東京五輪最終選考となる日本選手権が終了し、トラック&フィールド種目の現時点での代表内定者が決定した(第一次代表発表)。日本選手権での内定条件は参加標準記録突破者で3位以内。この後は、6月29日で締め切った後に世界陸連が発表するワールドランキングでターゲットナンバー(出場枠)に入り、出場権を得られた選手が判明。その結果を踏まえ、日本陸連代表選考要項に沿ったかたちで第2次代表発表がされる。
男子100mは優勝した多田修平(住友電工)と3位の山縣亮太(セイコー)が参加標準記録突破済みのため内定で、残り枠は1。日本選手権で2位のデーデー・ブルーノ(東海大)は出場資格(参加標準記録突破もしくはワールドランキングでターゲットナンバー内)を持たないため個人種目での代表はない。そうなると4位に入った小池祐貴(住友電工)が代表に選出する可能性が高い。
その小池は参加標準記録を突破していた200mで優勝して内定。このままいけば2種目で代表権を獲得する。ただし、日本陸連は4×100mリレーで金メダルを目指すための戦略として100mと200mの両種目エントリーには2冠と世界基準のタイムを求めると発表済み。この方針は有力選手たちとその専任コーチの同意の元で作成されている。ただし「種目をしぼらなければならないわけではない」(日本陸連)。最終的には小池陣営と相談しながら決定する見込みで、小池自身も「陸連の意向もあるのでコーチたちと相談して決めたい」と明言を避けている。
200mで参加標準記録を突破しているのはその小池とサニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)だったが、サニブラウンは200mを欠場(100mは6位)。ワールドランキングでは飯塚翔太(ミズノ)と山下潤(ANA)が出場圏内(日本選手権終了時点)にランクインしている。日本選手権では山下が4位、飯塚が6位。選考基準に沿うと、参加標準記録を持つサニブラウンが次点で、その次にワールドランキングで入り、かつ日本選手権上位の山下の3枠目が濃厚となる。
仮に小池が2種目にエントリーするとなった場合は、100mが多田、山縣、小池、200mは小池、サニブラウン、山下の優先順。一方、小池が100mのみを選択した場合は飯塚が3人目となり、小池が200mのみを選択した場合は日本選手権5位だった桐生祥秀(日本生命)にも代表入りの可能性がある。ただし、いずれも仮定の話であり、同じく週末に行われた海外の試合の結果いかんでワールドランキングが変動するため、最終的には7月1日以降の発表を待つしかない。
なお、100m200mともに2位のデーデーは200mでも参加資格を得ていないため個人での代表はなく、4×100mリレーメンバーとして入る可能性は残されている。4×100mリレーの代表は100m代表3人+補欠2名。
即時内定とはいかなかった選手のうち、ワールドランキングで出場資格が狙えそうな主な選手には、男子400mのウォルシュ・ジュリアン(富士通※日本選手権は欠場)や、走高跳の戸邉直人(JAL★)、棒高跳の山本聖途(トヨタ自動車★)、やり投の小南拓人(染めQ★)、5000mの松枝博輝(富士通★)ら。女子では1500mで田中希実(豊田自動織機TC★)と卜部蘭(積水化学)の可能性も。特に田中はほぼ確実視される。この種目でオリンピック代表はこれまでいない。100mハードルの寺田明日香(ジャパンクリエイト★)、青木益未(七十七銀行※日本選手権は欠場)、木村文子(エディオン)もランキング圏内。今大会で日本歴代2位の9分41秒84をマークして3000m障害を制した山中柚乃(愛媛銀行★)も加わりそうだ。★は3位以内に入っているため、ワールドランキングで出場権を得られた場合は内定となる。
リレー種目は、男子4×100m、4×400m、女子4×100mの3種目で出場権を獲得している。4×400mは日本選手権の400m上位選手が有力候補。女子は世界リレーで出場権獲得に貢献した兒玉芽生(福岡大)らが選出される見込み。
7月1日に世界陸連が出場資格を得た選手を発表し、日本陸連が7月2日以降に第2次代表発表を行う予定としている。
※一部記事を訂正しました。

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