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2021.07.15

日本初!! スポーツトレーナーの専門学校に最新のスポーツ科学研究所を導入/PR
日本初!! スポーツトレーナーの専門学校に最新のスポーツ科学研究所を導入/PR

日本初!! スポーツトレーナーの専門学校に最新のスポーツ科学研究所を導入
「アローズスポーツラボ」が推進する
スポーツ科学の普及と目指す未来像

 小学生、中高生向けの民間スポーツ科学施設「アローズジム&ラボ」を展開していた株式会社日本スポーツ科学(本社:静岡県浜松市/代表:山下典秀)が、今年度より学校法人滋慶学園の東京スポーツ・レクリエーション専門学校(略称:TSR)と提携。最新の科学的知見を持ったスポーツ人材の教育とスポーツ科学の一般への普及へ新たな一歩を踏み出した。ソフト、ハード両面で環境を整備し、現状の日本では選ばれし者しか施されないスポーツ科学のアプローチを子ども、部活動に励む中高生や一般アスリートに市民ランナー、そして高齢者まで広めることを目指す。「スポーツは科学だ」を合言葉に施策を進める同社。スポーツシーンと日本社会に新たな風を呼び込みそうだ。

6月中旬に行われた「アローズスポーツラボ 東京スポーツ・レクリエーション専門学校」のお披露目記者会見で写真に収まる(右から)株式会社日本スポーツ科学の山下典秀代表取締役、学校法人滋慶学園グループの古島暉大常務理事、東京スポーツ・レクリエーション専門学校の後関慎司副学校長

「スポーツ科学」をもっと現場へ
施設だけでなく人材育成が必要

 今年度、学校法人滋慶学園の東京スポーツ・レクリエーション専門学校(略称:TSR)に新設されたのは高度専門士を取得できる「スポーツトレーナースペシャリスト科(4年制)」だ。株式会社日本スポーツ科学は、スポーツに必要な5つの基礎体力(視力・筋力・持久力・瞬発力・跳躍力)を「測定→分析→評価」し、数値化できる施設「アローズスポーツラボ」を使って日本最先端のスポーツ科学を実践的に学ぶことにより、その知識を備えた人材の養成を目指す。

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 同社はこれに先んじて昨年、近畿医療専門学校(大阪府大阪市)にも「アローズスポーツラボ」とそれを使って学ぶスポーツ科学のカリキュラムを導入しており、スポーツ科学に精通した人材の育成に積極的に乗り出している。

 日本スポーツ科学は、2011年から民間企業としては世界でも類をみない小・中高生を対象としたスポーツ科学施設「アローズジム&ラボ」を開設。現在に至るまで、本部のある浜松市をはじめとする静岡県内を皮切りに、東京都、愛知県、大阪府で展開している。2017年には日本のスポーツ科学の権威、福永哲夫氏(鹿屋体育大学前学長)を同社の研究所所長として招へいし、データの蓄積と研究をこれまで以上に促進してきた。

 そして、様々なデータを集めていく中で、先ほど示した5つの基礎体力が重要であることを見出し、これらを“見える化”するスポーツ版人間ドック「スポーツドック」を開発。その測定結果をもとに、一人ひとりに合った最適なトレーニングメニューを提案し続けている。

 同社の施設としてはこれまでスポーツドックを備え、トレーニングができる「アローズジム&ラボ」、トレーニング中心の「アローズジム」の2つの業態で展開していたが、それをこのたびひとつにまとめ、「アローズスポーツラボ」としてリニューアル。今回のTSRの導入にあたってもその名称が使われている。

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「スポーツ科学をもっと世の中に広めるにあたっては施設だけでなく、それに精通し、測定のできるスポーツサイエンティストを育てる必要があります。近畿医療専門学校では柔道整復師の資格を取るだけでなく、私たちの“スポーツラボ”で測定し、アスリートにフィードバックできるスキルも身につけられます。そして今年度、日本で初めてスポーツトレーナーの専門学校への導入ということで“スポーツラボ”とカリキュラムをTSRに導入させていただきました」

