女子長距離でオリンピックに4大会連続で出場した39歳の福士加代子(ワコール)が12月22日、来年1月の2レースを最後に第一線を退くことを所属先を通じて発表した。
1982年3月生まれで、青森・五所川原工高から2000年にワコールに入社。01年に3000m、5000m、10000mの3種目でジュニア日本新記録を打ち立てて頭角を現した。
02年の日本選手権で5000mと10000mで2冠を獲得。同年10月の釜山アジア大会では、5000mでは自身が7月にマークした日本記録を0.02秒更新する14分55秒19をマーク。10000mでは日本歴代2位の30分51秒81でいずれも銀メダルを手にした。
初の五輪代表となった04年のアテネ大会では10000mに出場。故障を押しての出場で26位に終わったが、その後も08年北京(5000mと10000m)、12年ロンドン(5000mと10000m)に出場するなど、トラック種目で日本女子長距離界を牽引した。
初マラソンは08年の大阪国際で、この時は終盤にスタミナ切れを起こして失敗。4度目の挑戦となった13年の大阪国際で2位(後に優勝者のドーピング違反で繰り上げ優勝)に入り、同年のモスクワ世界選手権代表に選ばれた。本番では日本勢2大会ぶりのメダルとなる銅メダルを獲得した。
16年の大阪国際では優勝を果たし、リオ五輪代表に選出。4回目の五輪は14位だった。
30代後半を迎えてからも第一線で活躍。19年の名古屋ウィメンズで日本人2番目の8位に入り、東京五輪マラソン代表を決める同年9月のMGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)にも出場した。代表こそ勝ち取ることはできなかったが7位に入っている。
20年11月の全日本実業団対抗女子駅伝では「駅伝ラストラン」として、アンカー(6区)で区間2位と好走。21年も5月の日本選手権10000mに出場した。
福士は「ワコール陸上部員として22年間。私は、走ることに夢中になりました。毎日いろいろありすぎておもしろい競技生活でした」と振り返る。
残りのレースは1月16日の全国都道府県対抗女子駅伝(京都)と1月30日の大阪ハーフマラソン。「あと2つのレース、今までと変わらず全力で楽しんでいきたい」。最後までその走りに目が離せない。
●福士がチームの公式サイトに寄せたメッセージ(全文)
「来たる2022年1月30日(日)大阪ハーフマラソンを最後に一線を退くことをここに報告いたします。
ワコール陸上部員として22年間。私は、走ることに夢中になりましたっ!!
社員の皆さんを始め、たくさんの人との出会いのおかげで毎日刺激をもらい、触れ合い、じゃれ合い、いっぱい泣いて、いっぱい笑って、いっぱい叫んで…。本当、毎日いろいろありすぎておもしろい競技生活でした!!。
これまで、たっくさんの応援、ご支援をしていただき本当に感謝しております。どうもありがとうございましたっ!!
あと2つのレース、今までと変わらず全力で楽しんできたいと思いますので、福士加代子をまた応援して下さい。よろしくお願い致します。」
◎福士加代子/1982年3月25日生まれ。39歳。青森県出身。五所川原工高→ワコール。
自己ベスト
3000m8分44秒40(02年)=日本歴代2位
5000m14分53秒22(05年)=日本歴代2位
10000m30分51秒81(02年)=日本歴代4位
マラソン2時間22分17秒(16年)=日本歴代10位
オリンピック:04年アテネ、08年北京、12年ロンドン、16年リオ
世界選手権:03年パリ、05年ヘルシンキ、07年大阪、09年ベルリン、13年モスクワ

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.03.23
サニブラウンが今季初戦 200mで東京世界陸上イヤー始動
2025.03.19
出雲・全日本2冠の國學院大祝賀会に約500人! 平林清澄「次のステップへの一つの階段」
-
2025.03.18
-
2025.03.17
-
2025.03.18
2025.03.02
初挑戦の青学大・太田蒼生は途中棄権 果敢に先頭集団に挑戦/東京マラソン
2025.03.02
太田蒼生は低体温症と低血糖で途中棄権 「世界のレベルを知れて良い経験」/東京マラソン
2025.02.24
青学大新主将・黒田朝日が2時間6分05秒!先輩・若林宏樹の学生記録を上回る/大阪マラソン
-
2025.03.19
-
2025.03.02
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.03.23
インゲブリグトセン、デュプランティス、ホロウェイが貫禄勝ち! 女子60mはカンブンジが2大会ぶりV/世界室内
◇南京世界室内選手権(3月21~23日/中国・南京)2日目 世界室内選手権の2日目が行われ、男子3000mではJ.インゲブリグトセン(ノルウェー)が7分46秒09で優勝した。 インゲブリグトセンは五輪・世界選手権金メダリ […]
2025.03.23
サニブラウンが今季初戦 200mで東京世界陸上イヤー始動
3月22日、米国フロリダ州マイアミでハリケーン招待が行われ、男子200mにパリ五輪代表のサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)が出場。21秒18(+1.2)の組2着で今季初戦を終えた。1着はパリ五輪400m銀メダリスト […]
2025.03.22
ダンフィー35km競歩で2時間21分40秒の世界新!!昨年川野将虎が打ち立てた記録を7秒更新
世界陸連(WA)競歩ツアー・ゴールド大会「デュディンス50」が3月22日、スロバキアで開かれ、男子35kmでエヴァン・ダンフィー(カナダ)が2時間21分40秒の世界新記録を樹立した。 これまでの世界記録は昨年10月の日本 […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報