HOME 国内、大学

2025.05.09

栁田大輝 100m9秒95!!「追参かぁ~」「次は公認で」2年ぶり3度目V で有終の美/関東IC
栁田大輝 100m9秒95!!「追参かぁ~」「次は公認で」2年ぶり3度目V で有終の美/関東IC

関東インカレ男子1部100mで優勝した栁田大輝

◇第104回関東インカレ(5月8~11日/神奈川・相模原ギオンスタジアム)2日目

学校対抗の第104回関東インカレの2日目が行われ、男子1部100m決勝は栁田大輝(東洋大)が2年ぶり3度目の優勝を飾った。

グングンと加速する日本スプリント界の若きホープに向けたスタンドのどよめきは、フィニッシュが近づくにつれて波のように大きくなっていく。相模原の強い追い風に背中を押され、力強くフィニッシュ。記録は『9秒95』。山縣亮太(セイコー)が21年に出した日本記録と並んだ。

広告の下にコンテンツが続きます

雄叫びを上げ、両手で力強くガッツポーズ。惜しくも追い風4.5mの参考記録となり、「追参かぁ~」と苦笑い。それでも、昨年の日本学生個人選手権で9秒97(+3.5)を出していたのに続いて、自身2度目の9秒台。追い風参考では、桐生祥秀の9秒87(+3.3)、多田修平の9秒94(+4.5)、そして山縣の日本記録に並び、日本史上で3番目タイの快記録だった。

直前に行われた男子2部で同学年の守祐陽(大東大)が9秒97(+3.7)を出しており「盛り上がっているな。負けられない」。刺激が入った。

レースは「あんまり覚えていない」。それが集中力が高かった証でもある。後輩の大石凌功が「スタートしてすぐに2mくらい前にいた」というほど、スタートから一気に抜け出すと、力走で追いかけた関口裕太(早大、10秒02)を抑えた。

広告の下にコンテンツが続きます

「追い風参考でも去年の9秒97を超えられたので良かった」と笑顔。決勝に向けて「勝つだろうという感じで見られているのは感じていた」とプレッシャーは確かにあった。それでも「関東インカレの前日練習からスタートも良い感触があった。100mの決勝でどれだけ出し切れるかだと思っていました」とさすがの勝負強さを見せつけた。

昨年は優勝候補として臨んだ日本選手権で3位。個人でのパリ五輪代表を逃し、涙を流した。厳しい冬季練習も「たまにですが、それを思い出して、東京世界選手権こそは、という思いでやってきました」。

昨年は感覚が噛み合わず、持ち味の走りが影を潜めたが、「今年は本当に良い感じにこられています」。自信を持って最後の関東インカレに臨んでいた。

日本記録にピタリと並び、「まだ最後はスピードに負ける感じもありましたが、後半までしっかり走れました。風がそこまで強くなくても出せると思います。次は公認で出したい」。

勢いをつけて翌週に控えるセイコーゴールデングランプリ、そして5月末のアジア選手権へ。「日本選手権で一番調子が合うようにしたい」。東京世界選手権の参加標準記録(10秒00)を切る準備が整った。