東京・江戸川区の西葛西にある東京スポーツ・レクリエーション専門学校の第1校舎。「アローズスポーツラボ 東京スポーツ・レクリエーション専門学校」は1階エントランスのすぐ横にあり、同校がこの施設をいかに重視しているかがわかる

 目指すのは科学と技術の融合、と日本スポーツ科学の山下典秀代表はその目的を口にする。

 山下代表は、日本スポーツ科学協会理事長も務め、スポーツトレーナーとして多くの国際大会の現場にも帯同し、日本代表選手のサポートを長期にわたって行ってきた。だが、そこで感じたのは研究機関と実際にスポーツが行われている現場の大きなかい離。科学的な知見や研究の成果を現場で実践できるスポーツトレーナーがもっと増えるべきと痛切に感じたという。

「今、日本の大学ではスポーツ科学を学べる学部が増えてきました。多くの優れたアスリートがそこに進み、最新の測定機器を使い、高度な研究を通じて新たな発見や最新のエビデンスを学んでいます。彼らは卒業後、プロ選手になったり、実業団に進んだりして自身の競技のためにスポーツ科学を生かしていますが、競技を大学で引退する学生は、学んだことを生かせる受け皿が社会にないのが現状なのです。
 一方、専門学校では職業訓練的な意味合いで現場のスペシャリストからスポーツトレーナーを職業とするための知識や技術を学び、卒業後もアスリートを支えるために活躍しています。彼らがスポーツ科学を学べば、よりスポーツの現場にそれが落とし込まれていくでしょう。この大学の強みと専門学校の強みを生かしたらどうかと考えた結果がTSRとの協業で実現した“スポーツトレーナースペシャリスト科”の設置なのです」(山下代表)

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 その取り組み自体がスポーツトレーナーの地位向上にもつながるはず、と山下代表。彼らは縁の下の力持ちではあるが、実際にアスリートに直接、触れる立場だ。その視点からトレーニングや休養のアドバイスができる姿が望ましいと考えている。

「アローズスポーツラボ 東京スポーツ・レクリエーション専門学校」の中にはJISS(国立スポーツ科学センター)や大学の研究機関にあるような専門機器がずらりと揃い、「誰でも使えるJISSの民間版」と言える

 山下代表が目指すのは“スポーツサイエンティスト”の育成と彼らが日本中で活躍すること。スポーツサイエンティストとは山下代表が提唱する新たな職業で、同社が認定する民間資格である。スポーツドックを実施するスポーツ研究員、データを分析し、クライアントの課題を明確にするスポーツドックアナリスト、新たな測定機器を開発するスポーツエンジニア、スポーツ科学を普及させるスポーツイノベーターなどを総称する。「科学的なアプローチでアスリートだけでなく、すべての国民の体力増進に貢献するスペシャリストが増えてこそ、日本のスポーツと社会は変わる」と山下代表は考えている。

様々な測定・分析ができる研究所で
目的に応じたテストを実施

 TSRの「スポーツトレーナースペシャリスト科」は4年制。最初の2年間は座学と実技を学び、「スポーツサイエンティスト」の資格を取得する。そして3年からはTSRが運営する「アローズスポーツラボ」に通う地域の高齢者や子ども、アスリートなどに各種の「スポーツドック」を実施し、そのスキルを実践の場で経験を積みながら磨いていく。

「スポーツラボはスポーツドックを行う研究施設。テストをする場です。テストでは全力を振り絞って発揮した力を数値化できるため、成長に向けたモチベーションが生まれます。その結果を受け、スポーツ科学に基づいた見地から課題となった能力の強化方法を提案します。そして何より“100%・全力・フルパワー”を発揮することが強化のために必要なこと。継続的にスポーツドックでテストすることで、その能力を伸ばしていけるのです」

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 スポーツドックの種類も一つではない。同社が開発したものでは小学生に5大基礎体力を詳細に分析し、将来活躍できる可能性が高いスポーツを判定する「タレント発掘スポーツドック」、中高生からアスリート向けに競技ごとに必要な体力をテストし、スポーツサイエンティストがトップアスリートへとナビゲートする「競技別スポーツドック」、ヘルスのための「ビジネス体力スポーツドック」などがあり、合計11種類の「スポーツドック」がTSRのアローズスポーツラボに導入されている。

