り勝って区間賞でした。そして2区でさすがの走りを見せたのが順天堂大学の三浦龍司選手(2年)。私は1区に入ると予想していたのですが、2区に登場した三浦選手は、すぐに先頭集団に追いつき、途中まで集団走でした。そして最後には圧巻の抜け出し。集団でもスパートでも強くて、やっぱりオリンピアンは別格だなと感動しました。
3区でうれしかったのは岸本大紀選手(青山学院大学3年)の復活。2020年の箱根駅伝以来、1年10ヵ月ぶりの学生駅伝でしたが、区間3位でさすが『駅伝男』を証明しました。順天堂大学が3位。國學院大学は注目していた1年生の平林清澄選手が7区で区間3位、アンカーの伊地知賢造選手(2年)も区間賞と活躍して4位でした。

青学大・岸本選手の復活劇に感動!
全日本で好走した選手が箱根駅伝も注目
全体を通して印象に残ったのが出雲駅伝を制している東京国際大学の強さ。大志田秀次監督の区間配置が絶妙で、留学生のイェゴン・ヴィンセント選手(3年)をアンカーではなく3区に起用。これが的中して流れを作り、6区ではケガの心配が噂された丹所健選手(3年)も区間新記録でした。あれは誤報だったのかな? と思えるほどの力走。結果的に5位でしたが、箱根駅伝が楽しみになるレースでした。
6位の早稲田大学は5区で先頭を走るなど、見せ場を作りました。目を引いたのが井川龍人選手(3年)。2区区間2位タイと本来の力を駅伝で発揮したのは大きな収穫だったのではないでしょうか。出雲駅伝で3位だった東洋大学が10位でシード落ちしたのには衝撃を受けました。それでも、スーパールーキーの石田洸介選手が出雲に続いて区間賞を取ったのはさすがです! 宮下隼人選手(4年)、松山和希選手(2年)はまだまだ復調途上。8区に入った宮下選手が一生懸命に前を追う姿に心打たれました。
9年ぶりに伊勢路に出場した中央大学が10年ぶりにシード権を獲得。久しぶりの出場で存在感を示しました。中央大学、そして明治大学(7位)と、箱根駅伝予選会で上位通過した勢いそのままに戦った印象でした。
全日本大学駅伝でいい走りをした選手は、箱根駅伝でも主要区間を走ることが多いので、「この選手は箱根駅伝であの区間を走りそう」とイメージしながら見ていました。当日はABEMA SPORTSチャンネルで今年もゲスト解説させていただきましたが、ちゃんとできていましたか?
月陸さんの連載では(1)駒澤大学、(2)青山学院大学、(3)東京国際大学、(4)早稲田大学、(5)東洋大学、と予想していました。実はこの予想だと1、2位が的中していたのですが、ABEMA SPORTSチャンネルでは当日のエントリーを見て予想を変えて、外してしまいました! やっぱり予想通りにはいかないのが駅伝です……が、そこが魅力なのです!(笑)
月陸さんの連載、次回が年内最後! 箱根駅伝の私なりの見どころについて紹介していきます。ぜひチェックしてみてください! 恒例のあのコーナーも……?
| 佐藤 楓(さとう・かえで)/1998年3月23日生まれ。愛知県出身。161cm、A型。愛称はでんちゃん、でんじろう。サイリウムカラーは赤・赤。乃木坂46の3期生として2016年にデビュー。中学、高校とバドミントン部に所属。『帰り道は遠回りしたくなる』で初めて選抜入り。駅伝ファンとして知られ、駅伝関係の仕事も多数こなしている。10周年記念ベストアルバム『Time flies』が発売中。「乃木坂46の10年がぎゅっと詰まった素敵なアルバムです!シングルはデビュー曲から最新曲まで全部入っています。これを聴けば乃木坂46を知り尽くせると思います!」最新情報は公式HPやブログ、インスタグラムをチェック! |
構成/向永拓史 撮影/船越陽一郎
乃木坂46佐藤楓の「駅伝ちゃんねる」
♯4もうすぐ~全日本大学駅伝~
♯3出雲と予選会のこと、知ってる?
