HOME 東京五輪、海外、五輪
DAY7ハイライト/砲丸投クルーザー五輪新でV急逝した祖父思い涙の連覇!110mHは波乱、十種ワーナー五輪新で王座
DAY7ハイライト/砲丸投クルーザー五輪新でV急逝した祖父思い涙の連覇!110mHは波乱、十種ワーナー五輪新で王座


写真/時事

陸上競技7日目も海外勢が「世界の力」を見せる圧巻のパフォーマンスを繰り広げた。

史上最高レベルの戦いが予想されていた男子砲丸投。今季31年ぶりに世界記録を塗り替えたR.クルーザー(米国)が快投を連発する。1回目に22m83と自身が持つ五輪記録(22m52)をオーバーすると、2回目に22m93とさらに記録を伸ばす。3~5回目も従来の五輪記録を上回った。

広告の下にコンテンツが続きます

クルーザーの記録には及ばないものの、ライバルたちも奮闘する。J.コヴァクス(米国)は4回目に22m65をマークすると、T.ウォルシュ(ニュージーランド)は6回目にシーズンベストとなる22m47をプットした。

て優勝を決めたクルーザーの最終6回目。世界記録には届かなかったが、世界歴代パフォーマンス2位の23m30をマーク。圧巻の内容で連覇を果たした。1位クルーザー、2位コヴァクス、3位ウォルシュという順位は2016年リオ五輪とまったく一緒だった。

2019年ドーハ世界選手権はコヴァクスが大会新の22m91で逆転V。クルーザーとウォルシュを1㎝差で抑えた。今季はクルーザーが5月にキャリア初の23m(01)越えを果たすと、全米選手権で23m37の世界新記録を樹立。超強力プッターが揃っているだけに、世界記録はまだまだ更新されていきそうだ。

広告の下にコンテンツが続きます

実は東京へ向けて米国を発つ前日に祖父が亡くなったというクルーザー。「私は祖父と一緒に裏庭で砲丸を投げ始めました。私のキャリアに大きな役割を果たした祖父を失ったのは悲しい出来事でしたが、祖父と一緒に戦うことができたと思います」。試合後、「GradPA, We did it 2020 Olympic Champion!(おじいちゃん、オリンピックチャンピオンになったよ!)」と書いた紙と涙にはその思いが溢れていた。

五輪に向けて「素晴らしい練習はできていたものの、ストレスがたまっていました。祖父のためにメモを書くことで、大きな安堵が生まれました。そのおかげでしっかりと準備ができて、試合の計画も立てられ、私は再び、五輪チャンピオンになれたと感じています」。この種目では史上4人目の連覇だった。

モーニングセッションの男子110mハードルは世界記録に0.01秒差まで迫っていたG.ホロウェイ(米国)が5台目まで快走するが、インターバルが詰まり、終盤失速。H.パーチメント(ジャマイカ)が13秒06(-0.5)で五輪王者に輝いた。男子三段跳はドーハ世界選手権4位のP.P.ピチャルド(ポルトガル)が17m98(+0.4)で制すと、朱亜明(中国)が17m57(+1.7)で銀メダルを獲得した。

イブニングセッションの男子20km競歩はM.スタノ(イタリア)が日本勢とのラスト勝負を制して、1時間21分05秒で金メダル。池田向希(旭化成)が2位、山西利和(愛知製鋼)が3位に入り、この種目で日本勢が初めてメダルを獲得した。女子棒高跳は世界ランキングと今季リストでトップにつけるK.ナジョット(米国)が4m90で優勝。男子400mはドーハ世界選手権VのS.ガーディナー(パナマ)が43秒85で制した。女子七種競技はN.ティアム(ベルギー)が6791点で五輪史上2人目の連覇。男子十種競技は今季8995点(世界歴代5位)をマークしているD.ワーナー(カナダ)が五輪記録(8993点)越えと史上4人目の大台突破となる9018点で世界大会を初制覇した。

