◇皇后盃第43回全国都道府県対抗女子駅伝(1月12日/京都・たけびしスタジアム京都発着:9区間42.195km)
都道府県女子駅伝が行われ、京都が2時間15分26秒で3大会ぶり19度目の優勝を飾った。
1500m、5000m日本記録保持者の田中希実(New Balance)は兵庫のアンカーとして、最長区間10kmの9区へ。中学時代から出場している田中にとって、11大会連続エントリー(未出走含む)で初の9区だった。
前回、9区を務めた太田琴菜(日本郵政グループ)が、昨年11月の全日本実業団対抗女子駅伝以降にコンディションが整わなかったことから「2区か9区の両軸で調整してきました」と田中。年末年始の宮古島合宿でも10kmを想定した練習も「しっかりできていた」。
中継所では長崎の廣中璃梨佳(日本郵政グループ)と並んでスタート位置へ。笑顔で話すシーンもあり、「まさかのまさかだね。一緒に頑張ろう」と声を掛け合ったという。
普段から「あまり時計は見ない」田中。トラックの10000mは過去3レース経験しているが、「10kmというところに抵抗を感じてゆっくり入ってはいけない。思い切って入ろう」と12位でスタート。1km3分05秒ペースを見据えて入ったが「自分のリズムのようで自分のリズムではない。前を譲りたくないことばかり考えてしまった」。タイム思った以上に上がらず「もう少し彼女(廣中)の力を借りれば良かったですが、力不足かな」と振り返る。
結果、2つ順位を上げ、32分28秒の区間6位。「もっと気持ち良く、楽しく走れたら良かったですが、そう甘くはなかった」。入賞には届かなかずチームは10位だったが、田中の胸には地元への思いが強くあった。
阪神・淡路大震災から30年のワッペンをつけた兵庫チーム。チームスタッフから当時のことを毎年話してもらうそうで、「震災に関係された経験を思い出すのはつらいなかで、私たちに伝えたいという思いが伝わってきました。経験をしていないので伝えることはできなくても、受け取って、走りで表現していくことが大事だろうと感じています」。
トラックで世界を舞台に結果を残してきても、田中はいつも駅伝を大事にしてきた。「兵庫の思いを乗せることが一番いい走り。個人としては納得いかない液化でしたがチーム兵庫としての姿勢は見せられた。個人のレースだったら休んでしまう苦しいところも、駅伝だからこそいつもと違った走りができました。ゴール後のみなさんの笑顔や『ありがとう』という声に、順位やタイムだけではない部分を伝えることができていればうれしいです」。
東京世界選手権イヤーの幕開け。「10kmという距離から入るのシーズンがどんなものになるか楽しみもありつつ、不安も大きい。結果だけ見てダメだ、ではなく、絶対にこれからにつなげるという気持ちでいきたい」。今後は海外室内シーズンで800mから3000mのレースに出場しつつ屋外レースに備えていく。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.11.09
やり投・新井涼平が母校で引退試合「競技者としても人間としても成長」
2025.11.09
中国電力が2年ぶり22回目のV 6区・池田勘汰で逆転/中国実業団対抗駅伝
-
2025.11.08
-
2025.11.03
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
2025.11.02
青学大が苦戦の中で3位確保!作戦不発も「力がないチームではない」/全日本大学駅伝
-
2025.10.18
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.11.09
ニューイヤー駅伝出場チームが決定! 3チームが記念大会枠獲得で40チーム 旭化成は40年連続の節目 MABPが初全国
来年元日の第70回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝、群馬県庁発着)の出場チームが、11月9日の中部・北陸、関西、中国地区予選の終了をもって出そろった。 ニューイヤー駅伝の出場枠は例年37チームだが、今回は70回の記 […]
2025.11.09
やり投・新井涼平が母校で引退試合「競技者としても人間としても成長」
男子やり投で今季限りでの引退を表明している新井涼平(スズキ)が11月8日、母校・国士舘大の記録会に出場して競技生活に別れを告げた。 1991年6月23日生まれの34歳。埼玉県長瀞町出身で、小学校時代はソフトボール部、中学 […]
2025.11.09
中国電力が2年ぶり22回目のV 6区・池田勘汰で逆転/中国実業団対抗駅伝
◇第64回中国実業団対抗駅伝(11月9日/広島・せら文化センター発着、7区間80.8km) 第64回中国実業団対抗駅伝が行われ、中国電力が3時間58分08秒の大会新記録で2年ぶり22回目の優勝を果たした。 中国電力は1区 […]
2025.11.09
住友電工が悲願の初V 2区から首位譲らず 2位にSGH 最終区で逆転の大阪府警が記念枠で全国へ/関西実業団対抗駅伝
◇第68回関西実業団対抗駅伝(11月9日/和歌山・龍神行政局~龍神体育館、7区間80.45km) 全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝、26年1月1日)の予選会となる、第68回関西実業団対抗駅伝が行われ、住友電工が3時 […]
Latest Issue
最新号
2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望