◇第104回関東インカレ(5月8~11日/神奈川・相模原ギオンスタジアム)2日目 学校対抗の第104回関東インカレの2日目が行われ、男子1部100m決勝は栁田大輝(東洋大)が2年ぶり3度目の優勝を飾った。 グングンと加速する日本スプリント界の若きホープに向けたスタンドのどよめきは、フィニッシュが近づくにつれて波のように大きくなっていく。相模原の強い追い風に背中を押され、力強くフィニッシュ。記録は『9秒95』。山縣亮太(セイコー)が21年に出した日本記録と並んだ。 雄叫びを上げ、両手で力強くガッツポーズ。惜しくも追い風4.5mの参考記録となり、「追参かぁ~」と苦笑い。それでも、昨年の日本学生個人選手権で9秒97(+3.5)を出していたのに続いて、自身2度目の9秒台。追い風参考では、桐生祥秀の9秒87(+3.3)、多田修平の9秒94(+4.5)、そして山縣の日本記録に並び、日本史上で3番目タイの快記録だった。 直前に行われた男子2部で同学年の守祐陽(大東大)が9秒97(+3.7)を出しており「盛り上がっているな。負けられない」。刺激が入った。 レースは「あんまり覚えていない」。それが集中力が高かった証でもある。後輩の大石凌功が「スタートしてすぐに2mくらい前にいた」というほど、スタートから一気に抜け出すと、力走で追いかけた関口裕太(早大、10秒02)を抑えた。 「追い風参考でも去年の9秒97を超えられたので良かった」と笑顔。決勝に向けて「勝つだろうという感じで見られているのは感じていた」とプレッシャーは確かにあった。それでも「関東インカレの前日練習からスタートも良い感触があった。100mの決勝でどれだけ出し切れるかだと思っていました」とさすがの勝負強さを見せつけた。 昨年は優勝候補として臨んだ日本選手権で3位。個人でのパリ五輪代表を逃し、涙を流した。厳しい冬季練習も「たまにですが、それを思い出して、東京世界選手権こそは、という思いでやってきました」。 昨年は感覚が噛み合わず、持ち味の走りが影を潜めたが、「今年は本当に良い感じにこられています」。自信を持って最後の関東インカレに臨んでいた。 日本記録にピタリと並び、「まだ最後はスピードに負ける感じもありましたが、後半までしっかり走れました。風がそこまで強くなくても出せると思います。次は公認で出したい」。 勢いをつけて翌週に控えるセイコーゴールデングランプリ、そして5月末のアジア選手権へ。「日本選手権で一番調子が合うようにしたい」。東京世界選手権の参加標準記録(10秒00)を切る準備が整った。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.09.07

400mH岸本鷹幸が母校・法大で引退レース「運が良かった」最後まで美しきハードリングと師弟関係

日本の男子400mハードルを牽引してきた岸本鷹幸(富士通)が母校・法大で現役ラストレースを迎えた。 後輩の豊田将樹(富士通)や山本竜大(SEKI AC)がレーンに並ぶ。スタンドには日本代表経験者を筆頭に、OB・OG、現役 […]

NEWS 円盤投五輪連覇のオールマン 悲願の初Vへ「大会記録は可能」/東京世界陸上

2025.09.07

円盤投五輪連覇のオールマン 悲願の初Vへ「大会記録は可能」/東京世界陸上

女子円盤投で五輪2連覇を果たしているヴァレリー・オールマン(米国)が9月7日、都内で練習を公開し、本誌の単独取材に応じた。 五輪連覇の偉業を果たし、ダイヤモンドリーグでも圧倒的な強さを見せているオールマン。だが、意外にも […]

NEWS 400m参戦のマクローリン「違うアプローチで自分に挑戦したかった」ライバル多く激戦も「集中」/東京世界陸上

2025.09.07

400m参戦のマクローリン「違うアプローチで自分に挑戦したかった」ライバル多く激戦も「集中」/東京世界陸上

女子400mハードル世界記録保持者で、東京世界選手権では400mに出場するシドニー・マクローリン・レヴロン(米国)が9月7日、都内で練習を公開しメディアの取材に応じた。 この日が来日して最初のトレーニングだったというマク […]

NEWS 【男子1500m】近藤潤(BEAT AC/中3)3分55秒44=中学歴代10位タイ

2025.09.07

【男子1500m】近藤潤(BEAT AC/中3)3分55秒44=中学歴代10位タイ

第3回亀岡陸協ナイター記録会が9月6日、京都府亀岡市の亀岡運動公園陸上競技場で行われ、男子1500mでは近藤潤(BEAT AC/中3)が中学歴代10位タイの3分55秒44をマークした。 これまでの自己ベストは、8月上旬の […]

NEWS 女子ハンマー投・河戸咲希(名古屋大谷高2)が55m56 自身の持つ高2歴代3位を更新

2025.09.07

女子ハンマー投・河戸咲希(名古屋大谷高2)が55m56 自身の持つ高2歴代3位を更新

9月6日に行われた愛知県高校新人対校大会名古屋南北支部予選南女子ハンマー投で、河戸咲希(名古屋大谷2)が55m56を放った。自身が7月のインターハイで出した高2歴代3位(54m56)を更新した。 河戸は1投目に53m67 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年9月号 (8月12日発売)

2025年9月号 (8月12日発売)

衝撃の5日間
広島インターハイ特集!
桐生祥秀 9秒99

page top