◇第100回箱根駅伝(東京・大手町←→神奈川・箱根町/10区間217.1km)
第100回箱根駅伝が行われ、東洋大は10時間52分26秒で4位に食い込んだ。
往路を4位で折り返した東洋大は、目標の3位まであと一歩の総合4位でフィニッシュ。19年連続のシード権も確保した。
酒井俊幸監督は「今回は及第点。今後優勝争いできるところまで持っていきたいので、通過点としては評価できると思う」と、復権への兆しを感じさせる第100回大会となった。
復路終了時点では3位・城西大との差は3分49秒。6区で差を縮めたが、7区は区間19位と苦戦して走行順5番目に下がった。だが、8区・村上太一(4年)で再び4位に立つと、9区・吉田周(3年)が区間2位と好走して、最終区間での逆転を狙った。
鶴見中継所では3位の城西大と2分22秒差。10区の岸本遼太郎(2年)は「ここで流れを途切れさせるわけにいかないと思った。走り始めると、前を走る城西大の運営管理車が近くなってくるのを感じられた」と勢いづき、15kmを過ぎてから肉眼で前のランナーが見える位置まで迫った。
その後は文字通り3位の背中を追ったが、最終的に21秒届かず4位でのフィニッシュとなった。
酒井監督は「9区、10区は前半から攻めるよう、突っ込んで走るよう伝えていた。結果的に届かなくても、そういう姿勢を残さなければ、次回大会につながらない。あたかも“11区”があるかのようにやっていかないと、再建にはならないと思った」と、今年度掲げていた「東洋の再建」のテーマに基づき果敢に挑ませた結果だった。
「あと約20秒で、やはり悔しい。総合3位には入りたかった」と酒井監督。100点満点とはいかなかったが、復路成績は5時間27分28秒の3位で、2位の駒大にも19秒差に迫る健闘だった。
10区の岸本は今回学生三大駅伝初出場ながら区間賞の殊勲。レース後に区間賞獲得を伝えられると「まさか自分が。素直にうれしいです。頑張って良かった」と笑顔だった。
駅伝主将の松山和希(4年)も「復路では最後まであきらめない走りをしてくれました。特に9区、10区で頼もしい後輩がいい順位で走ってくれたので、そこも含めて来年につながるいいレースになったと思います」と言う。過去4回の優勝を誇るチームの今後を後輩たちに託した。
なお、酒井監督は1月1日の能登半島地震に関して「(石川県の)輪島は東洋大にとって長距離も競歩もお世話になっている場所。走る環境があることがありがたいという気持ちと、こういう時に駅伝に出ていいのかという気持ちがありました」と心境を明かす。
今回改めて、「駅伝は自分だけのためでなく、人のためという部分が必要な競技。特に箱根駅伝はその積み重ね。出場するのにも、いろんな方に協力してもらわないと成り立たない大会なので、『走るからなんでもいい、ではなく走らせてもらっているという感覚でやろう』というメンタルの部分が、今回の立て直しの中で大きかったと思っている」と話した。
文/中村 外
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.09.08
男子短距離・九鬼巧が今季限りで引退 IH100m連覇、アジア選手権出場など足跡残す
-
2024.09.07
-
2024.09.06
2024.08.20
BROOKSの新作ランニングシューズ「Ghost MAX 2」が9月3日より発売開始!
-
2024.08.13
-
2024.08.30
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.09.09
110mH村竹ラシッド 自己3番目タイの13秒14でV!東京五輪金パーチメントら抑える/WAコンチネンタルツアー
世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ゴールド最終戦のハンジェンコヴィッチ記念(クロアチア・サグレブ)が行われ、男子110mハードルで村竹ラシッド(JAL)が優勝した。13秒14(-0.5)は自己3番目タイの好記録となる […]
2024.09.08
関東大学女子駅伝のエントリー発表 大東大・野田真理耶、日体大・山﨑りさらが登録 拓大の不破聖衣来はメンバー外
関東学連は10月5日に行われる第30回関東大学女子駅伝の出場校ならびに、エントリー選手を発表した。 大会には23校がエントリー。前回、7年ぶり4回目の優勝を飾った大東大は、前回のVメンバーのうち四元桃奈(4年)を除く主力 […]
2024.09.08
男子短距離・九鬼巧が今季限りで引退 IH100m連覇、アジア選手権出場など足跡残す
9月7日、男子100mの九鬼巧(NTN)が24年シーズンをもって引退することを発表した。 九鬼は1992年生まれの32歳。小学生時代から全国大会に出場し、和歌山・文成中では全中で100m8位入賞を果たしている。 和歌山北 […]
2024.09.07
順大・澤木啓祐氏が名誉総監督を退任 本人の申し出を受け
9月6日、順天堂大学スポーツ健康科学部はホームページに「順天堂大学陸上競技部に関する報道について」と題したリリースを公開。同大学陸上部名誉総監督の澤木啓祐氏が退任することが発表された。 この件は、一部報道で同大学陸上部指 […]
2024.09.06
ヤマダホールディングスが10月のプリンセス駅伝欠場を発表
9月6日、ヤマダホールディングスは10月20日に開催予定の第10回全⽇本実業団対抗⼥⼦駅伝予選会(プリンセス駅伝)を欠場することを発表した。 チームは11月の全⽇本実業団対抗⼥⼦駅伝(クイーンズ駅伝)での上位入賞を目標に […]
Latest Issue 最新号
2024年9月号 (8月9日発売)
速報 パリ五輪
大盛況 福岡IH
久保凛 日本新特集!