HOME 駅伝

2024.10.21

前半好走、終盤も粘り切ったユニクロが1位 「全員の力を合わせて勝てたことが1番の収穫」/プリンセス駅伝
前半好走、終盤も粘り切ったユニクロが1位 「全員の力を合わせて勝てたことが1番の収穫」/プリンセス駅伝

プリンセス駅伝で1位となったユニクロ

◇第10回全日本実業団対抗女子駅伝予選会(プリンセス駅伝in宗像・福津/福岡県宗像市・宗像ユリックス前発着、6区間42.195km)

第10回プリンセス駅伝が10月20日に行われ、後半でトップを走ったユニクロが2時間19分16秒で初の1位となった。

4年連続13回目となるクイーンズ駅伝出場権をトップでつかんだ。長沼祥吾監督は「今大会は優勝できる可能性が大きいメンバーがそろっていたので、こういう時に勝ちたいと思っていました。6人全員の力を合わせて勝てたことが1番の収穫」と、喜んだ。

広告の下にコンテンツが続きます

「4区までに流れを作る」という戦略で、前半にチームの主力選手をずらりと並べた。1区に起用したのは前々回、この区間賞を獲得している川口桃佳。昨年のアジア選手権10000mでは銀メダルを獲得している実績を持ったランナーだ。

結果的にはトップと32秒差の11位発進となったが、2区のパリ五輪1500m代表の後藤夢が挽回する。11分13秒の区間賞で7つ順位を上げ、4位に進出する。3区は近年マラソンに軸足を移している吉川侑美。区間3位で駆け抜け、順位をさらに1つ上げた。

続く4区は今季加入したオマレ・ドルフィン・ニャボケ。4秒先にスタートした大塚製薬を抜き去ると、56秒差だったトップのエディオンまで追いつき、一気にひっくり返して、13秒リードして1位中継した。

5区の平井見季は「駅伝に向かうまで、なかなか調子が上がらず不安も大きかった」と決して万全の心理状態ではなかったが、「とにかく自分の力を出し切ろうと思っていました」とトップをキープ。区間5位だったが、2位との差を33秒に拡大し、長沼監督は「予想以上に頑張ったのは平井」と好走を称えた。

アンカーの加藤綾華は、4年連続でこのコースを走る。「そんなに調子は良くなかった」という中で「優勝できなかったり、区間順位が悪かったりした時に、メンバー入りできなかった仲間に申し訳ないと思ったので、自分の走りをするということだけを考えて走りました」。

ユニクロから50秒差の5位で中継所を飛び出した三井住友海上・樺沢和佳奈が3人を抜いて、さらに加藤にも迫った。しかし、加藤も粘り、残り1kmあたりから差は変わらず、7秒先着した。

中盤で前に出て、最後はトップを守り切る。狙い通りのレースで、全日本大会へ弾みをつけた。

長沼監督は11月24日のクイーンズ駅伝に向けて、「8位以内は最低限。それ以上じゃないと喜んでもらえないと思うので、限りなく上を目指します」と意気込む。チーム最高順位は2014年の7位。以降はトップ8に届いていない。10年ぶりの躍進へ、再びチーム一丸となって1ヵ月後の決戦に臨む。