♯2お互いに支え合って箱根駅伝本戦に行こう
♯1出雲駅伝はテレビ観戦したくなる
♯5
「全日本大学駅伝の思い出は眠らない」
乃木坂46のメンバーとして活躍しながら、“駅伝好きアイドル”として『観測史上、最大風速』の注目を集める「でんちゃん」こと、佐藤楓さん。2021-22年大学駅伝シーズンを通して大会の見どころや注目選手など紹介する連載企画もいよいよ終盤を迎えた。来年正月の箱根駅伝を前に、まずは11月7日に行われた全日本大学駅伝についておさらい。箱根駅伝を占う上で大事な一戦。学生たちが日本一を目指し、誰に何を言われようと、自分の力を信じて、ベストを尽くすだけではなく、結果を求めてタスキをつないだ大会を振り返る!
駒大と青学大が史上最小差決着
みなさん、こんにちは! 乃木坂46の佐藤楓です。この時期になるとソワソワしてきます! そうです。いよいよ、来年1月2日、3日に箱根駅伝が開催されます。今回もすごく楽しみにしています。その箱根駅伝を前に、少し時間が経ちましたが、改めて11月に行われた全日本大学駅伝について少しおさらいをしたいと思います。
全日本大学駅伝を振り返ったでんちゃん!
全日本大学駅伝は、駒澤大学が5時間12分58秒で連覇を達成しました。今年も最後まで本当にわからない展開で、最後の最後まで優勝争いがもつれましたね。優勝した駒澤大学と2位・青山学院大学との差は、なんと8秒! 106.8kmも走ってたったの8秒……。ちなみに、これは史上最小差でした。
駒澤大学は7区の田澤廉選手(3年)が区間賞を取って先頭に立ち、花尾恭輔選手(2年)にタスキをつなぎました。青山学院大学の飯田貴之選手(4年)が追いついて、このまま逆転しそうだな……と思ったのですが、最後は花尾選手が突き放したところは強さを感じました。やっぱり、田澤選手からのタスキリレーでは「トップでゴールするんだぞ!」という思いが伝わってきましたね。飯田選手のレース後のすごく悔しそうな表情がとても印象に残っています。
田澤選手に注目が集まりましたが、私は6区の安原太陽選手(2年)が優勝の立役者じゃないかなって思っています。9位で受けたタスキを4位まで上げて田澤選手につなぎました。あそこがポイントになったのではないでしょうか。
駒大・優勝の立役者に選んだのは6区の安原選手
レースを振り返ると、1区では駒澤大学の1年生・佐藤条二選手が、中央大学の吉居大和選手(2年)に競り勝って区間賞でした。そして2区でさすがの走りを見せたのが順天堂大学の三浦龍司選手(2年)。私は1区に入ると予想していたのですが、2区に登場した三浦選手は、すぐに先頭集団に追いつき、途中まで集団走でした。そして最後には圧巻の抜け出し。集団でもスパートでも強くて、やっぱりオリンピアンは別格だなと感動しました。
3区でうれしかったのは岸本大紀選手(青山学院大学3年)の復活。2020年の箱根駅伝以来、1年10ヵ月ぶりの学生駅伝でしたが、区間3位でさすが『駅伝男』を証明しました。順天堂大学が3位。國學院大学は注目していた1年生の平林清澄選手が7区で区間3位、アンカーの伊地知賢造選手(2年)も区間賞と活躍して4位でした。
青学大・岸本選手の復活劇に感動!
全日本で好走した選手が箱根駅伝も注目
全体を通して印象に残ったのが出雲駅伝を制している東京国際大学の強さ。大志田秀次監督の区間配置が絶妙で、留学生のイェゴン・ヴィンセント選手(3年)をアンカーではなく3区に起用。これが的中して流れを作り、6区ではケガの心配が噂された丹所健選手(3年)も区間新記録でした。あれは誤報だったのかな? と思えるほどの力走。結果的に5位でしたが、箱根駅伝が楽しみになるレースでした。 6位の早稲田大学は5区で先頭を走るなど、見せ場を作りました。目を引いたのが井川龍人選手(3年)。2区区間2位タイと本来の力を駅伝で発揮したのは大きな収穫だったのではないでしょうか。出雲駅伝で3位だった東洋大学が10位でシード落ちしたのには衝撃を受けました。それでも、スーパールーキーの石田洸介選手が出雲に続いて区間賞を取ったのはさすがです! 宮下隼人選手(4年)、松山和希選手(2年)はまだまだ復調途上。8区に入った宮下選手が一生懸命に前を追う姿に心打たれました。 9年ぶりに伊勢路に出場した中央大学が10年ぶりにシード権を獲得。久しぶりの出場で存在感を示しました。中央大学、そして明治大学(7位)と、箱根駅伝予選会で上位通過した勢いそのままに戦った印象でした。 全日本大学駅伝でいい走りをした選手は、箱根駅伝でも主要区間を走ることが多いので、「この選手は箱根駅伝であの区間を走りそう」とイメージしながら見ていました。当日はABEMA SPORTSチャンネルで今年もゲスト解説させていただきましたが、ちゃんとできていましたか? 月陸さんの連載では(1)駒澤大学、(2)青山学院大学、(3)東京国際大学、(4)早稲田大学、(5)東洋大学、と予想していました。実はこの予想だと1、2位が的中していたのですが、ABEMA SPORTSチャンネルでは当日のエントリーを見て予想を変えて、外してしまいました! やっぱり予想通りにはいかないのが駅伝です……が、そこが魅力なのです!(笑) 月陸さんの連載、次回が年内最後! 箱根駅伝の私なりの見どころについて紹介していきます。ぜひチェックしてみてください! 恒例のあのコーナーも……?
