2021.06.23
◇インターハイ北信越大会(6月17日~20日/福井県福井市)
福井インターハイへの出場権を懸けた地区予選となる北信越大会は6月17日から20日の4日間の日程で行われた。舞台は今夏インターハイの開催地である福井県福井市の福井県営陸上競技場(9.98スタジアム)。
インターハイと同じ舞台で名門・佐久長聖(長野)の吉岡大翔(2年)が男子1500m、5000mの2種目で大会記録を更新し、その実力をアピールした。
スピード強化の一環もありエントリーした大会2日目の男子1500mは「持ちタイムが1位でしたので、自分が引っ張らなければならないと思いました」と長野県大会とは異なったレース展開をイメージしていた。その言葉通り、序盤から積極的に攻め、先頭集団で400mを62秒で刻むと、すぐさま、先頭に出て後続を引っ張り、800mを2分02秒とこの1周を60秒というハイペースで突き進む。その後、1200mを3分04秒で刻むと、渾身のスパートをかけて3分49秒42でVフィニッシュを決めた。
長野県大会でマークした自己ベストをジャスト1秒更新するとともに、佐久長聖の偉大な先輩であり、高校記録(3分38秒49)保持者の佐藤清治が持つ大会記録を22年ぶりに0秒48更新。「スタートでやや出遅れましたが、最後まで引っ張り切れたことは自信になりました」と笑顔を浮かべた。
吉岡にとってインターハイのシミュレーションととらえた“本職”の男子5000m。この日は大雨が降り続いたが、スタート直前に弱い雨に変わり、ほぼ無風で涼しさを感じる好条件に。スタートから先頭に出た13分40秒27の自己ベストを持つケニア人留学生のジョンソン・モゲニ(遊学館2石川)に食らいついて先頭集団に入り、1000mを2分45秒で刻む。その直後に吉岡が先頭に立つと、1800m付近で再びモゲニが先頭に。2000mを5分30秒。2600m付近で吉岡がトップになって3000mを8分20秒で通過する。その後も一進一退を繰り返し、決着がついたのはラスト250m。吉岡はモゲニの猛スパートについていけず、モゲニから4秒以上遅れた13分54秒32の2位でフィニッシュ。その直後、吉岡はトラックに跪いて悔しさを爆発させた。
それでも、モゲニ(13分50秒17)とともに、偉大な高校の先輩である上野裕一郎が持つ大会記録(14分02秒01)を18年ぶりに更新。「(モゲニに)脱帽です。何倍もうわてでした。でも、(1500mとともに)2人の先輩レジェンドが打ち立てた大会記録を更新できたことはとてもうれしいです」と吉岡。1500mの予選、決勝と合わせて3レース目で出した13分台は価値が高い。インターハイでは留学生はもちろん、洛南(京都)の佐藤圭汰らとの争いが楽しみになる北信越大会での走りだった。
そのほか、女子やり投は倉田紗優加(伊那北2長野)が県大会に続いて北信越高校新、大会新となる51m42を放って優勝。2位の前川愛里(敦賀3福井)も大会新となる49m20をマークした。男子4×100mリレーは金沢(石川)が40秒64の大会新で頂点を飾り、同4×400mリレーは佐久長聖(長野)と新潟明訓(新潟)が激闘の末、佐久長聖が3分13秒34で制し、ともに大会新だった。佐久長聖は女子マイルもV。昨年の全国高校大会を制した女子三段跳の大塚葉月(星稜3石川)は12m28(+1.4)で走幅跳(5m81/+1.4)との2冠達成。同じく、同大会を制した女子5000m競歩の山岸芽生(十日町3新潟)は今季ベストとなる23分11秒23で完勝した。
地区大会は全11地区で開催。各種目上位6名(競歩、女子棒高跳、三段跳、ハンマー投は上位4位、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)が全国大会に出場。インターハイは7月28日から8月1日まで福井県で開催される。
文/永田真樹

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