視力

モニターに映し出された数字やマークを瞬時に指差し、スポーツに必要な「見る」能力を測定・強化

筋力

パフォーマンスの要である筋力を部位ごとに細かく分析

持久力

トレッドミルでのランニングにより、持久力を高めるために酸素摂取量を〝見える化〟

瞬発力

自走式ランニングマシンでダッシュを繰り返して競技に必要な瞬発力を評価

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跳躍力

より高く、遠くへ跳ぶ力を、センサーが内蔵された機器の中で様々なジャンプ測定を行って計測

「スポーツ科学に基づく身体能力の測定・分析、テクノロジーを駆使したトレーニングは、今や海外では当たり前になりつつありますが、日本のスポーツ科学はまだまだ発展途上です。トップアスリートだけでなく、スポーツを愛するすべての人が自分の身体を正しく知るため、スポーツ科学の知識とスポーツトレーナーとしての知識・経験を兼ね備えた人材は、今後ますます求められていくと考えられます。私たちとしても今後、北海道から九州まで柔道整復師や鍼灸師、理学療法士、スポーツトレーナーを養成する専門学校と提携したいと考えています」(山下代表)

 利用者目線で言えば、気軽に科学的な測定ができるところが大きなメリット。どんな目標があるのか、何を目指しているかをカウンセリングし、スポーツラボで測定。その結果に基づき、今後のトレーニング方法を提案してくれる。継続的にスポーツドックを受ければ、それ自体が何よりのトレーニングにつながる。

 日本スポーツ科学が自社で展開するラボはこれまでサッカーJリーグの「ジュビロ磐田」、バスケットボールBリーグの「三遠ネオフェニックス」とそのスクール、そして陸上でも多くの実業団チームをサポートしてきた。今後は大学駅伝界の強豪チームと連携していく動きもある。

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「日本代表クラスになってからスポーツ科学の恩恵を受けるようでは遅いのです。これからは少子化が進みます。早くに才能を見つけ、私たちがこれまで子供たちに実施してきたように早くからスポーツ科学で成長をサポートすべきですし、大人になっても一般のアスリートがもっと気軽に利用できることが理想なのです」

 山下代表はそう力説する。イメージとしては、日本代表クラスのトップアスリートしか使用できない最新の設備が整った国立スポーツ科学センター(JISS)を、誰でも利用できるようにした“JISSの民間版”といったものだ。

全力を振り絞って発揮した力がデータとして瞬時にモニターに映し出されることで、成長に向けたモチベーションが生まれる

今後は行政とも連携
社会課題の解決にも貢献

 今後、スポーツ科学を学んだスポーツトレーナーが増え、「アローズスポーツラボ」が全国で展開されれば、あらゆるデータが蓄積されることになり、結果的にそれをスポーツ界に還元できる。「大学や企業と連携して産学連携での研究ができるのが理想。大学はライバルでもありパートナー。切磋琢磨し、ともに日本のスポーツを押し上げていきたい」と山下代表。スポーツ科学をビジネスとするこの世界にもっと多くの企業や学校が参入してほしいと話す。

 2011年に「アローズジム&ラボ」を開設して以来10年。その間、日本のスポーツを取り巻く環境は大きく変化した。

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「立ち上げた当時、私たちは“スポーツ科学で10年後メダリストを目指します宣言”をしました。トレッドミルでランナーにマスクをつけて最大酸素摂取量を測定していると奇異の目で『これがスポーツ科学か?』と言われるところからのスタートでしたが、今もまだ広くその必要性が浸透するまでには至っていません。しかし、その重要さは今後、増す一方だと確信しています。引き続き、スポーツ科学が当たり前になっていく社会を目指します」

「最新のスポーツ科学を一般のアスリートがもっと気軽に利用できることを目指していきたい」と話す日本スポーツ科学の山下代表
 将来的には民間だけではなく行政との連係も視野に入れており、今後は「アローズスポーツラボ」が公共の体育館や陸上競技場などにも入っていく計画もある。

 子供の才能の発掘や、早い段階からの強化育成はもちろんのこと、少子高齢化の時代、健康寿命をいかに伸ばしていくか、そして子供たちの体力向上など「アローズスポーツラボ」が果たせる役割は大きい。社会課題の解決のためにも、今年度のTSRへの導入は大きな一歩となるであろう。

