HOME 編集部コラム

2025.05.25

NEWS
編集部コラム「伝え続けていくこと」

攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム??
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!

第290回「伝え続けていくこと(小川)

第109回日本選手権は7月に国立競技場で行われる。写真は前回大会

ここ数年、さまざまな場面で歴史に触れる機会が多くなっています。

陸上であれば、ありがたいことに節目を迎えた組織、チーム、大会の年史などに携わることが増え、プライベートでも新しいスポットよりもお城や寺社仏閣などを訪れたいと思うことが多いです。

そのたびに思うことが、歴史を残すことの大切さ。勉強不足だらけで恥ずかしながら、知らないことも多々あります。そのため、資料として過去の年史などを読んでいくことになるのですが、事実や記録の食い違いが出てくることもしばしば。では、正しいものは? と考えると、やはり年史などを拠り所にするしかないのです。

それが50年、60年でも大変なのに、1世紀を超えるものがいくつも出てきているのです。これは本当に大変。でも、そんな歴史の節目に立ち会えることは、それこそ貴重なことだとも思います。

広告の下にコンテンツが続きます

日光の、日光東照宮の隣にある日光山輪王寺には、3代将軍・徳川家光公の霊廟である大猷院というところがあります。たまたま、住職の方が輪王寺や大猷院の内部についての説明をしてくださるタイミングで訪れたのですが、半分以上はハチ(しかもクマバチ)が気になって頭に入ってこなかったとはいえ、なるほどという話もありました。

夜叉門に置かれている4体の夜叉のうち、烏摩勒伽(うまろきゃ)が持っているのが破魔矢の発祥とされ、両膝に象が施されていてこれが「膝小僧」の由来になっている、など。破魔矢の正しい置き方(矢じりが上)も聞きました。諸説あるかとは思いますが、それも「伝える」ことが続けられてきた何よりの証拠であり、それを伝え続けることの大切さを改めて実感した次第です。

日本選手権は109回目を迎え、箱根駅伝も100回を超えました。日本陸連も101年目に突入。ちなみに、この流れで並べられるレベルではないですが、私の母校陸上競技部も秋に100周年記念パーティーが開催されます。

陸上の歴史も、しっかりとつないでいくために、文字として刻む。その年史は、いずれ紙ではなくなるのかもしれませんが、後世に伝え続けていくことが、今を生きる我々の役割なのだと感じています。

小川雅生(おがわ・まさお)

月刊陸上競技編集部 部長
1977年7月12日生まれ、47歳。173cm、67kg、AB型。大阪府東大阪市で出生、兵庫県尼崎市育ち。塚口中→尼崎北高→甲南大。3つ上の兄の影響で中学から陸上部に入り、大学まで取り組む(専門種目はハードル)。塚口中3年の時、OBで1992年バルセロナ五輪男子走幅跳代表の森長正樹さんの壮行会で生徒会長として花束を渡したが、当時の新聞には私の隣にいた書記のコメントが載っていたという実績を持つ。今季の健康診断では一時悪化も自己ベスト付近まで戻して胸をなでおろしている。

過去の編集部コラムはこちら

攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム?? 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。 暇つぶし程度にご覧ください!

第290回「伝え続けていくこと(小川)