写真/時事 陸上競技7日目も海外勢が「世界の力」を見せる圧巻のパフォーマンスを繰り広げた。 史上最高レベルの戦いが予想されていた男子砲丸投。今季31年ぶりに世界記録を塗り替えたR.クルーザー(米国)が快投を連発する。1回目に22m83と自身が持つ五輪記録(22m52)をオーバーすると、2回目に22m93とさらに記録を伸ばす。3~5回目も従来の五輪記録を上回った。 クルーザーの記録には及ばないものの、ライバルたちも奮闘する。J.コヴァクス(米国)は4回目に22m65をマークすると、T.ウォルシュ(ニュージーランド)は6回目にシーズンベストとなる22m47をプットした。 て優勝を決めたクルーザーの最終6回目。世界記録には届かなかったが、世界歴代パフォーマンス2位の23m30をマーク。圧巻の内容で連覇を果たした。1位クルーザー、2位コヴァクス、3位ウォルシュという順位は2016年リオ五輪とまったく一緒だった。 2019年ドーハ世界選手権はコヴァクスが大会新の22m91で逆転V。クルーザーとウォルシュを1㎝差で抑えた。今季はクルーザーが5月にキャリア初の23m(01)越えを果たすと、全米選手権で23m37の世界新記録を樹立。超強力プッターが揃っているだけに、世界記録はまだまだ更新されていきそうだ。 実は東京へ向けて米国を発つ前日に祖父が亡くなったというクルーザー。「私は祖父と一緒に裏庭で砲丸を投げ始めました。私のキャリアに大きな役割を果たした祖父を失ったのは悲しい出来事でしたが、祖父と一緒に戦うことができたと思います」。試合後、「GradPA, We did it 2020 Olympic Champion!(おじいちゃん、オリンピックチャンピオンになったよ!)」と書いた紙と涙にはその思いが溢れていた。 五輪に向けて「素晴らしい練習はできていたものの、ストレスがたまっていました。祖父のためにメモを書くことで、大きな安堵が生まれました。そのおかげでしっかりと準備ができて、試合の計画も立てられ、私は再び、五輪チャンピオンになれたと感じています」。この種目では史上4人目の連覇だった。 モーニングセッションの男子110mハードルは世界記録に0.01秒差まで迫っていたG.ホロウェイ(米国)が5台目まで快走するが、インターバルが詰まり、終盤失速。H.パーチメント(ジャマイカ)が13秒06(-0.5)で五輪王者に輝いた。男子三段跳はドーハ世界選手権4位のP.P.ピチャルド(ポルトガル)が17m98(+0.4)で制すと、朱亜明(中国)が17m57(+1.7)で銀メダルを獲得した。 イブニングセッションの男子20km競歩はM.スタノ(イタリア)が日本勢とのラスト勝負を制して、1時間21分05秒で金メダル。池田向希(旭化成)が2位、山西利和(愛知製鋼)が3位に入り、この種目で日本勢が初めてメダルを獲得した。女子棒高跳は世界ランキングと今季リストでトップにつけるK.ナジョット(米国)が4m90で優勝。男子400mはドーハ世界選手権VのS.ガーディナー(パナマ)が43秒85で制した。女子七種競技はN.ティアム(ベルギー)が6791点で五輪史上2人目の連覇。男子十種競技は今季8995点(世界歴代5位)をマークしているD.ワーナー(カナダ)が五輪記録(8993点)越えと史上4人目の大台突破となる9018点で世界大会を初制覇した。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.09.18

400m・中島佑気ジョセフ「たくさんの人に力をもらった」高野超え6位入賞で「見えた景色」/東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)6日目 東京世界陸上6日目のイブニングセッションが行われ、男子400m決勝で中島佑気ジョセフ(富士通)が44秒62をマークして6位入賞を果たした。 1991年東京大会の高野 […]

NEWS 鵜澤飛羽200mファイナル届かず「全力は出した。それでダメなら負けを認めるしかない」/東京世界陸上

2025.09.18

鵜澤飛羽200mファイナル届かず「全力は出した。それでダメなら負けを認めるしかない」/東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)6日目 東京世界陸上6日目のイブニングセッションが行われ、男子200m準決勝1組に出場した鵜澤飛羽(JAL)は20秒23(-0.1)の6着。2003年パリ大会の末續慎吾、2 […]

NEWS マクローリン・レヴロン47秒78!!降りしきる雨のなか女子400m世界歴代2位、大会新の激走/東京世界陸上

2025.09.18

マクローリン・レヴロン47秒78!!降りしきる雨のなか女子400m世界歴代2位、大会新の激走/東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)6日目 東京世界陸上6日目のイブニングセッションが行われ、女子400mはシドニー・マクローリン・レヴロン(米国)が世界歴代2位、大会新の47秒78でこの種目初優勝を飾った。 […]

NEWS 中島佑気ジョセフ400m6位 3レース連続の44秒台で日本選手過去最高位/東京世界陸上

2025.09.18

中島佑気ジョセフ400m6位 3レース連続の44秒台で日本選手過去最高位/東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)6日目 東京世界陸上6日目のイブニングセッションが行われ、男子400m決勝に出場した中島佑気ジョセフ(富士通)は44秒62で6位となり、1991年東京大会で高野進が7位だっ […]

NEWS 中島佑気ジョセフ400m44秒62 高野進を超える歴史的6位入賞を果たす/東京世界陸上

2025.09.18

中島佑気ジョセフ400m44秒62 高野進を超える歴史的6位入賞を果たす/東京世界陸上

◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)6日目 東京世界陸上6日目のイブニングセッションが行われ、男子400m決勝1組の中島佑気ジョセフ(富士通)が44秒62で6位に入った。 日本人選手が世界陸上で決勝を走ったの […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年10月号 (9月9日発売)

2025年10月号 (9月9日発売)

【別冊付録】東京2025世界陸上観戦ガイド
村竹ラシッド/桐生祥秀/中島佑気ジョセフ/中島ひとみ/瀬古優斗
【Coming EKIDEN Season 25-26】
学生長距離最新戦力分析/青学大/駒大/國學院大/中大/

page top