昨年5月には大阪の近畿医療専門学校と提携


昨年5月には関西初のアローズジム&ラボを大阪にある近畿医療専門学校内に設置。右は同校の小林英健理事長

アローズジム&ラボ大阪近畿医療専門学校の施設

アローズスポーツラボを利用して最先端のスポーツ科学の研究も可能

現在展開中のアローズスポーツラボ&アローズジム

アローズスポーツラボ 東京
アローズジム ららぽーと豊洲校
〒135-8614
東京都江東区豊洲2-4-9
アーバンドックららぽーと豊洲 3F
TEL 03-6225-0322

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アローズスポーツラボ 浜松
アローズジム 浜松本部校
〒430-0911
静岡県浜松市中区新津町534
TEL 053-411-1008

アローズスポーツラボ 東京スポーツ・レクリエーション専門学校
〒134-0088
東京都江戸川区西葛西7-13-12
東京スポーツ・レクリエーション専門学校(TSR)内
TEL 0120-61-9090

アローズスポーツラボ あおば接骨院守山小幡
〒463-0011
愛知県名古屋市守山区小幡1-10-22
あおば接骨院守山小幡店内
TEL 052-793-6768

アローズスポーツラボ 大阪近畿医療専門学校
アローズジム 大阪近畿医療専門学校
〒530-0047
大阪市北区西天満5-3-10
近畿医療専門学校1階
TEL 06-6360-3035

アローズジム イオンモール浜松志都呂校
〒432-8069
静岡県浜松市西区 志都呂2-37-1
イオンモール浜松志都呂内 2F
TEL 053-415-8822

アローズジム マークイズ静岡校
〒420-0821
静岡県静岡市葵区柚木1026
マークイズ静岡 2F ノースコート前
TEL 054-207-7007

アローズジム 磐田校
〒438-0086
静岡県磐田市見付1287-3
TEL 0538-37-4976

※この記事は『月刊陸上競技』2021年8月号に掲載しています

<関連リンク>
アローズ(公式サイト)
株式会社日本スポーツ科学
東京スポーツ・レクリエーション専門学校

日本初!! スポーツトレーナーの専門学校に最新のスポーツ科学研究所を導入 「アローズスポーツラボ」が推進する スポーツ科学の普及と目指す未来像

 小学生、中高生向けの民間スポーツ科学施設「アローズジム&ラボ」を展開していた株式会社日本スポーツ科学(本社:静岡県浜松市/代表:山下典秀)が、今年度より学校法人滋慶学園の東京スポーツ・レクリエーション専門学校(略称:TSR)と提携。最新の科学的知見を持ったスポーツ人材の教育とスポーツ科学の一般への普及へ新たな一歩を踏み出した。ソフト、ハード両面で環境を整備し、現状の日本では選ばれし者しか施されないスポーツ科学のアプローチを子ども、部活動に励む中高生や一般アスリートに市民ランナー、そして高齢者まで広めることを目指す。「スポーツは科学だ」を合言葉に施策を進める同社。スポーツシーンと日本社会に新たな風を呼び込みそうだ。 6月中旬に行われた「アローズスポーツラボ 東京スポーツ・レクリエーション専門学校」のお披露目記者会見で写真に収まる(右から)株式会社日本スポーツ科学の山下典秀代表取締役、学校法人滋慶学園グループの古島暉大常務理事、東京スポーツ・レクリエーション専門学校の後関慎司副学校長

