HOME ニュース、国内

2021.09.26

五輪2大会代表・高瀬慧が現役引退「すごく幸せで最高の時間を過ごせた」最後はマイルVで華/全日本実業団
五輪2大会代表・高瀬慧が現役引退「すごく幸せで最高の時間を過ごせた」最後はマイルVで華/全日本実業団


◇全日本実業団対抗(9月24~26日/大阪・ヤンマースタジアム長居)3日目

男子短距離を牽引してきたスプリンターがスパイクを脱いだ。12年ロンドン、16年リオと2大会でオリンピックに出場した高瀬慧(富士通)が今大会で引退。100mで10秒09、200mは日本歴代5位の20秒14を持つ名スプリンターだ。

静岡県出身で、静岡西高時代はインターハイ準決勝止まり。だが、順大に進学してからその才能が花開いた。11年に富士通に進み、同年の日本選手権は200mでリストトップとなって日本選手権を迎えた。しかし、5位に敗れて個人ではテグ世界選手権に進めず。「悔しい思いをして、勝つことができずに悩んでいました。12年にかけてはどうすれば日本選手権で勝って五輪に出られるんだろうと考えて、いろんな方に指導していただいて、12年は初めて勝つことができました」と、思い出のレースを挙げる。

広告の下にコンテンツが続きます

ロンドン五輪では準決勝に進出。世界選手権には3回出場。100m、200m、そしてマイルリレーとマルチな活躍を見せ、日本短距離に欠かせない存在だった。リオ五輪以降は「この先はないな、と新たな走りを模索しました」。結果的に、思うような結果は残せなかったが、「気づけたこと、陸上に対する知識、経験は財産になる」。

十分な実績を残しつつも、ケガなどもあり、どこか不運で、「あと一歩」という印象もあった。結果的に銀メダルを獲得した4×100mリレーでは調子が良かったもののメンバー外。だが「不運だと思ったことはありません。すごく幸せ者でした。最高の時間を過ごすことができましたし、やりきってよかったです」。全日本実業団では200mでB決勝、4×100mリレー、4×400mリレーで2冠を獲得。「最後まで真剣勝負をできた」。現役生活を通して目指してきたのは「記録よりも記憶に残る、応援背してもらえて、自分の走りでいろんな人の心を動かせる選手」というが、高瀬の走りは確かに人々の心に刻まれた。

今後は社業に専念しながら、休日などを利用して指導者としての経験を積んでいきたいという。「自分もそうでしたが、世界大会に行くと結果がついてこなかった。やっぱり強さを身につけることが、個人でファイナルを目指すための課題だと思います。タフな試合に出て、気持ち、身体のタフさを求めていってほしい」と後輩たちに「ファイナル」という夢を託した。

また、同じく富士通所属の橋元晃志も現役引退。鹿児島・川薩清修館高時代には大瀬戸一馬(小倉東高・福岡)とライバルとして活躍して、インターハイ200mで優勝。早大1年目には200mで20秒35(U20日本歴代3位)をマークした。類い希なスピードを備えたが、反面ケガに泣かされる現役生活だったが、「やりきりました」と笑顔でスパイクを脱いだ。

