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【トレーニング講座】走高跳(2021年1月号)/醍醐直幸

トレーニング講座

月刊陸上競技で連載している「トレーニング講座」。種目ごとに全国の指導者の方々にご執筆いただいています! 月陸Onlineでは毎月1種目ピックアップして全掲載。ぜひトレーニングの参考にしてください✨

走高跳 編(2021年1月号掲載)


執筆/醍醐直幸(東京高校顧問)

冬季練習でも動きは常に意識

冬季練習に入っているわけですが、本校では基本的には大きくトレーニングを変えることはしません。シーズン中と違うのは回数や重さなどの負荷。その狙いは実践したい動きの「質力」を高めることと、精度を上げることです。ただやみくもに力やスピードがついても、それをコントロールできなければ意味がありません。力を上げるとともにどんな時もバランスやコントロールの部分を意識して行いましょう。

私が日本記録を出した年の冬季練習は、2月に室内大会を予定していこともあり12月くらいまで基礎ベーストレーニングをこなし、1月初旬から跳躍練習を本格的に入れていきました。うまくいった年はたいていシーズンスタートから良い流れを作れます。好スタートを切るためにもしっかりと冬季練習を行ってください。

冬季は走る練習が多くなると思います。短距離の選手と走ることも増えるでしょう。その際、リズムを作ることを大事にしましょう。いざ走力が上げってシーズンインしてみるとうまく助走につながらず、踏み切りも出せなくなるということがあります。逆に、助走の〝乗り〟を出せるようになれば踏み切りの入りが楽になります。そのため、メインの走練習の後は必ず整える流しを入れています。助走につなげるイメージです。どんな練習でも「自分は走高跳の選手」だということを絶対に忘れないでください。

トレーニングを分別する

私が選手の時は、拠点を3ヵ所に分けてトレーニングを行っていました。1つ目は技術を学ぶ場所。2つ目は基礎ベースを上げる場所。3つ目は自分と向き合う場所(一人練習)です。

トレーニングはどうしても量で満足して、目指している課題克服からズレてしまうことがあります。練習ははっきりと目的を持ってやることが何より重要です。そのため、それぞれの場所に分けることで明確化していました。中高生が場所を変えることは難しいかもしれません。しかし、「意識」は変えられると思います。練習メニューによって狙いを明確にできるように取り組みましょう。

本数を決めて力を出す

試合で結果を残すためには大切な場面で力を発揮することが大事です。その意識づけをするために、あまり練習時間を長く行うことや、本数を多くした練習はしません。なぜなら試合はやり直しがきかない一発勝負だからです。練習でもそのような意識でできれば、本番では自分が「やれる」というイメージができるはずです。そして、本練習でできないことは自主練習でできるようにしてくる。この時間が選手として何よりも大切だと思います。できるようになればまた新しい課題を見つける。練習はこの繰り返しなのです。

最近はパワーロープ(重量のある縄)で二重跳び(下記動画参照)にチャレンジしています。最初は1度もできなかった選手が今では連続10回できるようになりました。常に継続して挑戦する感覚を身につけてもらいたいです。

力の貰い方を理解する

試合になるとどうしても動きや気持ちが焦って本来の力を発揮できない選手がいます。それはほんのちょっとしたことで、気持ちの部分で動き始めが早くなったり、体が突っ込んだりと、ズレてしまっているからです。

動きが速くなると接地が浅くなったり、突っ込んで接地が流れたりします。その結果、地面を捉える感覚が乱れ、うまく反発がもらえません。反発が返ってくる場所は地面の奥にあります。正しいポジションで地面の奥を押すためには自分のリズムを作り、きちんと真下に乗る。

そのための練習としてマットを使った腿上げやジャンプ(下記動画参照)などがお勧めです。マットは表面が柔らかいため奥のほうを押さないとジャンプができません。接地面の奥を押す感覚や腕を合わせる感覚、力を入れるタイミングを身につけてください。力づくではなく力の入れ方です。

鉄棒で身体の使い方を習得する

本校の跳躍ブロックの練習では雨の日以外は必ず鉄棒練習を入れます。身体の扱い方をつかむには鉄棒が最適だからです。まず、最初の目標として懸垂逆上がり10回できるようにさせます。これができるようになれば、いろいろな種目にチャレンジできるようになります。

陸上競技はもちろん脚の使い方が大切ですが、下半身をうまく扱うためには腕の使い方が重要です。腿上げを早く行う際やラダーでキレを出す時は腕をコンパクトに速く振る。ストライドを出して歩く時は腕を大きく振る。脚だけの意識ではなく連動が大事です。選手にも「腕振りが身体を扱うコントローラーだ」と伝えています。身体を大きく使う時もコンパクトに動かす時も、意識を下半身ではなく上半身に向けてみるとよいでしょう。

トレーニング講座「走高跳」2021年1月号掲載

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