2021.12.21

2021年は21個もの日本記録(タイ記録含む)が誕生した。東京五輪イヤーという特別な1年に樹立された日本記録を振り返っていく。
「12秒台」がスタンダードに
一気に歴史が動いた感のある男女スプリントハードル。今年生まれた日本記録のうち、実に5個がこの種目だった。
女子100mハードルで、日本人初の12秒台をマークしたのが寺田明日香(当時・パソナグループ、現・ジャパンクリエイト)だった。元々、世界選手権に出場するトップハードラーだった寺田は、13年に一度は陸上から離れている。
その後、結婚・出産を経て7人制ラグビーに参戦。そして2019年に復帰するやいなや、8月に日本タイ記録の13秒00、9月に12秒97まで記録を塗り替えた。
その寺田の勢いが今季はさらに増す。4月の織田記念で12秒96(+1.6)と自身の日本記録を0.01秒更新。さらに6月1日の木南記念の予選で12秒87(+0.6)をマークした。決勝で12秒89(+0.3)と、あれほど日本人にとって壁だった12秒台が“当たり前”にまで引き上げている。
これに食らいついたのが青木益未(七十七銀行)で、木南記念から5日後の布勢スプリントで、寺田の日本記録に並ぶ12秒87(+1.8)を叩き出した。
青木は岡山・創志学園高1年時にインターハイ100mを制すほど、将来を期待された「スプリンター」の一人だった。高3から本格的にハードルに取り組みはじめ、実業団1年目の2017年に13秒1台まで成長。9月には100mで11秒60をマークするなど、スピードにもさらに磨きがかかった。
ここ10年は、木村文子(エディオン)と紫村仁美(東邦銀行)が世界大会に進むなど牽引してきた。東京五輪にはその木村と、寺田、青木の3人が出場。寺田は準決勝に進出した。
男子同様、進化が止まらないスプリントハードル。来年はオレゴン世界選手権の参加標準記録12秒84の複数人突破なるか!?
◇女子100mH日本歴代10傑
12.87 0.6 寺田明日香(ジャパンクリエイト) 2021.6. 1
12.87 1.8 青木 益未(七十七銀行) 2021. 6. 6
13.00 0.7 金沢イボンヌ(佐田建設) 2000. 7.16
13.00 1.5 鈴木 美帆(長谷川体育施設) 2021. 6. 6
13.02 1.4 池田久美子(スズキ) 2007. 4.29
13.02 -0.6 紫村 仁美(佐賀陸協) 2013. 6. 8
13.03 -0.6 木村 文子(エディオン) 2013. 6. 8
13.08 0.2 石野 真美(長谷川体育施設) 2006.10.22
13.13 0.5 福部 真子(日本建設工業) 2019. 9. 1
13.13 2.0 清山ちさと(いちご) 2020. 7. 18
2021年は21個もの日本記録(タイ記録含む)が誕生した。東京五輪イヤーという特別な1年に樹立された日本記録を振り返っていく。
「12秒台」がスタンダードに
一気に歴史が動いた感のある男女スプリントハードル。今年生まれた日本記録のうち、実に5個がこの種目だった。 女子100mハードルで、日本人初の12秒台をマークしたのが寺田明日香(当時・パソナグループ、現・ジャパンクリエイト)だった。元々、世界選手権に出場するトップハードラーだった寺田は、13年に一度は陸上から離れている。 その後、結婚・出産を経て7人制ラグビーに参戦。そして2019年に復帰するやいなや、8月に日本タイ記録の13秒00、9月に12秒97まで記録を塗り替えた。 その寺田の勢いが今季はさらに増す。4月の織田記念で12秒96(+1.6)と自身の日本記録を0.01秒更新。さらに6月1日の木南記念の予選で12秒87(+0.6)をマークした。決勝で12秒89(+0.3)と、あれほど日本人にとって壁だった12秒台が“当たり前”にまで引き上げている。 これに食らいついたのが青木益未(七十七銀行)で、木南記念から5日後の布勢スプリントで、寺田の日本記録に並ぶ12秒87(+1.8)を叩き出した。 青木は岡山・創志学園高1年時にインターハイ100mを制すほど、将来を期待された「スプリンター」の一人だった。