◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 1日目
東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、女子5000mは田中希実(New Balance)が14分59秒02で4年連続5度目の優勝を飾り、東京世界選手権代表に内定した。
序盤は廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が先陣を切り、1000m3分03秒設定のペースメーカーの前に出る。「どんな展開であっても、まずは優勝を狙える位置にいること」をイメージしていた田中がつき、伊澤菜々花(スターツ)とともに1000mを2分59秒で通過する。
6分00秒で通過した2000mを過ぎて、廣中がややペースダウン。3000m通過が9分09秒に落ち、後続の集団にも追いつかれる展開となった。その中で田中は、「余裕があったらラスト4周で上げようと思っていました」。その言葉通り、残り4周で前に出ると、バックストレートで後続を突き放す。
ここからが圧巻だった。「廣中選手のペースに乗らせてもらったので、あとは自分でちゃんと後ろをしっかりと離すことを意識しました。躊躇が出ると後ろがついてくる。覚悟を持って上げられました」。4000m通過が12分06秒で、この1000mを2分57秒にアップすると、ラスト1000mを2分53秒でカバー。2004年に福士加代子(ワコール)が出した大会記録15分05秒07を21年ぶりに破り、日本選手権初の15分突破を果たした。
「大会記録も頭の片隅にあって、いつも意識はしていないまでも惜しいことが何回かあった。今回はチャンスあるかなと思っていたところで、しっかりとクリアできた」と胸を張った田中。「日本選手権のモチベーションは年々難しくなっている」と言いつつも、「日本選手権だからこそテーマをしっかりと持てる部分もある」。
今季は新設のグランドスラム・トラック参戦をきっかけに、昨年以上に海外レースを重ねてきた。そこでは毎回、世界大会決勝のようなレースを経験し、下位に沈むレースばかりを経験。「世界の猛者と走る中で、自分の軸をしっかりと持つことが大事なのに、見失っていた」ことで、「自分の最低限の走りを目指して、最低限の走り自体もわからなくなっていた」と振り返る。
それでも、「いろいろ手を伸ばし、つかもうとしていたところ、つかんで離さなかった部分を一度すべて手放したところが、今回の走りにつながった」と田中。自分を見つめ、再浮上のきっかけとしてきた日本選手権で、田中は再びきっかけをつかんだ。2日目からの1500mで、さらに確固たるものにしていく。
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