写真/時事
陸上競技4日目のモーニングセッション。女子100mハードルで新女王が誕生した。4月に世界歴代7位タイの12秒32(+1.7)をマークしたJ.カマチョ・クイン(プエルトリコ)。前日の準決勝ではS.ピアーソン(豪州)が2012年ロンドン五輪で樹立した五輪記録(12秒35)を大きく上回る12秒26(-0.2)の五輪新&世界歴代4位で突っ走っていた。
世界記録(12秒20)の更新が高まっていた決勝は、その世界記録保持者K.ハリソン(米国)が4レーン、五輪記録保持者のカマチョ・クインが5レーンに入った。スタート直後はハリソンがシャープな飛び出しで先行するが、カマチョ・クインが徐々に追い上げる。大きな手足を巧みに刻み、5~6台目で逆転。中盤以降は圧倒的な強さを見せつける。9台目のハードルを脚を引っかけて失速もあって世界記録は逃したものの、12秒37(-0.3)で優勝。2016年リオ五輪は準決勝で失格に終わった24歳が、プエルトリコの陸上競技で男女通じて初の金メダルに輝いた。
「私は世界記録を目指して走りました。ハードルにぶつけて大記録は逃しましたが、金メダルです。プエルトリコの誰もがワクワクしていると確信しています。今は本当に幸せです。リオ五輪の転倒は常に私と一緒にいます。ここまで浮き沈みもあり、金メダル獲得までの道のりは本当に大変でした」とカマチョ・クイン。表彰記でメダルを首からさげ、国歌が流れると大粒の涙を流した。「オリンピックだからといって何かを変える必要はありません。私は自分のレースを走りました」と、プエルトリコのヒロインは胸を張った。
2位はハリソンで12秒52。カマチョ・クインとともに米国ケンタッキー大を練習拠点にしている2人がワン・ツー。3位はM.タッパー(ジャマイカ)で12秒55だった。
午前中に行われた男子走幅跳は、M.テントグルー(ギリシャ)が最終6回目にJ.M.エチュバリア(キューバ)に並ぶ8m41(+0.1)をマーク。今季急成長の23歳がセカンド記録で2019年ドーハ世界選手権の銅メダリストを上回り、金メダルを獲得した。この種目ではギリシャ勢初。橋岡優輝(富士通)は日本人37年ぶりの入賞となる6位(8m10)に入った。
写真/時事
男子3000m障害ではケニア勢の10連覇を阻止したS.エル・バッカリ(モロッコ)が8分08秒90で優勝。三浦龍司(順大)が日本人初入賞となる7位(8分16秒90)に食い込んだ。女子円盤投は1回目に68m98を投げ込んだオV.オールマン(米国)が世界大会の初タイトルを獲得。女子5000mは中長距離3冠を狙うS.ハッサン(オランダ)が東アフリカ勢とのラスト勝負を制して、14分36秒79で1つ目の優勝。9位の廣中璃梨佳(日本郵政グループ)は14分52秒84の日本記録を樹立した。


|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.03.27
2度目のマラソンが東京世界陸上!新星・近藤亮太「暑さに勝機を見出して1つでも上の順位を」
-
2025.03.27
-
2025.03.27
2025.03.23
女子は長野東が7年ぶりの地元V アンカー・田畑陽菜が薫英女学院を逆転/春の高校伊那駅伝
-
2025.03.25
-
2025.03.21
2025.03.02
初挑戦の青学大・太田蒼生は途中棄権 果敢に先頭集団に挑戦/東京マラソン
2025.03.02
太田蒼生は低体温症と低血糖で途中棄権 「世界のレベルを知れて良い経験」/東京マラソン
-
2025.03.23
-
2025.03.19
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.03.27
ミキハウスに東京五輪4×100mR出場の青山華依が入社 パリ五輪4×400mR代表の吉津拓歩が移籍
ミキハウスは3月27日、4月1日付で入社するミキハウススポーツクラブ所属の選手を発表した。陸上では女子短距離の甲南大を卒業する青山華依が加入し、男子短距離の吉津拓歩がジーケーラインから移籍する。 青山は2002年生まれ。 […]
2025.03.27
北口榛花 みっちり2時間投てき練習「完成度を高めたい」
女子やり投の北口榛花(JAL)が鹿児島県の奄美大島で合宿中に練習を公開した。 パリ五輪金メダリストの公開練習に訪れたのは20社以上。その注目度の高さがうかがえる。この日は午前中にハードルを使ったトレーニングで接地や出力の […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報