「スポーツ科学」をもっと現場へ 施設だけでなく人材育成が必要

 今年度、学校法人滋慶学園の東京スポーツ・レクリエーション専門学校(略称:TSR)に新設されたのは高度専門士を取得できる「スポーツトレーナースペシャリスト科(4年制)」だ。株式会社日本スポーツ科学は、スポーツに必要な5つの基礎体力(視力・筋力・持久力・瞬発力・跳躍力)を「測定→分析→評価」し、数値化できる施設「アローズスポーツラボ」を使って日本最先端のスポーツ科学を実践的に学ぶことにより、その知識を備えた人材の養成を目指す。  同社はこれに先んじて昨年、近畿医療専門学校(大阪府大阪市)にも「アローズスポーツラボ」とそれを使って学ぶスポーツ科学のカリキュラムを導入しており、スポーツ科学に精通した人材の育成に積極的に乗り出している。  日本スポーツ科学は、2011年から民間企業としては世界でも類をみない小・中高生を対象としたスポーツ科学施設「アローズジム&ラボ」を開設。現在に至るまで、本部のある浜松市をはじめとする静岡県内を皮切りに、東京都、愛知県、大阪府で展開している。2017年には日本のスポーツ科学の権威、福永哲夫氏(鹿屋体育大学前学長)を同社の研究所所長として招へいし、データの蓄積と研究をこれまで以上に促進してきた。  そして、様々なデータを集めていく中で、先ほど示した5つの基礎体力が重要であることを見出し、これらを“見える化”するスポーツ版人間ドック「スポーツドック」を開発。その測定結果をもとに、一人ひとりに合った最適なトレーニングメニューを提案し続けている。  同社の施設としてはこれまでスポーツドックを備え、トレーニングができる「アローズジム&ラボ」、トレーニング中心の「アローズジム」の2つの業態で展開していたが、それをこのたびひとつにまとめ、「アローズスポーツラボ」としてリニューアル。今回のTSRの導入にあたってもその名称が使われている。 「スポーツ科学をもっと世の中に広めるにあたっては施設だけでなく、それに精通し、測定のできるスポーツサイエンティストを育てる必要があります。近畿医療専門学校では柔道整復師の資格を取るだけでなく、私たちの“スポーツラボ”で測定し、アスリートにフィードバックできるスキルも身につけられます。そして今年度、日本で初めてスポーツトレーナーの専門学校への導入ということで“スポーツラボ”とカリキュラムをTSRに導入させていただきました」 東京・江戸川区の西葛西にある東京スポーツ・レクリエーション専門学校の第1校舎。「アローズスポーツラボ 東京スポーツ・レクリエーション専門学校」は1階エントランスのすぐ横にあり、同校がこの施設をいかに重視しているかがわかる  目指すのは科学と技術の融合、と日本スポーツ科学の山下典秀代表はその目的を口にする。  山下代表は、日本スポーツ科学協会理事長も務め、スポーツトレーナーとして多くの国際大会の現場にも帯同し、日本代表選手のサポートを長期にわたって行ってきた。だが、そこで感じたのは研究機関と実際にスポーツが行われている現場の大きなかい離。科学的な知見や研究の成果を現場で実践できるスポーツトレーナーがもっと増えるべきと痛切に感じたという。 「今、日本の大学ではスポーツ科学を学べる学部が増えてきました。多くの優れたアスリートがそこに進み、最新の測定機器を使い、高度な研究を通じて新たな発見や最新のエビデンスを学んでいます。彼らは卒業後、プロ選手になったり、実業団に進んだりして自身の競技のためにスポーツ科学を生かしていますが、競技を大学で引退する学生は、学んだことを生かせる受け皿が社会にないのが現状なのです。  一方、専門学校では職業訓練的な意味合いで現場のスペシャリストからスポーツトレーナーを職業とするための知識や技術を学び、卒業後もアスリートを支えるために活躍しています。彼らがスポーツ科学を学べば、よりスポーツの現場にそれが落とし込まれていくでしょう。この大学の強みと専門学校の強みを生かしたらどうかと考えた結果がTSRとの協業で実現した“スポーツトレーナースペシャリスト科”の設置なのです」(山下代表)  その取り組み自体がスポーツトレーナーの地位向上にもつながるはず、と山下代表。彼らは縁の下の力持ちではあるが、実際にアスリートに直接、触れる立場だ。その視点からトレーニングや休養のアドバイスができる姿が望ましいと考えている。 「アローズスポーツラボ 東京スポーツ・レクリエーション専門学校」の中にはJISS(国立スポーツ科学センター)や大学の研究機関にあるような専門機器がずらりと揃い、「誰でも使えるJISSの民間版」と言える  山下代表が目指すのは“スポーツサイエンティスト”の育成と彼らが日本中で活躍すること。スポーツサイエンティストとは山下代表が提唱する新たな職業で、同社が認定する民間資格である。スポーツドックを実施するスポーツ研究員、データを分析し、クライアントの課題を明確にするスポーツドックアナリスト、新たな測定機器を開発するスポーツエンジニア、スポーツ科学を普及させるスポーツイノベーターなどを総称する。「科学的なアプローチでアスリートだけでなく、すべての国民の体力増進に貢献するスペシャリストが増えてこそ、日本のスポーツと社会は変わる」と山下代表は考えている。

