2025.02.08
多くの長距離ランナーを輩出するケニアで、複数のオリンピック選手や、ジュニア選手が年齢詐称の疑いで調査を受けていることがわかった。ケニア陸連ジュニア育成担当のバルナバ・コリル氏が地元メディアのインタビューで明かしたもの。
陸上競技における不正行為は、世界陸連の独立監査機関アスリート・インテグリティ・ユニット(AIU)がドーピング違反や記録の操作などの有無を調査しているが、AIUの報告の前に不正行為について公表されるのは異例。
コリル氏によれば、昨年8月にペルーで開催されたU20世界選手権に出場した選手のうち、4人が年齢を偽って大会に出ていたという。今後、AIUから正式な処分が下される見込みとしている。また、過去を含め30人の選手が同様の不正を行っていた疑いがあると述べた。
ケニアでは、近年国内でのドーピング違反を含め不正行為が多発。ケニア陸上界に対して疑念が深まっていることに危機感を抱いたケニア陸連は、昨年から全国的な選手登録システムを導入し、ドーピングや年齢詐称などの不正撲滅に着手している。
しかしながら、コリル氏は「ドーピングは選手個人の問題であるが、年齢詐称については出生証明書やパスポートの改ざんが必要で、家族やコーチ、行政の関係者など多くの人間が加担している」とし、「過去には出場禁止処分を下したにもかかわらず、裁判所の命令により決定が覆されてしまったケースもある」と話し、この問題の根深さを嘆いている。
ケニア陸連は、今後パスポートなどの真正性を追跡調査するため、入国管理局職員や戸籍局と連携を取ることを決定している。
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