◇TWOLAPS MIDDLE DISTANCE CIRCUIT in OSAKA(8月20日/大阪・ヤンマーフィールド長居)
800m元日本記録保持者の横田真人氏(TWOLAPS TCコーチ)が仕掛け人となって開催された中距離に特化した大会「MIDDLE DISTANCE CIRCUIT」の大阪大会が行われた。
女子1000mには、東京五輪女子1500mで8位入賞の快挙を成し遂げた田中希実(豊田自動織機TC)が出場。2分37秒72をマークし、2002年に杉森美保が樹立した2分41秒08の日本記録を19年ぶりに更新した。これで1500m、3000mに続いて3種目で日本記録保持者となった。
五輪後初レースの田中。表敬訪問や取材などに追われ「朝から晩まで予定が詰まっていて、生活の隙間に練習を入れているような感じ」だったという。それでも、「質を確保できていて1000mであれば力を落とさずに出せた」と田中。「2周目くらいまでは五輪の準決勝、決勝くらいの通過でいって、ラスト400mから加速して、残り200mで上げるイメージ」と話す通り、序盤は地元・大塚高校の塩原希梨(2年)が食らいつくが、徐々にピッチアップすると、ラストは圧巻の走りで会場を沸かせた。
「最低限、日本記録は更新したいと思っていました。スピード持久力は確認できました。オリンピックを経験して気持ち、身体の両面で土台が上がったと思います」と、多忙の中での走りに納得の表情だった。レース後は「今後は800mや5000mでも」と話した田中。1500mや5000mで戦うためにも「800mで2分を切る部分を目指したい」と、800mでも日本記録(2分00秒45)の更新も視野に入れる。「5000mの練習をしながら流しで800mを2分5秒で走る力がつけば理想です」とプランを描く。
まだまだ種目の可能性についても「その時、その時で(ある種目に)注力していく部分はありますが、まずは土台となる部分を高めていきたい。世界で戦えそう、戦えたい、という種目にフォーカスしていきたい」と言う。1500mで世界の8位になろうとも、田中は選択肢を絞ることはなく、自らの無限の可能性に向かって突き進む。
◇横田氏が仕掛けた中距離特化の大会、シリーズ優勝者に100万円
TWOLAPS MIDDLE DISTANCE CIRCUITは大阪を皮切りに、9月23日に福島、そしてファイナルステージとして10月30日に東京で開催される。東京大会では各種目の王者+ワイルドカード出場で1000mで競われ、男女のシリーズ王者を決定。賞金100万円を手にすることができる。これは国内では最も高額な賞金となる。
「運営の大変さを感じましたが、やっぱりおもしろないな、と思いました」と横田氏。中距離は「日本人が戦えない種目と言われてきましたが、田中選手が切り拓いてくれた。チャンスでもあり、いいわけできない状況に立たせてもらった」と言う。今回、さまざまな演出をこらして盛り上げたが、コロナ禍ということと開始時は雨天、そして平日開催だったため「もう少したくさんの人に見てもらいたかった」とも。だが、「世界の8位が来てもそれほそ人(観客)が集まらない。これは中距離だけではなく陸上界全体の問題。それは真摯に受け止めなければいけません」と話し、「やる楽しさ、見る楽しさを伝える活動をして裾野を広げていきたい」という。
昨年のオンラインで全国順位を競い合うイベント「バーチャレ」を企画するなど、これまでもさまざまなイベントを通して陸上の楽しさを追求している横田氏。今回、五輪代表の卜部蘭(積水化学)などが小学生のレースのペースメーカーを務めるなどし、「僕らが喜んでもらえるのは一緒に走ること。活動が制限されている中で思い出になってくれれば」と話す。
「今後もこういった大会を開いていきたいので、一緒に中距離の魅力を伝えていってほしいです」と呼びかけていた。
◇TWOLAPS MIDDLE DISTANCE CIRCUIT in OSAKA(8月20日/大阪・ヤンマーフィールド長居)
800m元日本記録保持者の横田真人氏(TWOLAPS TCコーチ)が仕掛け人となって開催された中距離に特化した大会「MIDDLE DISTANCE CIRCUIT」の大阪大会が行われた。
女子1000mには、東京五輪女子1500mで8位入賞の快挙を成し遂げた田中希実(豊田自動織機TC)が出場。2分37秒72をマークし、2002年に杉森美保が樹立した2分41秒08の日本記録を19年ぶりに更新した。これで1500m、3000mに続いて3種目で日本記録保持者となった。
五輪後初レースの田中。表敬訪問や取材などに追われ「朝から晩まで予定が詰まっていて、生活の隙間に練習を入れているような感じ」だったという。それでも、「質を確保できていて1000mであれば力を落とさずに出せた」と田中。「2周目くらいまでは五輪の準決勝、決勝くらいの通過でいって、ラスト400mから加速して、残り200mで上げるイメージ」と話す通り、序盤は地元・大塚高校の塩原希梨(2年)が食らいつくが、徐々にピッチアップすると、ラストは圧巻の走りで会場を沸かせた。
「最低限、日本記録は更新したいと思っていました。スピード持久力は確認できました。オリンピックを経験して気持ち、身体の両面で土台が上がったと思います」と、多忙の中での走りに納得の表情だった。レース後は「今後は800mや5000mでも」と話した田中。1500mや5000mで戦うためにも「800mで2分を切る部分を目指したい」と、800mでも日本記録(2分00秒45)の更新も視野に入れる。「5000mの練習をしながら流しで800mを2分5秒で走る力がつけば理想です」とプランを描く。
まだまだ種目の可能性についても「その時、その時で(ある種目に)注力していく部分はありますが、まずは土台となる部分を高めていきたい。世界で戦えそう、戦えたい、という種目にフォーカスしていきたい」と言う。1500mで世界の8位になろうとも、田中は選択肢を絞ることはなく、自らの無限の可能性に向かって突き進む。
◇横田氏が仕掛けた中距離特化の大会、シリーズ優勝者に100万円
TWOLAPS MIDDLE DISTANCE CIRCUITは大阪を皮切りに、9月23日に福島、そしてファイナルステージとして10月30日に東京で開催される。東京大会では各種目の王者+ワイルドカード出場で1000mで競われ、男女のシリーズ王者を決定。賞金100万円を手にすることができる。これは国内では最も高額な賞金となる。
「運営の大変さを感じましたが、やっぱりおもしろないな、と思いました」と横田氏。中距離は「日本人が戦えない種目と言われてきましたが、田中選手が切り拓いてくれた。チャンスでもあり、いいわけできない状況に立たせてもらった」と言う。今回、さまざまな演出をこらして盛り上げたが、コロナ禍ということと開始時は雨天、そして平日開催だったため「もう少したくさんの人に見てもらいたかった」とも。だが、「世界の8位が来てもそれほそ人(観客)が集まらない。これは中距離だけではなく陸上界全体の問題。それは真摯に受け止めなければいけません」と話し、「やる楽しさ、見る楽しさを伝える活動をして裾野を広げていきたい」という。
昨年のオンラインで全国順位を競い合うイベント「バーチャレ」を企画するなど、これまでもさまざまなイベントを通して陸上の楽しさを追求している横田氏。今回、五輪代表の卜部蘭(積水化学)などが小学生のレースのペースメーカーを務めるなどし、「僕らが喜んでもらえるのは一緒に走ること。活動が制限されている中で思い出になってくれれば」と話す。
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