HOME 国内

2025.05.20

サニブラウンが渡米 世界陸上まで4ヵ月切り「危機感足りない」日本選手権に向け転戦予定
サニブラウンが渡米 世界陸上まで4ヵ月切り「危機感足りない」日本選手権に向け転戦予定

出国前に取材に応じたサニブラウン

男子短距離のサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)が5月20日、拠点とする米国へと向かうにあたり取材に応じた。

18日のセイコーゴールデングランプリについては「左ハムストリングスの付け根の張りがあった」ことで棄権。「ウォーミングアップもして、(スターティング)ブロックまでやりましたが、本番は世界選手権なのでリスクを負わなかった」と説明し、「日本の皆さんの前で走りたかったのですが我慢しました」。

レースは出られなかったが、滞在中は2度の小学校訪問をこなすなど、東京世界選手権のアスリートアンバサダーとしての役割も果たし、「子どもたちと触れ合って逆に元気をもらいました」と話す。久しぶりの日本で予定を詰め込んだが、前日には友人と食事もできたという。

広告の下にコンテンツが続きます

今年は200mを調整で走ったあと、4月末のダイヤモンドリーグ(DL)中国・厦門で初戦だったが1歩目に脚がケイレンして10秒42の10位。その後、世界リレーでは4×100mリレーの予選1走を務めて決勝進出に貢献した。

世界リレーに2年連続で出場した理由について、「やっぱり去年(パリ五輪)はものすごく悔しくて、メダルを取らないといけないメンバーだった。こういう大会に出て、どんどん精度をあげないといけない」と語り、「若い選手にチャンスがあるのは良いことだし、今回のメンバーも良い走りをしましたが、世界でメダルを目指すなら本来であればフルメンバーで挑めれば良かった」とも。それだけリレーのメダル獲得への思いは強い。

東京世界選手権まであと4ヵ月を切ったが、「正直、不安な部分もある」とサニブラウン。「まだ日本でやるという危機感が少し足りない。やるだけでなく、終わったあとの陸上界、スポーツ界がどうなっていくのかが一番大事。めったにない機会を選手、コミュニティみんなで頑張って生かさないといけないと身に沁みました」と警鐘を鳴らす。

広告の下にコンテンツが続きます

自身はこのあと国内での活動がなかなかできないため、「もう少し日本にいる選手が率先して東京でやるのをアピールして、子どもたちとも触れ合うなどして、一緒に陸上界全体で盛り上げていければ」と思いを打ち明けた。

その上で、「日本の選手だけでなく、海外の選手や応援に来る人たち、サポートの方々に、『日本で世界選手権をやるとはこういうこと』と知ってもらうために、満員の国立競技場にするのは大前提。良いパフォーマンスをして元気や勇気を与えられたら。そして、これを機にサッカーや野球に肩を並べられるくらい成長していったらと思っています」と熱い気持ちを述べた。

しばらくは米国でトレーニング。「コンディションをしっかり戻して、次に向けて準備したい。今までやってきたことの確認をして、レース感覚を取り戻していければ」。次戦は正式に決まれば6月のDLローマになりそうで、その後1、2レースをこなして7月上旬の日本選手権に合わせて帰国する見込みだ。

「日々やっている練習をどれくらいの完成度で試合でできるか、確認しながらやっていきます」とし、日本選手権は「通過点」と、まずはしっかり参加標準記録を突破済みの100mで出場権を得る構えだ。

