2024.01.02
◇第100回箱根駅伝・往路(東京・大手町~神奈川・箱根町/5区間107.5km)
強い“アオガク”が箱根路に戻ってきた。
大会前には圧倒的な戦力を持つ駒大の優位が予想されたが、青学大が4連覇を果たした15年~18年ごろのような強さをみせるレースとなった。
1区では荒巻朋照(2年)が先頭から35秒差の9位でリレー。「20秒差以内でと思っていたので目標は達成できなかった」と唇を噛んだが、ラスト2kmからの粘りで2区へとつないだ。
エース区間を任された黒田朝日(2年)はケニア人留学生もかわす走りを披露。「前だけを追って、ラスト3kmの坂もも上がれた。理想の走りができた」。自身も納得の走りで区間賞を獲得し、「3区に1秒でも縮めて(タスキを)渡そうと最後まで振り絞れた」と3区の太田蒼生(3年)にリレーする。
勝負を大きく左右したのが3区だった。太田は10000mで現役日本人学生歴代トップの駒大・佐藤圭汰に7km過ぎで追いつくと、しばらく併走。激しいつば迫り合いは「きつかったけど、楽しかった」と振り返りつつ、「『負けてたまるか!大作戦』の言葉どおり、強い気持ちで走ることができました」と終盤に佐藤を振り切る。
太田は区間歴代2位の59分47秒で区間賞を獲得。佐藤も粘り4秒差でタスキをつないだが、この区間でリードを広げるつもりだった駒大に対して初めて先手を奪い、レースの主導権を握った。
続く4区でも佐藤一世(4年)が中継所直後から駒大を引き離す走りを見せて、連続区間賞を獲得する。
1分27秒差のリードをもらってスタートした若林宏樹(3年)も冷雨をものともしない走りで山を駆け上がると、区間2位ながら1時間9分33秒と従来の区間記録を更新。往路フィニッシュタイムの5時間18分13秒は従来の大会記録(5時間21分16秒)を3分以上も上回る驚異的なタイムとなった。
原晋監督は「能登震災で(箱根駅伝が)開催できるかどうかわらない中、また多くの被災にあわれた方がいる中で、箱根駅伝できること、本当に感謝申し上げたい」と感謝を述べつつ、「駒澤1強と言われる中で、学生たちが頑張ってくれた」と振り返った。
ライバル駒大には2分38秒をつけて復路に臨むが、「伝統的に復路に強い。学生たちも堂々と自信を持って輝いて走ってもらいたい」(原監督)と2年ぶりの優勝に向けて力強く語った。
箱根駅伝の復路は1月3日朝8時にスタートする。
箱根駅伝往路歴代20傑
5.18.14 青学大 100回(24年) 優勝 5.20.52 駒大 100回(24年) 2位 5.21.16 青学大 96回(20年) 優勝 5.21.31 城西大 100回(24年) 3位 5.22.06 青学大 98回(22年) 優勝 5.22.49 國學院大 96回(20年) 2位 5.23.10 駒大 99回(23年) 優勝 5.23.40 中大 99回(23年) 2位 5.23.58 青学大 91回(15年) 優勝 5.24.33 東京国際大 96回(20年) 3位 5.24.38 東海大 96回(20年) 4位 5.24.43 帝京大 98回(22年) 2位 5.24.45 東洋大 88回(12年) 優勝◆ 5.25.13 青学大 99回(23年) 3位 5.25.20 東洋大 100回(24年) 4位 5.25.34 駒大 98回(22年) 3位 5.25.49 國學院大 98回(22年) 4位 5.25.55 青学大 92回(16年) 優勝 5.26.06 早大 100回(24年) 5位 5.26.10 順大 98回(22年) 5位 ◆は函嶺洞門を通過する旧コースの記録
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