2021.06.23
◇インターハイ東北大会(6月19日~22日/岩手県北上市)
福井インターハイへの出場権を懸けた地区予選となる東北大会が6月19日から22日の4日間、岩手県北上市の北上総合運動公園北上陸上競技場で行われ、女子短距離の佐藤美里(常盤木学園3宮城)が100m、200m、両リレー(4×100m、4×400m)を制して4冠を達成した。
「私の最終目標はインターハイ。個人は100mで11秒6台、200mは23秒台を出して、トップ3に入り、リレーは2種目で日本一を目指しています。そのために今大会では記録と順位を頑張って、自信を持ってインターハイに臨めるようなレースをしたい」
そんな強い思いで挑んだ東北大会での4冠は、5月の宮城県大会と同じだが、その内容は明らかにグレードアップしていた。
2走を務めた4×100mリレーは、初日の予選で46秒88をマークして県大会の優勝記録(47秒04)をあっさり上回ると、準決勝も全体のトップタイムで危なげなく通過した。2日目は4レースで奮闘。100m予選をただ1人、11秒台(11秒90/+1.3)で通過すると、1時間20分後に行われた4×100mリレー決勝では、同じ宮城の仙台育英や大会3連覇中の山形中央(山形)を振り切り、46秒58の好タイムで1つ目のタイトルを手にした。
続いて行われた100m準決勝では、「4継で勝てたことで気持ちが盛り上がった」と、11秒74(+0.9)の大会新記録を樹立。その勢いで臨んだ決勝でも快速を飛ばし、11秒75(+0.6)と2位以下を寄せつけない圧勝だった。
3日目に200m予選と4×400mリレー準決勝をこなし、最終日は200m準決勝を24秒89(±0.0)でトップ通過。決勝も24秒75(-0.8)と自己記録(24秒56)には届かなかったものの、「スタートから100mは今までで一番の走りができた」と確かな手応えをつかんで頂点に駆け上った。アンカーを担った最後の4×400mリレー決勝は、チームメイトが作ったアドバンテージをしっかり守り、大会新記録となる3分46秒76で歓喜のフィニッシュ。「掲示板が見えた時、(大会新の)タイムが出そうと思ってもう一段階ギアを上げました。4人の気持ちのこもったバトンをつないで大会新記録でゴールできたのは良かったです」と、満面の笑みを浮かべた。
みちのくを駆け回った佐藤。夏の福井をどんなふうに駆け抜けるのだろうか。岩手で得た自信を胸に、高校最速の座を狙いにいく。
この他、男子では100mで佐賀陽(田名部3青森)が準決勝で今季高校最高となる10秒36(+0.3)をマークし、決勝では追い風参考ながら10秒17(+4.2)を叩き出して優勝。800mは大野聖登(秋田工2秋田)が大会記録にあと0秒08に迫る1分51秒26の好タイムで2年生Vを飾った。日大東北(福島)はリレー2種目を制し、4×400mリレーで3分13秒13の大会新をマークするとともに、両リレーでアンカーを務めた町田怜央(3年)は個人の400mを含め、3冠に輝いた。
女子では、3000mを米澤奈々香(仙台育英3宮城)が9分12秒78で制し、2位の杉森心音(2年)と仙台育英勢の〝ワンツー〟フィニッシュ。ハンマー投でU20&U18日本記録と高校記録(62m88)を持つ村上来花(弘前実3青森)が、従来の大会記録(52m87)を大幅に更新する60m99の大会新で貫禄勝ちした。同じく弘前実の石澤美菜海(3年)が円盤投を、一戸麗莉(3年)がやり投を制し、弘前実勢が投てきを席巻。さらに砲丸投では田中杏実(青森北3青森)が優勝し、女子投てき全種目を青森県勢が独占した。
学校対抗総合の優勝は、昨年の中止を挟み、男子は日大東北が2連覇。女子は山形中央が4連覇を果たした。
地区大会は全11地区で開催。各種目上位6名(競歩、女子棒高跳、三段跳、ハンマー投は上位4位、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)が全国大会に出場。インターハイは7月28日から8月1日まで福井県で開催される。
文/小野哲史
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.10.05
リレー日本一を懸けた2日間!“リレフェス”ではさまざまなイベントも/日本選手権リレー
2024.10.04
東京五輪マラソン代表の服部勇馬が地元で一日警察署長!「できる限りのことを発信」
2024.10.04
編集部コラム「自分なりの秋」
-
2024.10.03
-
2024.10.02
2024.09.28
篠原倖太朗が13分15秒70!屋外の日本人学生最高「チームが勢いに乗れれば」/ACC新潟
-
2024.09.29
-
2024.09.28
2024.09.19
アシックスから安定性と快適性を追求したランニングシューズ「GT-2000 13」が登場!
-
2024.09.17
-
2024.09.28
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.10.05
リレー日本一を懸けた2日間!“リレフェス”ではさまざまなイベントも/日本選手権リレー
◇第108回日本選手権リレー(10月5、6日/東京・国立競技場) リレー日本一を懸けた第108回日本選手権リレーが10月5日、6日に行われる。併催される「みんなでつなごうリレーフェスティバル2024(リレフェス)」は、誰 […]
2024.10.04
東京五輪マラソン代表の服部勇馬が地元で一日警察署長!「できる限りのことを発信」
東京五輪男子マラソン代表の服部勇馬(トヨタ自動車)が10月4日、地元・新潟県十日町市の「一日警察署長」に任命された。 トヨタ自動車陸上長距離部のSNSでは警察の制服に身を包んだ服部の様子を公開。特殊詐欺への注意を呼びかけ […]
2024.10.04
編集部コラム「自分なりの秋」
毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]
2024.10.04
パリ五輪マラソン6位の鈴木優花インタビュー 4年後のロスを見据えつつ「日本新記録も狙っていきたい」
パリ五輪女子マラソンで6位に入賞した鈴木優花(第一生命グループ)が9月25日に報道陣の合同インタビューに出席し、レースの振り返りや今後の目標などを語った。 「すごく難しいコースではあったのですが、そこに挑戦することもなか […]
Latest Issue 最新号
2024年10月号 (9月13日発売)
●Paris 2024 Review
●別冊付録/学生駅伝ガイド 2024 秋
●福井全中Review
●東京世界選手権まであと1年
●落合晃の挑戦