◇全日本実業団対抗(9月24~26日/大阪・ヤンマースタジアム長居)3日目 男子短距離を牽引してきたスプリンターがスパイクを脱いだ。12年ロンドン、16年リオと2大会でオリンピックに出場した高瀬慧(富士通)が今大会で引退。100mで10秒09、200mは日本歴代5位の20秒14を持つ名スプリンターだ。 静岡県出身で、静岡西高時代はインターハイ準決勝止まり。だが、順大に進学してからその才能が花開いた。11年に富士通に進み、同年の日本選手権は200mでリストトップとなって日本選手権を迎えた。しかし、5位に敗れて個人ではテグ世界選手権に進めず。「悔しい思いをして、勝つことができずに悩んでいました。12年にかけてはどうすれば日本選手権で勝って五輪に出られるんだろうと考えて、いろんな方に指導していただいて、12年は初めて勝つことができました」と、思い出のレースを挙げる。 ロンドン五輪では準決勝に進出。世界選手権には3回出場。100m、200m、そしてマイルリレーとマルチな活躍を見せ、日本短距離に欠かせない存在だった。リオ五輪以降は「この先はないな、と新たな走りを模索しました」。結果的に、思うような結果は残せなかったが、「気づけたこと、陸上に対する知識、経験は財産になる」。 十分な実績を残しつつも、ケガなどもあり、どこか不運で、「あと一歩」という印象もあった。結果的に銀メダルを獲得した4×100mリレーでは調子が良かったもののメンバー外。だが「不運だと思ったことはありません。すごく幸せ者でした。最高の時間を過ごすことができましたし、やりきってよかったです」。全日本実業団では200mでB決勝、4×100mリレー、4×400mリレーで2冠を獲得。「最後まで真剣勝負をできた」。現役生活を通して目指してきたのは「記録よりも記憶に残る、応援背してもらえて、自分の走りでいろんな人の心を動かせる選手」というが、高瀬の走りは確かに人々の心に刻まれた。 今後は社業に専念しながら、休日などを利用して指導者としての経験を積んでいきたいという。「自分もそうでしたが、世界大会に行くと結果がついてこなかった。やっぱり強さを身につけることが、個人でファイナルを目指すための課題だと思います。タフな試合に出て、気持ち、身体のタフさを求めていってほしい」と後輩たちに「ファイナル」という夢を託した。 また、同じく富士通所属の橋元晃志も現役引退。鹿児島・川薩清修館高時代には大瀬戸一馬(小倉東高・福岡)とライバルとして活躍して、インターハイ200mで優勝。早大1年目には200mで20秒35(U20日本歴代3位)をマークした。類い希なスピードを備えたが、反面ケガに泣かされる現役生活だったが、「やりきりました」と笑顔でスパイクを脱いだ。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.15

仙台育英高・長森結愛が3000m高1歴代2位の9分04秒77! 米澤奈々香 4年ぶり自己新の5000m15分26秒64/日体大長距離競技会

11月15日、神奈川横浜市の日体大健志台陸上競技場で第324回日体大長距離競技会兼第18回NITTAIDAII Challenge Gamesが行われ、NCG女子3000mでは高校1年生の長森結愛(仙台育英高・宮城)が留 […]

NEWS 好調の楠岡由浩が1万m27分52秒09 帝京大初27分台! 高1のビリスが27分33秒99のU18世界歴代5位/日体大長距離競技会

2025.11.15

好調の楠岡由浩が1万m27分52秒09 帝京大初27分台! 高1のビリスが27分33秒99のU18世界歴代5位/日体大長距離競技会

11月15日、神奈川横浜市の日体大健志台陸上競技場で第324回日体大長距離競技会兼第18回NITTAIDAII Challenge Gamesが行われ、NCG男子10000mでは楠岡由浩(帝京大)が27分52秒09の自己 […]

NEWS 男子は宮崎日大が大会初V 飯塚が初全国 女子は神村学園がV9!北九州市立、鹿児島も都大路決める/全九州高校駅伝

2025.11.15

男子は宮崎日大が大会初V 飯塚が初全国 女子は神村学園がV9!北九州市立、鹿児島も都大路決める/全九州高校駅伝

全九州高校駅伝が11月15日、福岡県嘉麻市の嘉穂総合運動公園周辺コースで開催され、男子(7区間42.195km)は宮崎日大(宮崎)が2時間6分02秒で初優勝を飾った。女子(5区間21.0975km)は神村学園(鹿児島)が […]

NEWS レジェンド・金丸祐三さん、塚原直貴さんが参加! サニブラウンとともに陸上教室講師として/RIKUJOフェスティバル

2025.11.15

レジェンド・金丸祐三さん、塚原直貴さんが参加! サニブラウンとともに陸上教室講師として/RIKUJOフェスティバル

11月15日、日本陸連はRIKUJOフェスティバル(11月29日/東京・国立競技場)で実施する「RIKUJOスクール(子ども向け陸上教室)」の講師に、東京世界選手権代表のサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)とともに、 […]

NEWS 関大が56年ぶりV! 6区・嶋田匠海の区間新で逆転 2位関学大、3位大経大 オープン参加の青学大も好走/丹後大学駅伝

2025.11.15

関大が56年ぶりV! 6区・嶋田匠海の区間新で逆転 2位関学大、3位大経大 オープン参加の青学大も好走/丹後大学駅伝

◇丹後大学駅伝/第87回関西学生駅伝(11月15日/京都・宮津市民体育館~京丹後はごろも競技場着8区間74.7km) 11月15日、関西学生駅伝が行われ、関大が3時間45分55秒で56年ぶり12回目の優勝を飾った。 関大 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top