様々な測定・分析ができる研究所で 目的に応じたテストを実施

 TSRの「スポーツトレーナースペシャリスト科」は4年制。最初の2年間は座学と実技を学び、「スポーツサイエンティスト」の資格を取得する。そして3年からはTSRが運営する「アローズスポーツラボ」に通う地域の高齢者や子ども、アスリートなどに各種の「スポーツドック」を実施し、そのスキルを実践の場で経験を積みながら磨いていく。 「スポーツラボはスポーツドックを行う研究施設。テストをする場です。テストでは全力を振り絞って発揮した力を数値化できるため、成長に向けたモチベーションが生まれます。その結果を受け、スポーツ科学に基づいた見地から課題となった能力の強化方法を提案します。そして何より“100%・全力・フルパワー”を発揮することが強化のために必要なこと。継続的にスポーツドックでテストすることで、その能力を伸ばしていけるのです」  スポーツドックの種類も一つではない。同社が開発したものでは小学生に5大基礎体力を詳細に分析し、将来活躍できる可能性が高いスポーツを判定する「タレント発掘スポーツドック」、中高生からアスリート向けに競技ごとに必要な体力をテストし、スポーツサイエンティストがトップアスリートへとナビゲートする「競技別スポーツドック」、ヘルスのための「ビジネス体力スポーツドック」などがあり、合計11種類の「スポーツドック」がTSRのアローズスポーツラボに導入されている。 視力 モニターに映し出された数字やマークを瞬時に指差し、スポーツに必要な「見る」能力を測定・強化 筋力 パフォーマンスの要である筋力を部位ごとに細かく分析 持久力 トレッドミルでのランニングにより、持久力を高めるために酸素摂取量を〝見える化〟 瞬発力 自走式ランニングマシンでダッシュを繰り返して競技に必要な瞬発力を評価 跳躍力 より高く、遠くへ跳ぶ力を、センサーが内蔵された機器の中で様々なジャンプ測定を行って計測 「スポーツ科学に基づく身体能力の測定・分析、テクノロジーを駆使したトレーニングは、今や海外では当たり前になりつつありますが、日本のスポーツ科学はまだまだ発展途上です。トップアスリートだけでなく、スポーツを愛するすべての人が自分の身体を正しく知るため、スポーツ科学の知識とスポーツトレーナーとしての知識・経験を兼ね備えた人材は、今後ますます求められていくと考えられます。私たちとしても今後、北海道から九州まで柔道整復師や鍼灸師、理学療法士、スポーツトレーナーを養成する専門学校と提携したいと考えています」(山下代表)  利用者目線で言えば、気軽に科学的な測定ができるところが大きなメリット。どんな目標があるのか、何を目指しているかをカウンセリングし、スポーツラボで測定。その結果に基づき、今後のトレーニング方法を提案してくれる。継続的にスポーツドックを受ければ、それ自体が何よりのトレーニングにつながる。  日本スポーツ科学が自社で展開するラボはこれまでサッカーJリーグの「ジュビロ磐田」、バスケットボールBリーグの「三遠ネオフェニックス」とそのスクール、そして陸上でも多くの実業団チームをサポートしてきた。今後は大学駅伝界の強豪チームと連携していく動きもある。 「日本代表クラスになってからスポーツ科学の恩恵を受けるようでは遅いのです。これからは少子化が進みます。早くに才能を見つけ、私たちがこれまで子供たちに実施してきたように早くからスポーツ科学で成長をサポートすべきですし、大人になっても一般のアスリートがもっと気軽に利用できることが理想なのです」  山下代表はそう力説する。イメージとしては、日本代表クラスのトップアスリートしか使用できない最新の設備が整った国立スポーツ科学センター(JISS)を、誰でも利用できるようにした“JISSの民間版”といったものだ。 全力を振り絞って発揮した力がデータとして瞬時にモニターに映し出されることで、成長に向けたモチベーションが生まれる

