◇第103回関東インカレ(5月9~12日/東京・国立競技場)1日目
関東インカレの1日目が行われ、男子1部10000mはジェームス・ムトゥク(山梨学大)が28分02秒29で優勝した。
あの男が大きな舞台に戻ってきた。中学時代から世代の先頭を走り続けてきた石田洸介(東洋大)が初めての関東インカレに出場。「プレッシャーは全然感じなかったです。今出せる、自分の力を全部出し切ろうと思って走りました」。鉄紺の誇りを胸にスタートラインに立った。
序盤から集団の前を引く場面もあるなど、積極的な走りを見せた石田。「最後、2人にかわされて6位になったのですが、今出せる力は出し切れました」と充実の表情を浮かべ、「6、7位ですが小林(亮太)と2人で入賞できたのも大きいです」と話す。
28分08秒29で、最後は花岡寿哉(東海大)と競り合い0.02秒差敗れたが、「確実に入賞」という目標をしっかり達成した。
「記憶に残らないくらいつらいことしかなくて、苦しい日々でした」
ケガが重なったこと、そして2年時の箱根駅伝で2区19位と苦しい走りとなり「トラウマ」から、一時は引退もよぎった。「もう限界でした。走ることも離れ、普通の生活をしていました」。5月から9月頃まで実家の福岡に帰省した。
「時間が解決してくれた部分もある」が、支えてくれたのは両親、そして待ってくれた酒井俊幸監督、瑞穂コーチらスタッフ、同期をはじめとする仲間たちだった。石田は再び走り出した。
昨年は箱根駅伝前に故障があり、「4月からちょっとずつ走り出せました」と、記録会で実戦復帰して5000m13分台を出すと、「一歩ずつできる領域が広がっていきました」。今回の快走も、さらなる進歩へのステップだ。
「やっと東洋大の選手っていうふうになってきたと思います。自分としては誇れる結果を一つ残せたと思います。支えてくれた方々に恩返しがしたい。今年の目標は、最後は自分らしく、充実感を持って終わりたい。トラックでは高校で止まったままの時間を取り戻していきたい」
誰もがその背中を追いかけてきた世代のエースが、いよいよ学生ラストシーズンにその輝きを放とうとしている。
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