男子短距離のサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)が5月20日、拠点とする米国へと向かうにあたり取材に応じた。 18日のセイコーゴールデングランプリについては「左ハムストリングスの付け根の張りがあった」ことで棄権。「ウォーミングアップもして、(スターティング)ブロックまでやりましたが、本番は世界選手権なのでリスクを負わなかった」と説明し、「日本の皆さんの前で走りたかったのですが我慢しました」。 レースは出られなかったが、滞在中は2度の小学校訪問をこなすなど、東京世界選手権のアスリートアンバサダーとしての役割も果たし、「子どもたちと触れ合って逆に元気をもらいました」と話す。久しぶりの日本で予定を詰め込んだが、前日には友人と食事もできたという。 今年は200mを調整で走ったあと、4月末のダイヤモンドリーグ(DL)中国・厦門で初戦だったが1歩目に脚がケイレンして10秒42の10位。その後、世界リレーでは4×100mリレーの予選1走を務めて決勝進出に貢献した。 世界リレーに2年連続で出場した理由について、「やっぱり去年(パリ五輪)はものすごく悔しくて、メダルを取らないといけないメンバーだった。こういう大会に出て、どんどん精度をあげないといけない」と語り、「若い選手にチャンスがあるのは良いことだし、今回のメンバーも良い走りをしましたが、世界でメダルを目指すなら本来であればフルメンバーで挑めれば良かった」とも。それだけリレーのメダル獲得への思いは強い。 東京世界選手権まであと4ヵ月を切ったが、「正直、不安な部分もある」とサニブラウン。「まだ日本でやるという危機感が少し足りない。やるだけでなく、終わったあとの陸上界、スポーツ界がどうなっていくのかが一番大事。めったにない機会を選手、コミュニティみんなで頑張って生かさないといけないと身に沁みました」と警鐘を鳴らす。 自身はこのあと国内での活動がなかなかできないため、「もう少し日本にいる選手が率先して東京でやるのをアピールして、子どもたちとも触れ合うなどして、一緒に陸上界全体で盛り上げていければ」と思いを打ち明けた。 その上で、「日本の選手だけでなく、海外の選手や応援に来る人たち、サポートの方々に、『日本で世界選手権をやるとはこういうこと』と知ってもらうために、満員の国立競技場にするのは大前提。良いパフォーマンスをして元気や勇気を与えられたら。そして、これを機にサッカーや野球に肩を並べられるくらい成長していったらと思っています」と熱い気持ちを述べた。 しばらくは米国でトレーニング。「コンディションをしっかり戻して、次に向けて準備したい。今までやってきたことの確認をして、レース感覚を取り戻していければ」。次戦は正式に決まれば6月のDLローマになりそうで、その後1、2レースをこなして7月上旬の日本選手権に合わせて帰国する見込みだ。 「日々やっている練習をどれくらいの完成度で試合でできるか、確認しながらやっていきます」とし、日本選手権は「通過点」と、まずはしっかり参加標準記録を突破済みの100mで出場権を得る構えだ。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.10.13

月刊陸上競技2025年11月号

Contents 東京世界陸上 SPECIAL REPORT Tokyo2025 JAPAN 三浦龍司 夢のメダルにあと一歩 Interview 「これから先の世界大会でメダルを取っても、この特別感は消えない」 藤井菜々 […]

NEWS 「5強」の駒大は5位、青学大は7位、中大は10位 いずれも中盤で流れ失う/出雲駅伝

2025.10.13

「5強」の駒大は5位、青学大は7位、中大は10位 いずれも中盤で流れ失う/出雲駅伝

◇第37回出雲駅伝(10月13日/6区間45.1km:島根・出雲大社正面鳥居前スタート、出雲ドームフィニッシュ) 学生駅伝シーズンの幕開けを告げる出雲駅伝が行われ、國學院大が2時間9分12秒で2年連続3回目の優勝を果たし […]

NEWS 全区間5位以内の創価大が過去最高の3位 野沢悠真「良いスタートになった」 最後に競り勝つ/出雲駅伝

2025.10.13

全区間5位以内の創価大が過去最高の3位 野沢悠真「良いスタートになった」 最後に競り勝つ/出雲駅伝

◇第37回出雲駅伝(10月13日/6区間45.1km:島根・出雲大社正面鳥居前スタート、出雲ドームフィニッシュ) 学生駅伝シーズンの幕開けを告げる出雲駅伝が行われ、國學院大が2時間9分12秒で2年連続3回目の優勝を果たし […]

NEWS 序盤で見せ場を作った早大は2位 山口智規は9人抜き 「この後にやることは明確だと思う」/出雲駅伝

2025.10.13

序盤で見せ場を作った早大は2位 山口智規は9人抜き 「この後にやることは明確だと思う」/出雲駅伝

◇第37回出雲駅伝(10月13日/6区間45.1km:島根・出雲大社正面鳥居前スタート、出雲ドームフィニッシュ) 学生駅伝シーズンの幕開けを告げる出雲駅伝が行われ、國學院大が2時間9分12秒で2年連続3回目の優勝を果たし […]

NEWS 十種競技・丸山優真が8054点の自己新 2度目の8000点オーバー!アクシデント乗り越え来季のステップに

2025.10.13

十種競技・丸山優真が8054点の自己新 2度目の8000点オーバー!アクシデント乗り越え来季のステップに

10月12日、13日の2日間、長野市の長野市営陸上競技場で長野県選手権混成競技兼長野オータム・トライアル2025が行われ、男子十種競技で丸山優真(住友電工)が8054点で優勝を飾り、日本歴代3位の自己記録(8021点)を […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top