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2025.09.09

男子800m日本記録保持者・落合晃(駒大)世界への挑戦/大学1年目の前半シーズンで得た収穫と課題、新たなコンディショニング方法も導入
男子800m日本記録保持者・落合晃(駒大)世界への挑戦/大学1年目の前半シーズンで得た収穫と課題、新たなコンディショニング方法も導入

7月下旬のワールドユニバーシティゲームズ(ドイツ)から帰国後、すぐに長野・菅平で長めの距離の走り込みをした落合晃。その後は8月中旬から9月上旬まではスイス・サンモ リッツで高地トレーニングを行い、直後に控える東京での大一番に備えた

男子800mの日本記録保持者・落合晃がこの春、駒澤大学に入学し、新たな環境で走り始めた。ここまで記録の更新こそなかったものの、練習の質は高校時代より向上し、海外でのレースを重ねたことで課題も見えるなど充実した時間を過ごしている。加えて、多くの新しい経験を積む中でコンディショニングの重要性にも目が向くようになった。さらなる高みを目指し、ここから本格的に世界を目指し始める。

1分45秒台をコンスタントにマーク、2周目の落ち込みが課題

駒澤大学に入学して約半年。19歳の日本記録保持者は今季、日本選手権の連覇を果たし、アジア選手権(韓国)、ワールドユニバーシティゲームズ(ドイツ)と2つの国際大会にも出場。ここまで故障もなく、大学の環境へとスムーズに順応している。

「前半戦は、(1分)45秒台をコンスタントに出せたのが評価できる点です。ただ、課題としている2周目の克服ができなかったり、海外でうまく走ることができなかったので満足はしていません」

前半戦は自己の持つ日本記録(1分44秒80)をも上回る、今秋に控える世界大会の参加標準記録(1分44秒50)の突破を狙っていただけに、自己評価は辛口だ。

その目標達成のカギとしていたのが、2周目のラップの落ち込みを減らすこと。今季のシーズンベストは5月上旬の静岡国際で出した1分45秒16だが、この時は昨年8月の日本記録樹立時と、400mの通過はほぼ変わらないながら2周目でタイムを落とした。だが、落合はこのレースで記録が狙えたとは考えていない。

「静岡国際はまだ春先だったので、あのくらいが限界だったと思います。記録を狙うとすれば(5月下旬の)アジア選手権でした。海外の選手も速いペースで通過していたので、その流れの中で出したかったです」

アジア選手権の決勝レースは日本記録樹立時を約0.3秒上回る51秒1で1周目を通過したが、結果は1分48秒01。前半をハイペースで入りながら、後半も粘り切るレースをしたかったと落合は悔しがる。

「室内も含め、できるだけ海外のレースに多く出たい」

望む結果を手にできなかったものの、ここまでの強化は順調そのものだ。滋賀学園高校時代をベースとしたメニューを駒澤大学の大八木弘明総監督がアレンジし、Ggoat Projectの藤本優太マネージャーを練習パートナーとして、高校時代以上の質の高さの練習を継続している。

「武器であるスピードをさらに伸ばすか、有酸素能力を伸ばしていくか。どちらを軸に進めるかはここまで試行錯誤をしていて、まだ見極められていない部分もありますが、スピード練習もいいものができていますし、夏には距離を延ばし、スタミナ強化も進められています」(大八木総監督)

〝世界〟を目指すため、落合は自らの希望で大八木弘明総監督の門下に入った

8月はスイス・サンモリッツでの高地合宿を実施。初めてのヨーロッパでの合宿で走り込んだことは、課題の2周目の克服へとつながるはずと見ている。

また、課題として見えた海外のレースへの対応も今後は進めていく予定だ。

「アジア選手権やユニバでは知らない選手が多く考えすぎてしまい、前半に消耗してラストで切り替えられない場面もありました。海外のレースは細かいペース変化も多く、慣れが必要なので、対応するためには経験を積む必要があります。先の話になりますが、今後は室内も含め、できるだけ海外のレースに多く出たいと考えています」

海外での経験こそが落合をさらなる高みに引き上げるはずと、大八木総監督は期待を寄せる。

『ボディメンテ』が体調管理の必需品に!!

大学に入り、新たな挑戦を続ける中、コンディショニングの重要性も増してきたという落合。オフの日は温泉に行き、セルフマッサージを励行するなど、日頃からカラダへの意識は高いが、コンディショニングでも新たな取り組みを始めている。

「大学に入ってからボディメンテ ドリンクとボディメンテ ゼリーを取り入れるようになりました。特に夏場は、ドリンクをキンキンに冷やして朝練習後に飲んでいますし、ゼリーはポイント練習後には必ず摂っています」

どちらも海外のレースに持参するなど、すでに体調管理の必需品となっている。
「ボディメンテ ゼリーは日常の補食としても取り入れています。量が多すぎず、ヨーグルト味も気に入っているんです。大学に入って環境が変わりましたが、ここまで体も順調ですし、体調もしっかり維持できています」

