日本陸連は8月15日、「パリ2024オリンピック競技大会 選手、関係者への誹謗中傷に関して」と題した声明を発表。選手や関係者に対するSNS等による誹謗中傷に対して、「法的措置も辞さない」対応をしていくことを明らかにした。
パリ五輪では大会を通じて選手の活躍とともに、選手へのSNS等による誹謗中傷が頻発。日本オリンピック委員会(JOC)では8月1日に、「SNSでの誹謗中傷からアスリートの心身の状態を守るとともに、より多くの方にスポーツの価値をご理解いただき、応援いただきたい」というメッセージを発信したが、陸上でも出場種目を絞る際やケガによる棄権、補欠選手の扱いについてなど、心無い書き込みが後を絶たなかった。
それを受けて日本陸連も、「SNSでの心無い誹謗中傷は、心を深く傷つけ、不安に陥れる原因となります。大会に向けて、日々人生をかけて努力を続ける選手や関係者への心無い誹謗中傷は、どんな理由があろうと許されるものではありません」とコメント。
JOCでも「侮辱、脅迫などの行き過ぎた内容に対しては、警察への通報や法的措置も検討」としていることに倣い、日本陸連も「選手や関係者を守るために、行き過ぎた内容の誹謗中傷の投稿に関しては、今後法的措置も辞さない考えを持っております」と発表した。
JOCが発表したパリ五輪 TEAM JAPAN からのメッセージ
第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)TEAM JAPAN からのメッセージの掲出について 本メッセージは、競技に臨むアスリートが置かれている状況をご理解いただき、SNSでの誹謗中傷からアスリートの心身の状態を守るとともに、より多くの方にスポーツの価値をご理解いただき、応援いただきたいという思いから掲出するものです。 ■TEAM JAPANからのメッセージ いつもTEAM JAPANを応援いただき、誠にありがとうございます。 応援いただく皆さまへ改めてSNS等の投稿に関してお願いがあります。 アスリートは4年に一度開かれるオリンピックに向けて、自分自身のため、そして支えてくださる多くの方のため、人知れず努力を重ねてきました。 どのアスリートも、一瞬一瞬を無駄にせず、緊張の中で、自身が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、調整して大会に臨んでいます。 中には、試合前にコンディションを見極めて厳しい選択をせざるを得ないこともあります。 どれだけ準備を重ねても、試合では予期せぬこともたくさんあります。 そのすべてを受け入れて、自分にできる最高のパフォーマンスを発揮すべく、アスリートはその場に立っています。 応援いただく皆さまに、是非アスリートがこれまで歩んできた道のりにも思いをはせ、その瞬間を見守り、応援いただけますと幸いです。 オリンピックに臨むアスリートは、相手をリスペクトしています。 体操競技では、自身の演技が終わった後、ライバルが演技を開始するにあたり、口に指をあてて、観客に静かにするよう求める選手がいました。 柔道では、試合の時には納得がいかないことがあっても、競技後に互いの健闘をたたえ合う選手がいました。 スポーツで自身の競技力を高めるには、競い合う相手が必要です。 対戦相手は、戦う相手であるとともに、ともに高め合う仲間でもあります。 そのリスペクトこそが、自身の競技力を高め、スポーツの価値をより高めるものと信じています。 SNS等を通じた皆さまからの激励・応援メッセージは、アスリート、監督・コーチへの大きな力となっています。その一方で、心ない誹謗中傷、批判等に心を痛めるとともに不安や恐怖を感じることもあります。 TEAM JAPANを応援いただく皆さまには、誹謗中傷などを拡散することなく、SNS等での投稿に際しては、マナーを守っていただきますよう改めてお願い申し上げます。 なお、侮辱、脅迫などの行き過ぎた内容に対しては、警察への通報や法的措置も検討いたします。 皆さまのご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。 (8月1日発表/原文ママ)
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.04.30
【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
2025.04.29
100mH田中佑美が予選トップ通過も決勝棄権「故障ではない」昨年の結婚も明かす/織田記念
-
2025.04.28
-
2025.04.26
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.01
-
2025.04.12
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.30
【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」
山梨学大の上田誠仁顧問の月陸Online特別連載コラム。これまでの経験や感じたこと、想いなど、心のままに綴っていただきます! 第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」 昨年は記念大会となる第100回箱根駅伝が開催され […]
2025.04.30
【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦
FOCUS! 高校生INTERVIEW 山田大智 Yamada Daichi 西脇工高3兵庫 2025年シーズンが本格的に始まり、高校陸上界では記録会、競技会が次々と開かれています。その中で好記録も生まれており、男子50 […]
2025.04.30
5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場
5月3日に行われる静岡国際のエントリーリストが更新され、現時点で欠場届を提出した選手が判明した。 男子100mはパリ五輪代表の坂井隆一郎(大阪ガス)が欠場。坂井は4月13日の出雲陸上で脚を痛め、29日の織田記念の出場も見 […]
2025.04.30
26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得
世界陸連(WA)は4月29日、2026年に新設する「世界陸上アルティメット選手権」の大会500日前を受け、昨年のパリ五輪の金メダリストに出場資格を与えることを発表した。女子やり投で金メダルを獲得した北口榛花(JAL)も含 […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)