HOME 駅伝

2021.11.08

20年ぶり3位の順大「次につながる」伊勢路ステップに07年以来の箱根V目指す/全日本大学駅伝
20年ぶり3位の順大「次につながる」伊勢路ステップに07年以来の箱根V目指す/全日本大学駅伝


◇第53回全日本大学駅伝(2021年11月7日/愛知・熱田神宮~三重・伊勢神宮:8区間106.8km)

名門が完全復活へ向けて大きな一歩を伊勢路に刻んだ。これまで箱根駅伝11回、出雲駅伝3回、そしてこの全日本大学駅伝で1度優勝を誇る順大。最終的に駒大、青学大の優勝争いに加わることはできなかったが、5時間14分20秒で3位に食い込んだ。順大の全日本大学駅伝トップ3は2001年以来、実に20年ぶり。三大駅伝で3位以内でも2007年の箱根駅伝優勝以来となる。

「5位以内、あわよくば3位以内を目指していました」。長門俊介監督は充実感を漂わせる。1区はトップから20秒差。オリンピアン・三浦龍司(2年)を2区に据えた。射程圏内だ。「まずは追いついて、そこからレースプランを考えようと思っていました」。すぐさまトップ集団に追いつくと、そこから10チームほどが集団になって進むレアな展開に。「小刻みな変動はありました。大きく切り替えるのはラストしかない」と三浦は冷静だった。残り1km付近の木曽川大橋で後続を引き離し、昨年の1区に続いて2年連続で区間賞獲得。それでも長門監督は「まだまだこんなものではない」と期待を込める

広告の下にコンテンツが続きます

その後も、伊豫田達弥(3年)が区間5位など粘りきり、7区終了時点で5位につける。アンカーに送り出したのは、指揮官が「タフなところ、長いところでの信頼度はとても高い」と言う四釜峻佑(3年)。関東インカレハーフマラソンで日本人トップの4位に入っている四釜は、「3位は死守しよう」という長門監督の声にしっかり応えた。アンカーとして「他校と競った時に走れるかどうか、一つでも順位を上げられるか。不安もありましたが、達成できてよかったです」。2つ順位を上げて、20年ぶりトップ3のフィニッシュを飾った。

今年の順大の目標は箱根駅伝総合優勝。「そのためには今回、絶対に3位以内に入らないといけないと思っていました」と四釜は言う。「優勝を意識できるタイミングもあった」と長門監督は悔しさをのぞかせる一方、「次につながる」と高く評価する。箱根駅伝に向けて、「流れが悪くなっても挽回できるチームになってきました。特殊区間もカバーできるように仕上げていきたい」と明確に“頂点”を見据えているようだ。

かつて4連覇を誇り、“復路の順大”“逆転の順大”と謳われた名門。最後に箱根を制したのは2007年で、『山の神』今井正人が5区を駆け上がり、長門監督が9区をひた走った。今年はオリンピアンがいる、復活のエースがいる、長い距離を任せられるキーマンがいる。順大は、再び頂点へ駆け上がることができるか。