ポイント練習の直後をはじめ、日常的に「ボディメンテ ゼリー」を補食として活用している落合

ボディメンテは体調管理をサポートする「乳酸菌B240」を含有。ドリンクは体組成に近い電解質バランスでカラダの水分量をキープし、ゼリーは筋肉のエネルギー源として利用される必須アミノ酸のBCAAをはじめ、アルギニン2500mg、さらにホエイタンパク7.5gを同時補給できる。

駒澤大学陸上競技部の選手たちは年間を通じてコンディション維持のためにボディメンテを摂取しているが、中距離を専門とし、筋肉質な落合にとっても負荷の高い練習を消化する上で不可欠なものとなった。

大八木総監督も「落合だけでなく卒業生も含め、駒澤のトップ選手はみんなボディメンテを飲んでいます。そのせいか、コンディションの維持に自信を持って臨めている選手が多いです。体調管理にうってつけです」と太鼓判を押す。

3年後の大舞台を見据えて1戦1戦「爪痕を残したい」

落合が駒澤大学に進んだのは世界を目指すため。かつて監督としてチームを率いた故・森本葵氏は現役時代、800mで29年間も破られなかった日本記録(1分47秒4)を樹立し、1964年に東京で開催された大舞台では準決勝に進出したが、落合も着実にラウンドを上げていける力をつけ、日本人が到達していない領域にたどり着きたい。

「まずはこれからの世界大会や国際大会で経験を積みたい。そして、出るからにはそこで1本、記録を狙う走りで爪痕も残していきたいです。大学4年目にはロサンゼルスで最高の舞台がありますので、そこで戦えることを目指してがんばります」

ここから落合の世界への挑戦が始まる。その1本ずつのレースが、3年後に向けた意味のあるものになるに違いない。

「ボディメンテ ゼリー」と「ボディメンテ ドリンク」は落合にとって体調管理のための必需品になっている

文/加藤康博、撮影/樋口俊秀

※この記事は『月刊陸上競技』2025年10月号に掲載しています

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駒澤大学に入学して約半年。19歳の日本記録保持者は今季、日本選手権の連覇を果たし、アジア選手権(韓国)、ワールドユニバーシティゲームズ(ドイツ)と2つの国際大会にも出場。ここまで故障もなく、大学の環境へとスムーズに順応している。 「前半戦は、(1分)45秒台をコンスタントに出せたのが評価できる点です。ただ、課題としている2周目の克服ができなかったり、海外でうまく走ることができなかったので満足はしていません」 前半戦は自己の持つ日本記録(1分44秒80)をも上回る、今秋に控える世界大会の参加標準記録(1分44秒50)の突破を狙っていただけに、自己評価は辛口だ。 その目標達成のカギとしていたのが、2周目のラップの落ち込みを減らすこと。今季のシーズンベストは5月上旬の静岡国際で出した1分45秒16だが、この時は昨年8月の日本記録樹立時と、400mの通過はほぼ変わらないながら2周目でタイムを落とした。だが、落合はこのレースで記録が狙えたとは考えていない。 「静岡国際はまだ春先だったので、あのくらいが限界だったと思います。記録を狙うとすれば(5月下旬の)アジア選手権でした。海外の選手も速いペースで通過していたので、その流れの中で出したかったです」 アジア選手権の決勝レースは日本記録樹立時を約0.3秒上回る51秒1で1周目を通過したが、結果は1分48秒01。前半をハイペースで入りながら、後半も粘り切るレースをしたかったと落合は悔しがる。

「室内も含め、できるだけ海外のレースに多く出たい」

望む結果を手にできなかったものの、ここまでの強化は順調そのものだ。滋賀学園高校時代をベースとしたメニューを駒澤大学の大八木弘明総監督がアレンジし、Ggoat Projectの藤本優太マネージャーを練習パートナーとして、高校時代以上の質の高さの練習を継続している。 「武器であるスピードをさらに伸ばすか、有酸素能力を伸ばしていくか。どちらを軸に進めるかはここまで試行錯誤をしていて、まだ見極められていない部分もありますが、スピード練習もいいものができていますし、夏には距離を延ばし、スタミナ強化も進められています」(大八木総監督) [caption id="attachment_180540" align="alignnone" width="800"] 〝世界〟を目指すため、落合は自らの希望で大八木弘明総監督の門下に入った[/caption] 8月はスイス・サンモリッツでの高地合宿を実施。初めてのヨーロッパでの合宿で走り込んだことは、課題の2周目の克服へとつながるはずと見ている。 また、課題として見えた海外のレースへの対応も今後は進めていく予定だ。 「アジア選手権やユニバでは知らない選手が多く考えすぎてしまい、前半に消耗してラストで切り替えられない場面もありました。海外のレースは細かいペース変化も多く、慣れが必要なので、対応するためには経験を積む必要があります。先の話になりますが、今後は室内も含め、できるだけ海外のレースに多く出たいと考えています」 海外での経験こそが落合をさらなる高みに引き上げるはずと、大八木総監督は期待を寄せる。

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