◇日本インカレ(9月17~19日/埼玉・熊谷スポーツ公園)2日目
第90回日本インカレ2日目に行われた男子砲丸投で、大学ルーキーのアツオビン・ジェイソン(福岡大)が快挙を成し遂げた。2回目に自身初の17m超えを見せると、4回目に17m41、5回目に17m64とさらに記録を伸ばし、1年生優勝を成し遂げた。従来のU20日本記録は17m40で、これは砲丸投元日本記録保持者の畑瀬聡が2001年の日大1年時に記録したもの。そして、その畑瀬が1年生優勝を飾って以来、いずれも20年ぶりの快挙だった。
「全体的にいい投げができました。17m50を目標にしていたのでうれしいです。チャレンジャーとして先輩たちに挑みました」
多田修平(住友電工)やハンマー投の福田翔大(日大)と同じ大阪桐蔭高出身。高2から6kgの高校記録(19m28)を塗り替え続けてきた逸材で、日本陸連ダイヤモンドアスリートにも選出されている。今年は「自分の投げができず自信をなくしていました」とシーズン序盤は苦戦。それでも、「ここまでの調整はこれまでで一番」と調子を上げて臨むことができた。
大学に入って基礎的なウエイトトレーニングも行うようになり、188cmの身体は大きくなって体重は5kg増の96kgに。この日は「砲丸を長く押せている感じがあった」と手応えをつかんだ。一方で、「6回目は投げようと焦ってしまった」と反省も忘れない。
この記録は学生歴代でも10位、そしてU20の今季世界7位に入る。ジュニア世代では世界と渡り合うことができる素質を持つことを証明したが、海外の選手たちはここから一気に記録を伸ばしてくる。過去最高レベルに到達している世界の砲丸投。東京五輪を見て「まだまだ遠い」と感じたが、将来は日本人が最も世界から遠い砲丸投で戦うことを目指している。
「世界の同世代に置いていかれないように頑張ります。まだ伸びしろはあると思っています。1年生で勝ったからには4連覇を目指します」。日本インカレ初の4連覇、日本人初の19m、そしてその先へ。将来豊かなショッットプッターはまだまだ投げ続ける。

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.05.01
坂井隆一郎、中島佑気ジョセフ、水久保漱至らがケガのため欠場/セイコーGGP
2025.05.01
アジア選手権男子400m中島佑気ジョセフが故障のため辞退 44秒台の佐藤風雅が代表入り
-
2025.05.01
-
2025.05.01
-
2025.04.30
-
2025.04.30
2025.04.29
100mH田中佑美が予選トップ通過も決勝棄権「故障ではない」昨年の結婚も明かす/織田記念
-
2025.04.28
-
2025.04.26
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.12
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.05.01
セイコーGGPトラック種目の海外選手を発表! 100mにパリ五輪4継金メダルブレーク、110mHに同7位ベネットら
日本陸連は5月1日、セイコーゴールデングランプリ2025(5月18日/東京・国立競技場)の出場選手第10弾としてトラック種目の海外選手を発表した。 男子100mには昨年のパリ五輪男子4×100mリレーで金メダルのジェロー […]
2025.05.01
東京メトロに伊東明日香が入部 「競技が続けられる環境があることに感謝」
東京メトロは5月1日、伊東明日香が入部したと発表した。今年3月31日に埼玉医科大グループを退部していた。 伊東は東京・順天高時代から全国高校駅伝に出場。東洋大進学後は全日本女子大学駅伝や富士山女子駅伝など全国大会に出走し […]
2025.05.01
九電工にケニア出身のキプンゲノ・ニアマイアが加入 ハーフマラソンなどロードが主戦場
九電工は5月1日、ケニア出身のキプンゲノ・ニアマイアが同日付で加入したと発表した。 ニアマイアはケリンゲット高出身の27歳。ハーフマラソンや10kmなどロードレースを主戦場としている。自己ベストは5000m13分57秒3 […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)