★明日は箱根駅伝の注目ポイントを紹介します!★
| 佐藤 楓(さとう・かえで)/1998年3月23日生まれ。愛知県出身。161cm、A型。愛称はでんちゃん、でんじろう。サイリウムカラーは赤・赤。乃木坂46の3期生として2016年にデビュー。中学、高校とバドミントン部に所属。『帰り道は遠回りしたくなる』で初めて選抜入り。駅伝ファンとして知られ、駅伝関係の仕事も多数こなしている。10周年記念ベストアルバム『Time flies』が発売中。「乃木坂46の10年がぎゅっと詰まった素敵なアルバムです!シングルはデビュー曲から最新曲まで全部入っています。これを聴けば乃木坂46を知り尽くせると思います!」最新情報は公式HPやブログ、インスタグラムをチェック! |
乃木坂46佐藤楓の「駅伝ちゃんねる」
♯4もうすぐ~全日本大学駅伝~
♯3出雲と予選会のこと、知ってる?
♯2お互いに支え合って箱根駅伝本戦に行こう
♯1出雲駅伝はテレビ観戦したくなる RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.11.24
女子はレムンゴルが2連覇達成 男子はサミュエルがV/全米学生クロカン
2025.11.24
七種競技女王・ホール NFLスター選手と婚約発表 マクローリン・レヴロンらも祝福
2025.11.24
バットクレッティ 今季初V 男子はキプサングがツアー3勝目/WAクロカンツアー
-
2025.11.24
-
2025.11.20
-
2025.11.20
-
2025.11.02
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.11.24
女子はレムンゴルが2連覇達成 男子はサミュエルがV/全米学生クロカン
11月22日、米国ミズーリ州コロンビアで全米学生クロスカントリー選手権が行われ、女子(6km)はD.レムンゴル(アラバマ大/ケニア)が18分25秒4で連覇を飾った。 レムンゴルはケニア出身の23歳。23年秋にアラバマ大に […]
2025.11.24
七種競技女王・ホール NFLスター選手と婚約発表 マクローリン・レヴロンらも祝福
女子七種競技東京世界選手権金メダリストのA.ホール(米国)が婚約を自身のSNSで発表した。お相手はNFL選手でニューヨーク・ジャイアンツ所属のダリアス・スレイトンさん。「初めて出会った場所で、永遠を誓う」というテキストと […]
2025.11.24
バットクレッティ 今季初V 男子はキプサングがツアー3勝目/WAクロカンツアー
11月23日、世界陸連(WA)クロスカントリーツアー・ゴールド第6戦のアタプエルカ国際クロスがスペイン・アタプエルカで行われ、女子(6.821km)はパリ五輪・東京世界選手権10000m銀メダリストのN.バットクレッティ […]
2025.11.24
円盤投・湯上剛輝が2大会ぶり世界一「やっと取れた」デフリンピック新の58m93
聴覚障害者のスポーツ国際大会、デフリンピックの陸上競技が行われ、男子円盤投の湯上剛輝(トヨタ自動車)が金メダルを獲得した。 64m48の日本記録を持ち、今年の東京世界選手権にも出場した湯上。「理想の展開としては1回目にし […]
2025.11.24
3区で五島莉乃と廣中璃梨佳が熱走!東京世界陸上はじめ「日本代表」たちが力走/クイーンズ駅伝
◇第45回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝:11月23日/宮城・松島町文化観光交流館前~弘進ゴムアスリートパーク仙台、6区間42.195km) 女子駅伝日本一を懸けた全日本実業団対抗女子駅伝が行われ、「日本代表」 […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025