写真/時事
◇東京五輪(7月30日~8月8日/国立競技場)陸上競技7日目
陸上競技7日目。モーニングセッションで男子4×100mリレー予選が行われた。
悲願の金メダルを目指す日本の戦いが始まった。予選は1走・多田修平(住友電工)、2走・山縣亮太(セイコー)、3走・桐生祥秀(日本生命)、4走・小池祐貴(住友電工)のオーダーで臨み、38秒16で3着になって決勝進出を果たした。
「個人(100m)で悔しい思いをしたので予選からいいタイムで走るぞ、という気持ちで臨んだ」多田。わずかに外に膨らむが上々のスタートを切る。山縣は内側の英国に迫られる。山縣と桐生のバトンパスは少し詰まったが、桐生がさすがの走りを見せ、ジャマイカ、英国に続いて3番手まで上げてバトンをつなぐ。「桐生なのでどれだけ思いっきり出てもバトンを渡してくれる」(小池)。五輪3連覇中のジャマイカ(37秒82)、英国(38秒02)に続き、最後はイタリアを抑えて3着で粘ってフィニッシュに駆け込んだ。
「リレーの1本目だったので、どうなるかなというところはあったんですけど、走って気持ちが楽になりました」と山縣。久しぶりの2走に「慣れてきた」。リレー1本に向けて調整をしてきた桐生は「今回初めて走らせていただいて、雰囲気もわからなかったので、1本走れたのは大きな収穫かなと思います」と振り返った。
2組は中国が37秒92で1着、カナダが同タイムで2着、イタリアが37秒95で3着。米国は2・3走のバトンミスもあり、まさかの6着に終わった。2組4着(38秒06)のドイツと同5着(38秒08)のガーナがプラスで決勝に進出する。日本の予選タイムは決勝に進むチームの中で8番目。敗退した米国よりも遅いタイムでヒヤリとしたが、そこは結果論でもある。
今大会は注目を浴びた男子スプリントの厳しい戦いが続いている。男子100mでは山縣、多田、小池が予選で敗退。第1ラウンドで出場全員が姿を消すのは、1976年モントリオール大会以来45年ぶりだった。今回はファイナル進出の期待も高まっていただけに「惨敗」といえる結果になった。しかし、4×100mリレーの予選をしっかりと通過したことで、短距離チームの雰囲気は変わりつつある。
「感覚がよみがえってきた」と多田。「余計なことを考えずに夢中になって走りたい」と小池。2人は初のメダルに挑む。
そして、前回銀メダルメンバーは頼もしい。山縣は「まだバトンや個人の走りなど改善できる点がある。明日(決勝)はもうちょっと攻めて行ける。決勝ではチーム一丸となってベストレースをしたいと思うので、応援よろしくお願いします!」と力強い。
そして、日本リレーの象徴とも言える復活の桐生。「予選は安全バトン。決勝は攻める。今、日本は誰が走ることになってもアップで一緒に練習しているし、チームとして臨んでいます。走るのは4人ですが、何十人の人に支えてもらっている。その人たちにパワーをもらって走りたい」。
日本中が注目するリレー。プレッシャーはもちろんあるが、5年間、世界の頂点を目指して陸上界全体で取り組んできた。決戦は今日8月6日の夜。悲願達成へ、侍たちの最後の挑戦が始まる。

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.04.23
-
2025.04.23
-
2025.04.23
-
2025.04.17
-
2025.04.19
-
2025.04.17
-
2025.04.20
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.01
-
2025.04.12
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.23
【選手名鑑】小林 香菜
小林 香菜 KOBAYASHI KANA 大塚製薬 2001年4月44日 前橋三(群馬)→早大本庄高(埼玉)→早大 自己ベスト 5000m:15.45.68(24年) 10000m:32.22.98(24年) マラソン: […]
2025.04.23
【選手名鑑】吉川 絢斗
吉川 絢斗 YOSHIKAWA KENTO SNS: サンベルクス 2001年8月9日 中山中(神奈川)→中大横浜高(神奈川)→東学大 20kmW:1.17.38(25年) ■代表歴 世界選手権(25東京) 【年度別ベス […]
2025.04.23
【選手名鑑】近藤 亮太
近藤 亮太 Kondo Ryota SNS: 三菱重工 1999年10月5日 島原一中(長崎)→島原高(長崎)→順大 自己ベスト 5000m:13.42.08(24年) 10000m:28.16.14(23年) マラソン […]
2025.04.23
男子5000m五輪メダリストのポール・チェリモ インタビュー「マラソンで米国記録を作る」
4月上旬、フランス・パリでランニングブランド「KIPRUN(キプラン)」の新作シューズ発表イベントが行われた。KIPRUNとして過去最大となったイベントでは、カーボンプレート搭載のシューズについての説明が行われただけでな […]
2025.04.23
【世界陸上プレイバック】―95年イエテボリ―エドワーズが三段跳で世界記録の圧巻のパフォーマンス!山崎一彦が400mHで同種目初のファイナリストに
今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。 これ […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)