文/田端慶子

◇第10回全日本実業団対抗女子駅伝予選会(プリンセス駅伝in宗像・福津/福岡県宗像市・宗像ユリックス前発着、6区間42.195km) 第10回プリンセス駅伝が10月20日に行われ、後半でトップを走ったユニクロが2時間19分16秒で初の1位となった。 4年連続13回目となるクイーンズ駅伝出場権をトップでつかんだ。長沼祥吾監督は「今大会は優勝できる可能性が大きいメンバーがそろっていたので、こういう時に勝ちたいと思っていました。6人全員の力を合わせて勝てたことが1番の収穫」と、喜んだ。 「4区までに流れを作る」という戦略で、前半にチームの主力選手をずらりと並べた。1区に起用したのは前々回、この区間賞を獲得している川口桃佳。昨年のアジア選手権10000mでは銀メダルを獲得している実績を持ったランナーだ。 結果的にはトップと32秒差の11位発進となったが、2区のパリ五輪1500m代表の後藤夢が挽回する。11分13秒の区間賞で7つ順位を上げ、4位に進出する。3区は近年マラソンに軸足を移している吉川侑美。区間3位で駆け抜け、順位をさらに1つ上げた。 続く4区は今季加入したオマレ・ドルフィン・ニャボケ。4秒先にスタートした大塚製薬を抜き去ると、56秒差だったトップのエディオンまで追いつき、一気にひっくり返して、13秒リードして1位中継した。 5区の平井見季は「駅伝に向かうまで、なかなか調子が上がらず不安も大きかった」と決して万全の心理状態ではなかったが、「とにかく自分の力を出し切ろうと思っていました」とトップをキープ。区間5位だったが、2位との差を33秒に拡大し、長沼監督は「予想以上に頑張ったのは平井」と好走を称えた。 アンカーの加藤綾華は、4年連続でこのコースを走る。「そんなに調子は良くなかった」という中で「優勝できなかったり、区間順位が悪かったりした時に、メンバー入りできなかった仲間に申し訳ないと思ったので、自分の走りをするということだけを考えて走りました」。 ユニクロから50秒差の5位で中継所を飛び出した三井住友海上・樺沢和佳奈が3人を抜いて、さらに加藤にも迫った。しかし、加藤も粘り、残り1kmあたりから差は変わらず、7秒先着した。 中盤で前に出て、最後はトップを守り切る。狙い通りのレースで、全日本大会へ弾みをつけた。 長沼監督は11月24日のクイーンズ駅伝に向けて、「8位以内は最低限。それ以上じゃないと喜んでもらえないと思うので、限りなく上を目指します」と意気込む。チーム最高順位は2014年の7位。以降はトップ8に届いていない。10年ぶりの躍進へ、再びチーム一丸となって1ヵ月後の決戦に臨む。 文/田端慶子

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.18

山梨学大元顧問の秋山勉さんが死去 創部から強豪への土台を築く、東農大で箱根駅伝4度出走

山梨学大の元顧問で駅伝チームの始動から携わった秋山勉さんが12月17日、心室頻拍のため亡くなった。85歳だった。 秋山さんは山梨県甲府市出身で、山梨農林高時代に全国高校駅伝(1956年/第7回)で4区を走った実績がある。 […]

NEWS 日本陸連が育成年代の競技会ガイドラインを策定 来年の滋賀インターハイについて18時開始案など対応継続

2025.12.17

日本陸連が育成年代の競技会ガイドラインを策定 来年の滋賀インターハイについて18時開始案など対応継続

日本陸連は12月17日に第106回理事会を開き、「育成年代における競技会ガイドライン」を策定したことを発表した。 このガイドラインは日本陸連がかねてから示している「競技者育成指針」に基づいたもので、「育成年代における競技 […]

NEWS 世界リレー日本代表要項を発表!北京世界選手権のメダル、出場目指して 世界競歩チーム選手権、世界ロードラニング選手権も

2025.12.17

世界リレー日本代表要項を発表!北京世界選手権のメダル、出場目指して 世界競歩チーム選手権、世界ロードラニング選手権も

日本陸連は12月17日、ボツワナ・ハボローネで26年5月2日~3日に開催される世界リレーの日本代表選考要項を発表した。 2027年北京世界選手権の出場権獲得、および世界選手権でのメダル獲得のため、戦略的に選手団をは編成す […]

NEWS U20世界選手権の日本代表選考要項を発表!U20世界8位以内など記録重視の選考に

2025.12.17

U20世界選手権の日本代表選考要項を発表!U20世界8位以内など記録重視の選考に

日本陸連は12月17日、米国・オレゴンで8月5日~9日に開催されるU20世界選手権の日本代表選考要項を発表した。 世界で活躍できるU20カテゴリートップレベルの競技者を派遣し、金メダル獲得を目指す選手団を編成する方針。参 […]

NEWS 26年日本選手権の参加資格発表 参加標準と申込資格記録の2つを採用 アジア大会選考

2025.12.17

26年日本選手権の参加資格発表 参加標準と申込資格記録の2つを採用 アジア大会選考

日本陸連は12月17日、第106回理事会を開き、来年の第110回日本選手権の参加資格について発表した。 今回は「参加標準記録」と「申込資格」の2つの参加資格を設定し、参加標準記録は高く定められている。ターゲットナンバー( […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top