[caption id="attachment_171171" align="alignnone" width="800"] 第109回日本選手権は7月に国立競技場で行われる。写真は前回大会[/caption] ここ数年、さまざまな場面で歴史に触れる機会が多くなっています。 陸上であれば、ありがたいことに節目を迎えた組織、チーム、大会の年史などに携わることが増え、プライベートでも新しいスポットよりもお城や寺社仏閣などを訪れたいと思うことが多いです。 そのたびに思うことが、歴史を残すことの大切さ。勉強不足だらけで恥ずかしながら、知らないことも多々あります。そのため、資料として過去の年史などを読んでいくことになるのですが、事実や記録の食い違いが出てくることもしばしば。では、正しいものは? と考えると、やはり年史などを拠り所にするしかないのです。 それが50年、60年でも大変なのに、1世紀を超えるものがいくつも出てきているのです。これは本当に大変。でも、そんな歴史の節目に立ち会えることは、それこそ貴重なことだとも思います。 日光の、日光東照宮の隣にある日光山輪王寺には、3代将軍・徳川家光公の霊廟である大猷院というところがあります。たまたま、住職の方が輪王寺や大猷院の内部についての説明をしてくださるタイミングで訪れたのですが、半分以上はハチ(しかもクマバチ)が気になって頭に入ってこなかったとはいえ、なるほどという話もありました。 夜叉門に置かれている4体の夜叉のうち、烏摩勒伽(うまろきゃ)が持っているのが破魔矢の発祥とされ、両膝に象が施されていてこれが「膝小僧」の由来になっている、など。破魔矢の正しい置き方(矢じりが上)も聞きました。諸説あるかとは思いますが、それも「伝える」ことが続けられてきた何よりの証拠であり、それを伝え続けることの大切さを改めて実感した次第です。 日本選手権は109回目を迎え、箱根駅伝も100回を超えました。日本陸連も101年目に突入。ちなみに、この流れで並べられるレベルではないですが、私の母校陸上競技部も秋に100周年記念パーティーが開催されます。 陸上の歴史も、しっかりとつないでいくために、文字として刻む。その年史は、いずれ紙ではなくなるのかもしれませんが、後世に伝え続けていくことが、今を生きる我々の役割なのだと感じています。
小川雅生(おがわ・まさお) 月刊陸上競技編集部 部長 1977年7月12日生まれ、47歳。173cm、67kg、AB型。大阪府東大阪市で出生、兵庫県尼崎市育ち。塚口中→尼崎北高→甲南大。3つ上の兄の影響で中学から陸上部に入り、大学まで取り組む(専門種目はハードル)。塚口中3年の時、OBで1992年バルセロナ五輪男子走幅跳代表の森長正樹さんの壮行会で生徒会長として花束を渡したが、当時の新聞には私の隣にいた書記のコメントが載っていたという実績を持つ。今季の健康診断では一時悪化も自己ベスト付近まで戻して胸をなでおろしている。
過去の編集部コラムはこちら

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.05.25

編集部コラム「伝え続けていくこと」

攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム?? 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタッフが週替りで […]

NEWS スプリント3種目Vの関大北陽が13年ぶり男子総合制覇!女子総合はIH覇者・大塚 女子やり投・鈴木彩夏53m65/IH大阪府大会

2025.05.25

スプリント3種目Vの関大北陽が13年ぶり男子総合制覇!女子総合はIH覇者・大塚 女子やり投・鈴木彩夏53m65/IH大阪府大会

広島インターハイ(7月25日~29日)に向けた都府県大会が5月上旬から各地で行われ、高校生たちが熱戦を繰り広げている。 大阪府大会が行われ、関大北陽が13年ぶり2回目の男子総合優勝を飾った。 トラック、フィールドと3日間 […]

NEWS オレゴン世界陸上代表・小林成美が“ラストラン”名城大では4年連続駅伝2冠に貢献/東日本実業団

2025.05.25

オレゴン世界陸上代表・小林成美が“ラストラン”名城大では4年連続駅伝2冠に貢献/東日本実業団

第67回東日本実業団選手権の2日目が5月24日に埼玉県熊谷市で行われた。 女子5000m1組に22年ブダペスト世界選手権10000m代表・小林成美(三井住友海上)が現役ラストランとして出場。17分00秒93の17着でフィ […]

NEWS 渡辺愛が800m大会新V!宮崎亜美香が女子スプリント3冠 鈴木勝彦が5000m19年ぶり大会新/東日本実業団

2025.05.25

渡辺愛が800m大会新V!宮崎亜美香が女子スプリント3冠 鈴木勝彦が5000m19年ぶり大会新/東日本実業団

第67回東日本実業団選手権の2日目が5月24日に埼玉県熊谷市で行われた。 3組タイムレースで行われた女子800mは、3組を6年ぶり大会新の2分05秒23で制した渡辺愛(ユニクロ)が快勝。前日の1500mでも4分13秒74 […]

NEWS 大迫傑が米国・ロサンゼルスで今季トラック初戦!5000mで13分49秒61

2025.05.25

大迫傑が米国・ロサンゼルスで今季トラック初戦!5000mで13分49秒61

5月24日に米国・ロサンゼルスで行われた競技会の男子5000mに大迫傑が出場し、13分49秒61で組11着だった。 2月2日の丸亀国際ハーフマラソン(1時間1分28秒/44位)以来の公式戦で、これがトラック初戦。2組に分 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年6月号 (5月14日発売)

2025年6月号 (5月14日発売)

Road to TOKYO
Diamond League JAPANの挑戦
村竹ラシッド、三浦龍司が初戦で世界陸上内定

Road to EKIDEN Season 25-26
学生長距離最新戦力分析

page top