◇パリ五輪・陸上競技(8月1日~11日/フランス・パリ)9日目
パリ五輪・陸上競技9日目のイブニングセッションが行われ、8日目に続いて実施された女子七種競技はナフィサトゥ・ティアム(ベルギー)が史上初となる五輪3連覇を達成した。
ティアムは1種目めの100mハードルを13秒56(±0)の16位で発進すると、続く走高跳で1m92を跳んで一気に2位に浮上。砲丸投の15m54でトップに立たつと、200mも24秒46(+0.2)でまとめ、初日を2位で折り返す。
昨年のブダペスト世界選手権金メダリストでライバルと目されているカタリナ・ジョンソン・トンプソン(英国)が5種目めまで首位を走ったものの、ティアムは6種目めのやり投で54m04の全体トップの好記録を放って逆転。ジョンソン・トンプソンに121点差をつけて最後の800mに臨んだ。
800mを得意とするジョンソン・トンプソンに対して、ティアムの800mのベストは2分11秒79。少しでも気を抜けば逆転されるポイント差だった。
ジョンソン・トンプソンが2番手でレースを進めるなか、ティアムは5番手を走行。徐々にその差は広がり、ライバルが2分04秒90の自己記録をマーク。ただ、ティアムも負けじと最後の力を振り絞って2分10秒62の自己ベストでフィニッシュラインを駆け抜ける。
結果として、ティアムが総合6880点を獲得して金メダルを獲得。ジョンソン・トンプソンはわずか36点差で2位に止まった。
ベルギー人の母とセネガル人の父を持つ29歳。7歳から陸上を始め、七種競技は15歳のときから始めた。2013年のU20欧州選手権で優勝。走高跳と投てき種目を武器に記録を伸ばし、16年リオ五輪では7種目中5種目で自己記録を更新。21歳での五輪七種競技制覇は史上最年少の快挙だった。
17年には7000点越えとなる7013点を叩きだし、名実ともにこの種目の第一人者に。19年は世界選手権こそ右ヒジのケガでジョンソン・トンプソンに金メダルを奪われたが、主要大会では勝利を重ねてきた。
栄光に彩られてきたティアムだが、その裏ではケガとの戦いも続いている。特に昨年はアキレス腱を負傷。選手生命も危ぶまれるものでブダペスト世界選手権を欠場した。20代で引退する選手も少なくない七種競技において、今月には30歳を迎え、『クイーン』の座に君臨しつづけるため、さまざまなことを犠牲にしてきたという。
「とても特別な気分。身体の痛みをこらえて努力してきたが、それらが報われた。この勝利は自分の努力に捧げたい」と語った女王。「ここ数日は心身ともに緊張していたが、すべてが終わって身体が『もう大丈夫だよ』と話しかけているみたい。今は話すのも辛いくらい疲れているし、限界に近い」と死力を尽くしての勝利だったことを明かした。
4年後のロス五輪に向けての質問にも「すべてはパリのために努力してきた。でも少し頑張り働き過ぎたかもしれない。4年後のことはまだ考えてないし、今はこの瞬間を楽しませてほしい」とやりきった表情で答えた。
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