高3から本格的にハードルに取り組みはじめ、実業団1年目の2017年に13秒1台まで成長。9月には100mで11秒60をマークするなど、スピードにもさらに磨きがかかった。 ここ10年は、木村文子(エディオン)と紫村仁美(東邦銀行)が世界大会に進むなど牽引してきた。東京五輪にはその木村と、寺田、青木の3人が出場。寺田は準決勝に進出した。 男子同様、進化が止まらないスプリントハードル。来年はオレゴン世界選手権の参加標準記録12秒84の複数人突破なるか!? ◇女子100mH日本歴代10傑 12.87 0.6 寺田明日香(ジャパンクリエイト) 2021.6. 1 12.87 1.8 青木 益未(七十七銀行) 2021. 6. 6 13.00 0.7 金沢イボンヌ(佐田建設) 2000. 7.16 13.00 1.5 鈴木 美帆(長谷川体育施設) 2021. 6. 6 13.02 1.4 池田久美子(スズキ) 2007. 4.29 13.02 -0.6 紫村 仁美(佐賀陸協) 2013. 6. 8 13.03 -0.6 木村 文子(エディオン) 2013. 6. 8 13.08 0.2 石野 真美(長谷川体育施設) 2006.10.22 13.13 0.5 福部 真子(日本建設工業) 2019. 9. 1 13.13 2.0 清山ちさと(いちご) 2020. 7. 18RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.12.12
-
2025.12.12
-
2025.12.12
-
2025.12.12
-
2025.12.12
-
2025.12.07
-
2025.11.20
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.12
國學院大がライフネット生命とスポンサーシップ契約「箱根路で最高の景色を見せられるよう邁進」
ライフネット生命保険株式会社は12月12日、昨年から結んでいる國學院大陸上競技部とのスポンサーシップ契約を延長したと発表した。 2008年に開業したライフネット生命は、オンライン生保のリーディングカンパニーとして知られる […]
2025.12.12
全中3000mV出田隆之助擁する中京、前回8位の大淀、戦力充実の稲美北、常盤松などが有力 14日に中学駅伝日本一決定戦/全中駅伝男子展望
第33回全国中学校駅伝が、12月14日に滋賀県の野洲市と湖南市にまたがる希望が丘文化公園で開催される。 男子6区間18km、女子5区間12kmのコースに、各都道府県代表に開催地枠を加えた男女それぞれ48チームが出場し、中 […]
2025.12.12
京山が3連覇に向けて前進 東北勢初のトップ3目指す黒石野、初出場の男山三、鶴ヶ島藤が上位候補/全中駅伝女子展望
第33回全国中学校駅伝が、12月14日に滋賀県の野洲市と湖南市にまたがる希望が丘文化公園で開催される。 男子6区間18km、女子5区間12kmのコースに、各都道府県代表に開催地枠を加えた男女それぞれ48チームが出場し、中 […]
2025.12.12
豪州で18歳・ビークロフトが10000m競歩38分02秒68のU20世界新
12月11日、豪州シドニーで、ニューサウスウェールズ州10000m競歩選手権が行われ、I.ビークロフト(豪州)が38分02秒68のU20世界新記録をマークした。 ビークロフトは2007年生まれの18歳。競歩選手だった父の […]
2025.12.12
箱根駅伝初Vへ國學院大・前田康弘監督「ジョーカーにどう立ち向かっていくか」 主将・上原琉翔「先頭でタスキを」
第102回箱根駅伝で初優勝を狙う國學院大が12月12日、都内の渋谷キャンパスで壮行会と記者会見を開いた。 例年の合同による囲み取材形式から急遽、記者会見方式への変更。前田康弘監督は「今年は今のところ16人全員が元気で良い […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025