◇第53回全日本大学駅伝(2021年11月7日/愛知・熱田神宮~三重・伊勢神宮:8区間106.8km) 名門が完全復活へ向けて大きな一歩を伊勢路に刻んだ。これまで箱根駅伝11回、出雲駅伝3回、そしてこの全日本大学駅伝で1度優勝を誇る順大。最終的に駒大、青学大の優勝争いに加わることはできなかったが、5時間14分20秒で3位に食い込んだ。順大の全日本大学駅伝トップ3は2001年以来、実に20年ぶり。三大駅伝で3位以内でも2007年の箱根駅伝優勝以来となる。 「5位以内、あわよくば3位以内を目指していました」。長門俊介監督は充実感を漂わせる。1区はトップから20秒差。オリンピアン・三浦龍司(2年)を2区に据えた。射程圏内だ。「まずは追いついて、そこからレースプランを考えようと思っていました」。すぐさまトップ集団に追いつくと、そこから10チームほどが集団になって進むレアな展開に。「小刻みな変動はありました。大きく切り替えるのはラストしかない」と三浦は冷静だった。残り1km付近の木曽川大橋で後続を引き離し、昨年の1区に続いて2年連続で区間賞獲得。それでも長門監督は「まだまだこんなものではない」と期待を込める その後も、伊豫田達弥(3年)が区間5位など粘りきり、7区終了時点で5位につける。アンカーに送り出したのは、指揮官が「タフなところ、長いところでの信頼度はとても高い」と言う四釜峻佑(3年)。関東インカレハーフマラソンで日本人トップの4位に入っている四釜は、「3位は死守しよう」という長門監督の声にしっかり応えた。アンカーとして「他校と競った時に走れるかどうか、一つでも順位を上げられるか。不安もありましたが、達成できてよかったです」。2つ順位を上げて、20年ぶりトップ3のフィニッシュを飾った。 今年の順大の目標は箱根駅伝総合優勝。「そのためには今回、絶対に3位以内に入らないといけないと思っていました」と四釜は言う。「優勝を意識できるタイミングもあった」と長門監督は悔しさをのぞかせる一方、「次につながる」と高く評価する。箱根駅伝に向けて、「流れが悪くなっても挽回できるチームになってきました。特殊区間もカバーできるように仕上げていきたい」と明確に“頂点”を見据えているようだ。 かつて4連覇を誇り、“復路の順大”“逆転の順大”と謳われた名門。最後に箱根を制したのは2007年で、『山の神』今井正人が5区を駆け上がり、長門監督が9区をひた走った。今年はオリンピアンがいる、復活のエースがいる、長い距離を任せられるキーマンがいる。順大は、再び頂点へ駆け上がることができるか。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.17

クイーンズ駅伝「クマ対応」出没時間によって開催・中止を本部で決定 広瀬川沿い、1区の松島町、利府町内を警戒

一般社団法人日本実業団陸上競技連合は11月17日、全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城/11月23日)における「クマ対応」を発表した。 頻発するクマによる被害を鑑みての対応。松島町の文化交流館前のスタート地点 […]

NEWS 長谷川体育施設が日本陸連のオフィシャルサポーティングカンパニーに “協働”と“共創”目指す

2025.11.17

長谷川体育施設が日本陸連のオフィシャルサポーティングカンパニーに “協働”と“共創”目指す

日本陸連は11月17日、新たな協賛企業として、スポーツ施設総合建設業の長谷川体育施設(本社・東京都世田谷区/仁ノ平俊和社長)が決定したと発表した。11月からの契約で、カテゴリーとしては「オフィシャルサポーティングカンパニ […]

NEWS 男子は東京世界陸上5000m11位のキプサング、女子はアメバウが制覇 そろってツアー2勝目/WAクロカンツアー

2025.11.17

男子は東京世界陸上5000m11位のキプサング、女子はアメバウが制覇 そろってツアー2勝目/WAクロカンツアー

世界陸連(WA)クロスカントリーツアー・ゴールドの第4戦「クロス・インターナショナル・デ・ソリア」が11月16日、スペイン北部のソリアで開催され、男子(8km)はM.キプサング(ケニア)が23分10秒で優勝した。 キプサ […]

NEWS 女子砲丸投・鞏立姣が現役引退 世界選手権2連覇含む8大会連続メダル獲得

2025.11.17

女子砲丸投・鞏立姣が現役引退 世界選手権2連覇含む8大会連続メダル獲得

女子砲丸投の五輪・世界選手権金メダリストの鞏立姣(中国)が現役を引退することがわかった。 鞏立姣は東京五輪で金メダルを獲得している36歳。世界選手権では2017年ロンドン、19年ドーハ大会で2連覇している。 18歳で初出 […]

NEWS 佐久長聖2時間4分57秒で27連覇 長野東1時間8分10秒でV17 地区代表は2年連続で長野日大&新潟一/北信越高校駅伝

2025.11.16

佐久長聖2時間4分57秒で27連覇 長野東1時間8分10秒でV17 地区代表は2年連続で長野日大&新潟一/北信越高校駅伝

北信越高校駅伝が11月16日、新潟市のデンカビッグスワンスタジアムを発着とする駅伝周回コースで行われ、男子(7区間42.195Km)は佐久長聖(長野)が2時間4分57秒で27連覇を決めた。女子(5区間21.0975Km) […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top