今後は行政とも連携 社会課題の解決にも貢献

 今後、スポーツ科学を学んだスポーツトレーナーが増え、「アローズスポーツラボ」が全国で展開されれば、あらゆるデータが蓄積されることになり、結果的にそれをスポーツ界に還元できる。「大学や企業と連携して産学連携での研究ができるのが理想。大学はライバルでもありパートナー。切磋琢磨し、ともに日本のスポーツを押し上げていきたい」と山下代表。スポーツ科学をビジネスとするこの世界にもっと多くの企業や学校が参入してほしいと話す。  2011年に「アローズジム&ラボ」を開設して以来10年。その間、日本のスポーツを取り巻く環境は大きく変化した。 「立ち上げた当時、私たちは“スポーツ科学で10年後メダリストを目指します宣言”をしました。トレッドミルでランナーにマスクをつけて最大酸素摂取量を測定していると奇異の目で『これがスポーツ科学か?』と言われるところからのスタートでしたが、今もまだ広くその必要性が浸透するまでには至っていません。しかし、その重要さは今後、増す一方だと確信しています。引き続き、スポーツ科学が当たり前になっていく社会を目指します」 「最新のスポーツ科学を一般のアスリートがもっと気軽に利用できることを目指していきたい」と話す日本スポーツ科学の山下代表  将来的には民間だけではなく行政との連係も視野に入れており、今後は「アローズスポーツラボ」が公共の体育館や陸上競技場などにも入っていく計画もある。  子供の才能の発掘や、早い段階からの強化育成はもちろんのこと、少子高齢化の時代、健康寿命をいかに伸ばしていくか、そして子供たちの体力向上など「アローズスポーツラボ」が果たせる役割は大きい。社会課題の解決のためにも、今年度のTSRへの導入は大きな一歩となるであろう。

昨年5月には大阪の近畿医療専門学校と提携

昨年5月には関西初のアローズジム&ラボを大阪にある近畿医療専門学校内に設置。右は同校の小林英健理事長 アローズジム&ラボ大阪近畿医療専門学校の施設 アローズスポーツラボを利用して最先端のスポーツ科学の研究も可能

現在展開中のアローズスポーツラボ&アローズジム

アローズスポーツラボ 東京 アローズジム ららぽーと豊洲校 〒135-8614 東京都江東区豊洲2-4-9 アーバンドックららぽーと豊洲 3F TEL 03-6225-0322 アローズスポーツラボ 浜松 アローズジム 浜松本部校 〒430-0911 静岡県浜松市中区新津町534 TEL 053-411-1008 アローズスポーツラボ 東京スポーツ・レクリエーション専門学校 〒134-0088 東京都江戸川区西葛西7-13-12 東京スポーツ・レクリエーション専門学校(TSR)内 TEL 0120-61-9090 アローズスポーツラボ あおば接骨院守山小幡 〒463-0011 愛知県名古屋市守山区小幡1-10-22 あおば接骨院守山小幡店内 TEL 052-793-6768 アローズスポーツラボ 大阪近畿医療専門学校 アローズジム 大阪近畿医療専門学校 〒530-0047 大阪市北区西天満5-3-10 近畿医療専門学校1階 TEL 06-6360-3035 アローズジム イオンモール浜松志都呂校 〒432-8069 静岡県浜松市西区 志都呂2-37-1 イオンモール浜松志都呂内 2F TEL 053-415-8822 アローズジム マークイズ静岡校 〒420-0821 静岡県静岡市葵区柚木1026 マークイズ静岡 2F ノースコート前 TEL 054-207-7007 アローズジム 磐田校 〒438-0086 静岡県磐田市見付1287-3 TEL 0538-37-4976 ※この記事は『月刊陸上競技』2021年8月号に掲載しています <関連リンク> アローズ(公式サイト) 株式会社日本スポーツ科学 東京スポーツ・レクリエーション専門学校

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